投稿が遅れて申し訳ありませんでした!
マーレ「初メマシテ~!マーレ・サイジョウと言イマ~ス!」
あの後、仲居さんによりゆらぎ荘の大広間へ案内された秋宗の母親、マーレは大広間へ集まったゆらぎ荘の入居者たちに元気よく挨拶した。
マーレはサングラスを外しており、目は秋宗と同じエメラルドアイをしていた。
仲居さん「は、初めまして。仲居ちとせと申します」
呑子「秋宗ちゃんのお母さんって若いのねぇ」
夜々「本当に秋宗のお母さん?」
呑子と夜々はマーレを見ながら率直な感想を述べた。
秋宗は少し気まずそうに答えた。
秋宗「間違いなく俺の母さんだ。来るなら来るって連絡してほしかったんだけど」
マーレ「ダッテ~、サプライズ的ナ感ジでアキムネを驚カセタカッタカラ!」
こゆず(あ、その考え方は似てる・・・)
実際秋宗も、ドッキリのようにみんなを驚かせたことがあったため、こゆずは血の繋がりを少しだけ感じた。
秋宗「・・・ところで母さん」
マーレ「何~?ドウカシタノ~?」
秋宗「取り敢えず父さんから離れようか」
現在進行形で、マーレは隣で座っている夏希の首に手を回して抱きついている形になっているのだ。
マーレ「エェ~?イイジャナイ別ニィ。ナツキはワタシのダーリンナンダカラァ~」
夏希「大丈夫だよ秋宗、僕は気にしてないから」
秋宗「息子が気まずいんだよ!」
目の前でイチャついている両親を見て、秋宗は声をあげてしまう。
一方、幽奈たちはというと、
幽奈(う、羨ましいですぅ!///)
雲雀(もしあれが雲雀とコガラシくんだったら///)
狭霧(少しは節度というものを理解していただきたい///)
千紗希(男の人はオオカミさんと思ってたけど、この場合は西条くんのママがオオカミさんだ!///)
頬を赤くして顔を伏せていた。
目の前でイチャつく夫婦を見て、自然に顔を伏せてしまったのだろう。
朧「まったく、客人とはいえ、少しは常識というものを理解した上で行動してもらいたいな」
まともなことを言いながら、朧はまたいつものようにコガラシの上着を脱がし、さらには自分も裸になってコガラシの膝の上に乗り抱きついた。
狭霧「お前が人のことを言える立場か!?///」
狭霧が朧に突っ込むと、
マーレ「・・・甘イワネ。ソンナ行為ダケデ男を堕トスツモリナノ?」
朧「なんだと?」
朧の行動を見たマーレが真剣な表情になった。
マーレ「ドウセ脱ガスナラ、パンツも脱ガシナサイ!」
秋宗「余計なことを朧に吹き込まないでくれよ母さん!」
真剣な表情のままとんでもないことを言っているマーレに秋宗は盛大に突っ込んだ。
朧「なるほど・・・!そこは盲点だった・・・!という訳だ冬空、こっちも脱げ」(ガシッ
コガラシ「ば、馬鹿!よせ朧!」
幽奈「ダメですよぉ朧さん!///」
雲雀「まだ早すぎるよぉ!///」
コガラシのベルトに手をかけた朧を幽奈と雲雀は必死に止めようとした。
すると秋宗はふと思った。
秋宗「・・・なんだかこのパターン、最近見たような気がする」
夜々「紫音が遊びに来た時に似てる」
千紗希「と言うことは・・・」
千紗希が予測したと同時に、突如天井に白い渦、神足通が出現し、
かるら「貴様!またコガラシ殿にそのようなことを!今すぐその手を離せ!」
マトラ「よっ!秋宗!」
秋宗(面倒くさいのが来たぁ!!)
中から頭に血がのぼっているかるらと秋宗に手を上げたマトラが現れ、秋宗は絶対面倒なことが起こると予想して、思わず頭を抱えてしまう。
秋宗はため息を漏らしながらも、かるらを落ち着かせようとした。
秋宗「まぁまぁお嬢、落ち着けよ。それに今はお客さんが来てるから、お嬢も挨拶しとけ」
かるら「黙れ秋宗!今日という今日はやつを懲らしめてくれるわ!それに何故妾がどこぞの馬の骨に挨拶をせねばならん・の・・じゃ・・・」
かるらが夏希とマーレの2人に気がつくと、言葉が途切れてしまう。
マーレ「カルラ!マトラ!久シブリ!」
夏希「久しぶりだね2人とも!また大きくなったね!」
マーレと夏希はかるらとマトラに久しぶりに会えて、嬉しそうに挨拶した。
一方かるらは、顔が真っ青になり冷や汗が止まらなかった。
かるら「お、おば上殿!?おじ上殿まで!?」
マトラ「あっ!おばさん!おじさん!久しぶり!」
かるらは2人がいることにびっくりしており、マトラは元気よく挨拶をした。
マーレ「ホントに久シブリネ。トコロでカルラ・・・」(ポンッ
マーレは立ち上がり、かるらの左肩に右手を置き、
マーレ「馬の骨っテ、誰のコト?」(ゴゴゴゴゴ
笑顔なのだが目が笑っておらず、右手の握る力を強めていた。
見ていたコガラシたちはゾッとした。
かるら「も、もも申し訳ありませぬ!まさかおば上殿がいるとは知らなかった故!どうかお許し下さいませ!」
痛みに堪え、かるらは涙目になりながらもマーレに必死に謝った。
マトラ「にしても秋宗。何でおじさんたちがいるんだよ?」
秋宗「今日は三者面談だったんだよ。本当は父さんだけが来る予定だったんだけど、母さんまで来るとは予想外だったんだ」
マトラは秋宗の隣に座り、秋宗は両親がいる理由を話した。
夏希「まぁまぁマーレ。かるらちゃんも謝ってるんだから、そのくらいにしときなよ」
マーレ「・・・ナツキがソコマデ言ウナラ、仕方ナイワネ」
夏希の言うことに素直に従って、マーレはかるらの肩から手を離した。
かるら「はぁ、はぁ、死ぬかと思うた・・・!」
恐怖から解放されたかるらは肩を押さえながら息切れをしていた。
千紗希「死ぬって、そんな大げさな・・・」
かるら「其方は何も分かっておらん!」
千紗希が笑いながら軽く流したことに対し、かるらは声を荒らげてマーレの紹介をした。
かるら「おば上殿はかつて!裏世界の武術大会で何度も優勝を収め!『モンスタークイーン』と名付けられた程の御三家に匹敵する実力の持ち主なのじゃぞ!!」
雲雀「そんな凄い人だったの!?」
マーレ「モウ何年も前の話ダケドネ~。ザクロは元気にシテルカシラ?」
マーレの経歴を聞いて雲雀を始め、幽奈たちは大変驚き、当の本人は軽く笑っていた。
コガラシ「・・・・・あっ!?」
幽奈「コガラシさん?どうされましたか?」
突然、コガラシが何かを思い出したかのように声をあげた。
コガラシ「どこかで見たことあると思ったら・・・!」
マーレ「ヤット思イ出シテクレタ!忘レテタナンテ酷イヨ!ナツキィ!慰メテェ!」
夏希「はいはい」
マーレはコガラシがようやく自分のことを思い出してくれたことに頬を膨らませ、夏希に泣きつくように抱きついた。
秋宗「え!?コガラシと母さんって面識あんの!?」
かるら「まことかコガラシ殿!?」
秋宗は自分の母親とコガラシが知り合いであることに驚いた。
するとコガラシはゆっくりと口を開いた。
コガラシ「あぁ・・・一回だけなんだが、ある任務で世界中の超越者が集まった時があって、俺もその任務に師匠と一緒に同行したんだ。師匠のライバルだったらしくて、その時に知り合ったんだ。その時と今じゃ雰囲気がすげぇ変わってたから気づかなかった・・・」
マーレ「アノ時は驚イタワ。マサカオーガに弟子がイタナンテ」
マーレは当時のことを思い出して、楽しそうに話していた。
こゆず「すごーい!コガラシくんのお師匠さんのライバルだったんだ!」
仲居さん「コガラシくんの師匠ということは、先代の八咫鋼ということですか!?」
朧「一体何者なんだ?」
幽奈たちはさらに驚いてしまった。
マーレ「ホントに、アノ頃が懐カシイワネ・・・」
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ズドオォン!!
マーレ『ドウシタノオーガ!ナンダカ威力が落チテルワヨ!モウ疲レタノ!?』
逢牙『ハッ!抜かせマーレ!あたしがこの程度で疲れる訳ないことくらい!お前が1番分かってるだろ!?』
マーレ『ソレモソウネ!ジャアソロソロコノ勝負を終ワラセヨウナイ!!』
逢牙『いいねぇ!そう来ねぇとなぁ!!』
ズバゴオォン!!
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マーレ「何度モ何度モ勝負シタアノ頃が懐カシイワ。長イ時ジャア1週間ブッ続ケデ勝負シタモノヨ」
当時の話を聞いて、秋宗たちは唖然となってしまった。
秋宗「母さん、凄すぎる・・・!」
コガラシ「師匠と正面から殴り合うなんて・・・!」
すると、マーレが立ち上がり、
マーレ「ネェ!ソロソロ温泉入リタイ!」
話を切り替えるように温泉に入りたいと言い出した。
仲居さん「あっ、はい分かりました!ではご案内致しますね!」
夏希「マーレは先に入ってきなよ。せっかくだから、かるらちゃんとマトラちゃんと一緒に入ったらどうだい?」
マーレ「ソウネ!カルラとマトラも一緒に入リマショ!」
マトラ「入る入る!」
かるら「で、では、お言葉に甘えて・・・」
呑子「私も入っていいかしらぁ?」
夜々「夜々も入る」
こゆず「ボクも入りたーい!」
朧「せっかくだから、男の堕とし方を教わっておくか」
狭霧「何を聞こうとしているのだお前は!?」
雲雀「雲雀も入る!」(雲雀も聞いておきたい!)
幽奈「私も入ります!」
千紗希「私も!」
こうして女性陣全員が温泉に入ることになり、大広間から出ていった。
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全員が温泉に入り、仲居さんが作った料理を食べて、みんなは大広間でくつろいでいた。
マーレ「ソレデネ!ソノ時にナツキが闘技大会の客席に迷イ込ンデイテネ!優勝シテ怪我ヲシタワタシの手当テヲシテクレタノ!」
幽奈「そんなことがあったんですね」
マーレ「ソコデナツキに一目惚レシチャッテ!コノ人コソ私の優勝商品ダト思ッタノヨ!」
千紗希「随分と強引ですね・・・」
マーレ「女ニモ強引サハ必要ナノヨ」
幽奈たちはマーレの恋愛話を聞いて盛り上がっていた。
秋宗たちはその様子を眺めていた。
コガラシ「随分楽しそうだな」
秋宗「ま、そこが母さんらしいけど」
かるら「おば上殿はいつもあのようなテンションじゃからのう」
マトラ「たまにアタシと同い年って思う時があるけどな」
そんな時、
夏希「あのさ、秋宗」
秋宗「ん?」
夏希が声を掛けて来た。
秋宗「どうした父さん?」
夏希「・・・いきなりこんなこと言うのもなんだけどさ、アメリカに戻らないかい?」
秋宗「えっ?」
夏希の突然の発言に、秋宗はもちろん、近くにいたコガラシたちも目を丸くしてしまう。
夏希「秋宗が小さい頃、友人の我琉駄に預けた時に、親として失格だなって思ったんだ。録に自分の息子の面倒を見れないなんて、何が父親だって。でも、これからは父親として家族との時間を大切にしたいんだ。もちろん仕事もなるべく早く終わらせるから、だから、一緒に帰らないかい?」
夏希は父親として、秋宗との時間を大切に過ごしたいという言葉に、秋宗は温もりを感じた。
秋宗「・・・父さん、俺も父さんと母さんと一緒にいたいっていう気持ちが強いよ。どこか遠くへ遊びに行ってみたいとも思う」
夏希「じゃあ・・・」
秋宗「でも、ごめん。まだアメリカには戻りたくない」
しかし、秋宗は自分の意思を夏希に伝えようとした。
秋宗「お嬢と姐さんに会って、それからコガラシたちに会って、いろんな友達ができてさ、もっと日本でこの楽しい時間を過ごしたいんだ」
夏希「秋宗・・・。でも僕は・・・!」
かるら「お言葉ですがおじ上殿」
夏希の言葉を遮るように、かるらが切り出した。
かるら「おじ上殿が秋宗を大切に思っていることも十分理解できます。だからこそ、秋宗の意思を尊重していただけないでしょうか?」
マトラ「そうだぜおじさん!アタシも秋宗がいなくなったら寂しいしよ!」
秋宗「お嬢・・・!姐さん・・・!」
かるらとマトラは秋宗に居てほしいと夏希にお願いした。
マーレ「イイジャナイナツキ。アキムネの好キナヨウニヤラセレバ」
夏希「・・・マーレ」
すると、話を聞いていたマーレも夏希たちの話に入ってきた。
マーレ「アキムネが日本に居タイッテ言ウナラサ、ワタシタチは親トシテ息子のヤリタイヨウニヤラセレバイイと思ウヨ」
マーレは秋宗の側に座って、優しく秋宗の頭を撫でた。
夏希はしばらく考えて、
夏希「・・・本当にいいのかい?」
秋宗「あぁ」
秋宗に聞くと、秋宗は即座に返事をした。
夏希「・・・分かった。秋宗のやりたいようにやらせるよ」
秋宗「ッ!ありがとう父さん!」
とうとう夏希が折れて、秋宗をアメリカへ連れて行くことを観念した。
それを見ていたコガラシたちは、
コガラシ「よかったな、西条」
幽奈「また一緒に居られますね!」
狭霧「私としてはどちらでもよいが、やはり一人居なくなると寂しくなるからな」
呑子「狭霧ちゃんったらぁ、素直じゃないんだからぁ」
夜々「やっぱりみんな一緒がいい」
仲居さん「なんだかほっこりしますね」
朧「まぁ西条が何処へ行こうとも、私の瞬間移動でいつでもゆらぎ荘へ連れて行けるからな」
雲雀「ちょっとほっとしたかな・・・」
千紗希「私も・・・」
こゆず「秋宗くんゆらぎ荘に居続けられるんだね!」
秋宗がアメリカへ帰らないことを大変喜んでいた。
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翌日、駅の改札口にて、夏希とマーレが空港へ行くのを秋宗をはじめ、かるらとマトラ、そしてコガラシたちが見送ろうとしていた。
かるら「わざわざ新幹線など使わずとも、妾の神足通であっという間に空港まで行けますのに」
夏希「大丈夫だよ。それにこういうのは自分の足で行くからこそ価値があるんだから。それにしても、我流駄には悪いことしたなぁ。会いに行くって約束したのに・・。」
マーレ「ジャア昨夜教エタテクニックを忘レナイデネネ!」
朧「もちろんだ。早速冬空に試すつもりだからな」
雲雀「一体何を教わったの!?」
みんながワイワイ話していると新幹線が到着する放送が流れた。
夏希「もう時間か。じゃあ秋宗、僕たちもう行くから、体には気をつけてね」
秋宗「父さんもな」
夏希と秋宗はアメリカ式のハグをした。
マーレ「アキムネ、何かアッタラ連絡シテネ。ワタシとナツキはアキムネの味方ダカラ」
秋宗「ありがとう母さん」
今度はマーレとハグをした。
そして2人は改札口を抜けて、
夏希「じゃあ皆さん!また会いましょう!」
マーレ「アキムネをヨロシクネ~!」
秋宗たちに手を振ってホームへ向かって行った。
仲居さん「・・・では皆さん、帰りましょうか」
2人を見送り、仲居さんの促しにより、みんなはゆらぎ荘へ戻ろうとした。
秋宗「・・・あのさ、みんな」
秋宗はみんなを呼び止めて、
秋宗「・・・これからも、よろしく」
と、照れくさそうに頭を掻きながらみんなをみた。
かるら「何を当たり前のことを言っとるのじゃ」
マトラ「おう!よろしくな秋宗!」
こうして、秋宗は日本でかるらたちと高校生活を続けていくのであった。
感想のほど、お願いいたします。