緋扇邸のオオカミくん   作:アニアス

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第10話 監視役の転校生

~湯煙高校~ 午前7時45分

 

コガラシが通っている高校で、今は登校時刻の為、校門を潜っている学生が多く見られている。

 

コガラシは今、教室で幽奈、千紗希、雲雀、クラスメイトの兵藤、柳沢と会話をしていた。

ちなみに幽奈が何故いるのかというと、コガラシと一緒にいたいという理由でいるそうだ。

 

そんな時、クラスメイトの男子生徒が入って来た。

 

 

男子生徒「おいみんな!また転校生が来るみたいだぞ!」

 

 

突然の知らせにクラス中は騒がしくなった。

 

 

柳沢「また転校生?」

 

兵藤「おい冬空、まさかお前の知り合いの美少女って訳じゃないよな?」

 

コガラシ「いや、俺も心当たりが全くないんだが」

 

千紗希「でも、今の時期に転校生って珍しいね」

 

雲雀「一体誰なんだろう?」

 

幽奈「気になりますねぇ」

 

 

コガラシたちも転校生のことが気になっていた。

 

 

ガラララ

 

 

先生「ほらお前ら、早く席に着け」

 

 

すると、教室の扉が開かれて担任の先生が入って来た。

 

教室にいたクラスメイトたちは全員席に着いた。

 

 

先生「まぁ、何人か知ってる人たちもいるかもしれないが、今日からまた転校生が来ることになったから、仲良くするように。じゃあ入って来い」

 

 

教室にいる全員が扉に注目していると、扉が開かれて転校生が入って来た。

 

 

「なんだ、男子かよ」

 

「なんかカッコよくない?」

 

「後で連絡先聞いてみようよ!」

 

 

転校生の容姿に皆はそれぞれの意見を口にした。

 

しかし、

 

 

コガラシ「・・・・・んん!?」

 

幽奈「えぇ!?」

 

千紗希「ウソッ!?」

 

雲雀「なんで!?」

 

 

コガラシたちはその転校生に見覚えがあったのだ。

 

その転校生は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋宗「京都の緋扇学園から転校してきました。西条秋宗です。よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと、かるらとマトラの幼なじみでもあり、緋扇邸の用心棒でもあり、オオカミ人間でもある、西条秋宗だったのだ。

 

 

コガラシ「さ、西条ぉ!?」(ガタッ!

 

兵藤「うおっ!?どうした冬空!?」

 

 

コガラシは突然現れた秋宗に驚いて、つい立ち上がってしまった。

 

 

秋宗「よぉコガラシ、まさかお前と同じクラスになれるなんてな」

 

コガラシ「んなことどうでもいいんだよ!何でお前がこんなところにいるんだよ!?」

 

秋宗「いや、だから転校してきたって今言ったばかりだろ」

 

担任「西条、席は廊下側の一番後ろにあるからそこに着け。冬空も座っとけ」

 

 

担任に促されて、秋宗は空いている席に座った。

 

 

担任「よし、じゃあホームルームを始めるぞ」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

~昼休み~

 

 

秋宗「いや~、まさか休み時間フルで質問攻めがくるとはなぁ。転校生の初日の大変さが身に染みて分かった気がする」

 

 

今、秋宗はコガラシたちと一緒に教室で会話をしていた。

 

休み時間はクラスメイトたちの質問攻めで少し疲れていた。

女子の数名からは連絡先の交換をしていた。

 

 

兵藤「まさか、また転校生が冬空の知り合いだったとはなぁ」

 

柳沢「アンタどんだけ顔がひろいんだよ」

 

 

兵藤も柳沢もそれぞれの感想を口にしていた。

 

 

千紗希「それにしても驚いた。まさか西条くんが転校してくるなんて」

 

幽奈「私もビックリしました」

 

雲雀「・・・まさか、何か企んでるんじゃないの?」

 

 

雲雀は少し警戒していた。

 

もしかしたら、かるらの手先としてコガラシに何かするのではないかと思っていたからだ。

 

 

秋宗「何も企んでねぇよ。それにお嬢とはもう和解しただろ?」

 

雲雀「それは、そうだけど・・・」

 

コガラシ「で?何でこっちに転校してきたんだよ?」

 

 

コガラシは率直な疑問をぶつけた。

 

 

秋宗「えっと、実はお嬢から頼まれてな。『もしかしたらコガラシ殿の周りに新たな女子が増える可能性があるかもしれぬ!そこで秋宗!主にコガラシ殿を監視してほしいのじゃ!』って頼まれて」

 

幽奈「な、なんと言いますか・・・」

 

千紗希「緋扇さんらしいね」

 

 

幽奈と千紗希は苦笑いを浮かべていた。

 

 

秋宗「ま、俺としても願ったり叶ったりみたいなもんだからなぁ。コガラシには興味があるしよ。まぁともあれ、これからよろしくな、コガラシ」

 

コガラシ「お、おう」

 

 

秋宗が差し出した手をコガラシが握って、二人は握手をした。

 

すると兵藤はあることを聞いてみた。

 

 

兵藤「そういや西条って、今何処に住んでるんだ?」

 

秋宗「あぁ、それならいい物件があったからな、そこに決めたんだよ。荷物も今日そこに届く予定だからな」

 

柳沢「いい物件?」

 

秋宗「すごくいい物件でさ、何でも和風のシェアハウスなんだよなぁ」

 

 

秋宗は笑いながらコガラシたちの方を見た。

 

 

幽奈「和風の、シェアハウスって・・・」

 

コガラシ「お、おい、まさか、その物件って・・・」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

秋宗「え~、という訳で、今日からこのゆらぎ荘に入居することになりました、西条秋宗です。よろしくお願いいたします」

 

 

場所は変わって、ゆらぎ荘、午後7時。

大広間では、秋宗とコガラシを始めとしたゆらぎ荘の住人たちが集まっていた。

大広間の大きな机には、仲居さんが作った天ぷらや刺身などの料理が並んでいた。

 

 

コガラシ「やっぱりここだったか。仲居さんは知ってたんですか?」

 

仲居さん「は、はい。本当なら今朝話す予定だったのですが、秋宗くんがサプライズみたいな感じで驚かせたいとおっしゃっていましたので」

 

 

仲居さんは申し訳ない表情を浮かべながらも苦笑いを浮かべていた。

 

実際、みんなはかなり驚いていた。

コガラシを拉致した1人がこのゆらぎ荘にいきなり来て入居することになったのだから。

 

 

狭霧「私は認めんぞ西条秋宗!何を企んでるかは知らないが、貴様がゆらぎ荘に入居するなど!」

 

雲雀「そ、そうだよ!狭霧ちゃんの言う通りだよ!皆もそう思うよね!?」

 

 

狭霧と雲雀は秋宗が入居することに今でもかなり反対している様子である。

 

しかし、

 

 

呑子「う~ん、私は別にいいわよぉ。もう全然気にしてないから」

 

夜々「夜々も」

 

朧「あの時は私の力不足が原因だったのだ。別に西条のことは恨んではいない」

 

こゆず「ボクも全然問題ないよ」

 

コガラシ「まぁ、もう緋扇とは和解しているからな、俺も大丈夫だけど」

 

幽奈「私も大丈夫ですよ」

 

仲居さん「まぁ、もう手続きの方は済んでいますからね」

 

 

しかし、他の人たちはもう水に流したようで、西条の入居には問題ないと言っている。

 

 

秋宗「よかったぁ。過半数が俺の入居を認めてくれて。それより腹も減ってきたし、そろそろ食おうぜ。あ、呑子さん、お酒おつぎしますよ、どうぞどうぞ」(トクトクトクトク

 

呑子「あらぁ~、ありがとう秋宗ちゃん。それにしてもお酒のつぎ方上手ねぇ」

 

秋宗「いえいえ、それほどでもないですよ」

 

 

秋宗は呑子の隣でビールをつぎ始め、呑子からお酒のつぎ方を褒められていた。

 

そして、狭霧と雲雀以外は食事を始めていた。

 

 

狭霧「呑子さん!こんなやつを認めないで下さいよ!」

 

雲雀「と、とにかく!雲雀たちは反対だからね!」

 

秋宗「・・・仕方ないなぁ。じゃあこれやるから」

 

 

秋宗は懐から白い封筒を2つ取り出して、それぞれ1つずつ、狭霧と雲雀に渡した。

 

 

狭霧「・・・なんだこれは?」

 

秋宗「中見れば分かるぞ」

 

雲雀「・・・怖いんだけど」

 

 

狭霧と雲雀は恐る恐る封筒の中身を確認すると、中には、"横浜の遊園地男女ペアチケット"が入っていた。

 

 

狭霧、雲雀『!?/////』

 

 

狭霧と雲雀は意味を理解して二人揃って顔を赤くした。

 

 

秋宗「まぁ、どう使うかはお前らで決めればいいけど」

 

狭霧「・・・私をこんなもので買収する気か?」

 

秋宗「どう捉えるかはご想像にお任せします」

 

 

しばらくして、狭霧と雲雀は封筒をポケットに入れた。

 

 

狭霧「ま、まぁ、一応貴様の入居は認めてやろう。しかし西条秋宗!もし風紀を乱そうものなら、私が天誅を下すからな!」

 

雲雀「そうだよ!コガラシくんに何かしたらただじゃ置かないからね!」

 

コガラシ「西条、二人に何を渡したんだ?」

 

秋宗「なんだろうねぇ?ッ!美味しい!仲居さん!すごい美味しいですよこの天ぷら!」

 

仲居さん「ふふっ、ありがとうございます」

 

 

その後、食事は進んで、大変賑やかになった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

食事も終わり、秋宗とコガラシは、ゆらぎ荘の露天風呂に浸かっていた。

 

 

秋宗「それにしても結構賑やかだな。賑やかすぎてお前も疲れるんじゃねぇか?」

 

コガラシ「まぁ、確かに疲れるけど、もう慣れたからな」

 

 

二人は隣あって談笑していた。

 

すると、秋宗の顔が少し真剣な表情になった。

 

 

秋宗「なぁコガラシ、お前に言いたいことがあるんだ。」

 

コガラシ「なんだよ?言いたいことって?」

 

秋宗「幽奈のことだ」

 

 

幽奈の言葉が出てきて、コガラシの顔も少し真剣な表情になった。

 

 

秋宗「あの時の幽奈の霊力、支離式の儀を解くだけでなく、周りの結界までも壊す霊力なんて異常すぎる」

 

コガラシ「でも、あれは幽奈自信も無我夢中でさっぱりって言ってたし」

 

秋宗「問題はそこだ。もしかしたら幽奈の霊力は天地がひっくり返るくらいの膨大さかもしれないんだ。もし幽奈の霊力が暴走したら、取り返しのつかないことになるぞ。だから早いうちに成仏してやらないと」

 

 

秋宗は幽奈のことに関して、コガラシに警告を言った。

 

しかし、

 

 

コガラシ「・・・西条、お前の言うことも理解できる。でも俺は幽奈と約束したんだ。必ずあいつの未練を晴らして幸せにしてやるって。だから、強制的に成仏はしない」

 

秋宗「もし、その間に幽奈の霊力が暴走したら?」

 

コガラシ「その時は、俺が責任を取って、幽奈を全力でとめる!」

 

 

 

コガラシの瞳には強い覚悟が宿っていた。

 

 

秋宗「・・・ふっ、そうか。それ聞いて安心した。俺も協力してやるよ。幽奈の手がかり探し」

 

コガラシ「え?い、いいのか?緋扇から俺の監視するように言われてたんじゃあ」

 

秋宗「いいんだよそんなの適当にしとけば。まぁ俺としても困ってる人はほおっておけないんでな。」

 

コガラシ「・・・ありがとう」

 

秋宗「いいってことよ」

 

 

こうして秋宗は、コガラシと幽奈の手がかり探しを協力することを約束して、ゆらぎ荘に入居することになった。

 

 

 




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