緋扇邸のオオカミくん   作:アニアス

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今回は銀魂パロディのオリジナル回です。


第20話 銭湯

秋宗「銭湯?」

 

 

湯煙高校にて、昼休みに教室にいた秋宗とコガラシと千紗希と柳沢は兵藤の話を聞いていた。

ちなみに雲雀はトイレに行っており、幽奈も学校には来ておらず教室にはいなかった。

 

 

兵藤「そうなんだよ。実は親戚から銭湯の入浴無料券を貰ってて、有効期限が今日までなんだ。しかも6枚もあるから使い切れなくて、せっかくだからみんなで行かないか?」

 

 

兵藤は懐から銭湯の入浴無料券を6枚取り出してみんなに見せた。

 

 

コガラシ「ゆらぎ荘に温泉があるから、俺は別に行く必要は・・・」

 

秋宗「まぁいいじゃないか。期限も今日までなんだろ?それにゆらぎ荘の温泉以外での風呂も悪くないと思うし」

 

千紗希「でも、私たちだけで行ったら1枚余るよ?」

 

柳沢「じゃあアタシが紫音を誘っとくよ。アイツなら来ると思うから」

 

 

コガラシは乗り気ではないが、他の3人は銭湯に行くことに賛成して、残りの1枚は柳沢が紫音に渡すことになった。

 

 

秋宗「ところで兵藤、これ本当に普通の銭湯なんだよな?」

 

兵藤「おう、ただの銭湯のはずだけど?」

 

 

秋宗は兵藤の表情を観察して嘘をついていないことを確認した。

 

 

秋宗「・・・どうやら嘘はついてないようだな。お前のことだから裏がありそうだったから」

 

兵藤「ひでぇ言われようだな!」

 

 

こうしてみんなは、銭湯へ行くことになった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

~午後6時~

 

学校が終わり、みんなは1度自宅へ戻り銭湯前で合流することになった。

 

男性陣が銭湯へ到着すると、既に女性陣が到着しており、紫音の姿もあった。

全員揃って、銭湯の中へ入ったのだが・・・

 

 

 

 

 

秋宗「おい、どういうことだ?」

 

コガラシ「説明しろ」

 

兵藤「ま、待て2人とも!俺も驚いてんだよ!」

 

 

 

 

 

男性着替え室にて、兵藤は秋宗とコガラシから詰め寄られていた。

なぜこのような状況になっているのかというと、

 

 

秋宗「なんで銭湯で水着を着なきゃいけねぇんだよ?」

 

コガラシ「混浴ってどういうことだ?」

 

兵藤「ど、どうやらここは、『銭湯プール』だったみたいだな」

 

 

秋宗たちが中へ入った時、番頭さんから水着の着用と混浴の説明を受けて、驚いてしまった。

最初コガラシと秋宗は女性陣に悪いと思い帰ろうとはしたものの、紫音が『せ、せっかく銭湯に来たんスから入っていかないと番頭さんに失礼ッスよ!』と言ってしまったため、2人は帰りづらくなってしまった。

ちなみに水着はレンタルされていたため、それを着ることになった。

 

 

兵藤「お前ら、冷静になって考えろ。これはむしろチャンスだぞ」

 

秋宗「チャンス?」

 

 

兵藤は秋宗とコガラシを落ち着かせようと説得を始めた。

 

 

兵藤「そうだ!俺らは今年1番乗りで宮崎たちの水着姿を目に焼きつけられるんだぞ!」

 

コガラシ「高校2年になっても相変わらずだなお前は」

 

秋宗「はぁ、仕方ない。もうこうなってしまった以上、腹くくって混浴するか」

 

 

コガラシと秋宗は折れてしまい、渋々水着へと着替えて浴場へと入っていった。

 

浴場は普通の銭湯よりも少し広く、大浴場やちびっこ風呂、さらにはサウナまでもあった。

しかし、浴場には秋宗たち以外誰もいなかった。

 

 

秋宗「流石は銭湯プール、結構広いな」

 

兵藤「あれ?誰もいないな?」

 

コガラシ「はぁ、なんでこんなことになったんだ?」

 

???「お、お待たせ・・・」

 

 

男性陣が振り替えると、女性陣たちが浴場へ入ってきた。

千紗希はオレンジ色、柳沢は黒、そして紫音は白の水着を身に纏っていた。

 

 

兵藤「うおぉー!宮崎に紫音ちゃんスゲェ似合ってるよ!」

 

柳沢「オイ、何でアタシを飛ばしたんだ?溺れさすぞ」

 

 

自分だけ飛ばされた柳沢は、兵藤にガンを飛ばした。

 

 

千紗希「ねぇ冬空くん、ど、どうかな?」

 

紫音「似合ってるスか?秋宗兄さん?」

 

 

レンタルとはいえ、自分たちが選んだ水着が似合っているか、コガラシと秋宗に聞くと、

 

 

コガラシ「・・・いいんじゃないか?」

 

秋宗「目のやり場に少々困るな・・・」

 

千紗希・紫音『っ!///』

 

 

そう言って顔を反らした2人に、千紗希と紫音は揃って顔を赤くしてしまう。

 

その後、みんなは掛け湯をして湯船に横並びで浸かった。

 

 

コガラシ「ふぅ、たまには銭湯ってのも悪くないな」

 

秋宗「ちょうどいい湯加減だな」

 

 

コガラシと秋宗は湯船に浸かりながら、身体の疲れが取れていくのを感じていた。

 

一方、女性陣は、

 

 

柳沢「なぁ紫音、お前西条のことが好きなんだろ?」(ニヤニヤ

 

紫音「な、何言ってるんスか芹姐さん!?///」

 

千紗希「そ、そうなの?」

 

 

男性陣に聞こえない程度で恋ばなトークが始まっていた。

 

 

柳沢「西条がいる時、いつも視線が下向いて西条と目を合わせないようにしてるだろ。分かりやすいんだよ。で?アイツのどこに惚れたんだ?」

 

柳沢に言われて紫音は観念して、秋宗を見ながら話し出した。

 

 

紫音「・・・自分を助けてくれた時、カッコいいって思ったんス。でも、秋宗兄さんはオオカミ人間ですし、自分みたいなただの人間が好きになってもいいのかって思う時があって・・・」

 

千紗希「・・・そんなの関係ないと思うよ」

 

紫音「えっ?」

 

 

紫音は思わず千紗希を振り向いた。

 

 

千紗希「相手を好きになるのに、相手が妖怪だとかは関係ないと思う。自分の気持ちを素直に伝えればきっと西条くんも振り向いてくれるよ」

 

紫音「千紗希姐さん・・・!」

 

柳沢「よくもまぁそんなことを言えるもんだな千紗希。ろくに冬空に告れてもねぇくせに」

 

千紗希「そ、それは・・・!///」

 

 

女性陣は恋ばなトークで盛り上がっている時、秋宗は改めて浴場を見渡した。

 

 

秋宗「それにしても、俺たち以外誰も来る気配がないな。今日は客足でも少ないのかこの銭湯」

 

兵藤「いいんじゃないか?俺たちの貸し切りってことでよ」

 

 

兵藤がもう自分たちの貸し切りでいいと口を滑らせてしまった時、

 

 

 

 

 

???「えぇ?貸し切り?そんなぁ、銭湯はみんなのお風呂って聞いてたのに」

 

 

 

 

 

突然子供の声が浴場に響き、秋宗たちが入り口の方を見ると、そこには褐色の肌に鬼灯のように赤い目、口から牙がはみ出しており、2本の角を生やした明らかに人間ではない子供が立っていた。

 

 

兵藤「・・・え?何あれ?」

 

 

兵藤を始めコガラシたちは異形の子供を見て驚きを隠せずにいた。

だが秋宗は、子供の姿を見てある種族が脳裏を過った。

 

 

???「ねぇ!あのお兄さんが貸し切りとか言ってるよぉ!」

 

 

子供が入り口の方へ呼び掛けると、

 

 

???「そうなの?おかしいわね?銭湯は公衆浴場って聞いていたのだけれど、ヨシ子姉さん、貸し切りみたいだけど」

 

???「そんなはずないわよイツ子、ボルグ兄様はみんなで入れるとおっしゃっていたわ。ねぇ三郎兄様」

 

???「いや、俺に聞かないでおくれよ。ねぇ次郎兄さん」

 

???「父さん、ボルグ兄さんは?」

 

???「今準備が終わったらしいぞ」

 

???「おいみんな、入り口前で一体何をしているんだ?」

 

???「あ、ボルグ兄さん」

 

 

次々に子供と同じ容姿をした身体が大きい大人たちが6人も入って来て、秋宗たちはただ呆然と見ていることしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボルグ「あれ?もしかして西条くんですか?お久しぶりです。私ですよ、ボルグです。何年ぶりでしょうか?随分と成長なされましたね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋宗に気がついた1番ガタイのいい異形の者は、思い出させるように、自らボルグと名乗った。

突然のことに秋宗を始め、コガラシたちの表情は青ざめていった。

 

 

イツ子「あの~、この銭湯って貴方たちの貸し切りなんですか?」

 

三郎「俺たち入ったらダメなんですか?」

 

 

質問された秋宗たちは、

 

 

ザバアァン!!

 

 

秋宗たち『いらっしゃいませ!!どうぞごゆっくりとおくつろぎ下さい!!』

 

 

慌てて大浴槽から隣のちびっこ風呂に飛び込んで、大浴場を譲った。

 

 

甥っ子「やったぁ!」

 

ボルグ「申し訳ありません。何かご無理を言ってしまったようで・・・」

 

 

そう言って、ボルグたちは掛け湯の準備に入った。

 

 

兵藤「さ、西条!なんだあの怪物一家!?明らかにお前に気がついて声をかけたよな!?」

 

秋宗「しょ、小学校の頃、実家のアメリカに戻った時に知り合った、オーガ族のボルグさんだ!後は知らないけど、あれ絶対ボルグさんの家族だ!」

 

紫音「オーガ!?オーガってあの西洋の鬼と言われているあのオーガッスか!?メチャクチャ怖いんスけど!」

 

コガラシ「それよりも何であんな姿で人間の銭湯に来てるんだアイツら!?」

 

秋宗「オーガ族は幻術を使って人間に擬態することができるんだよ!」

 

千紗希「じゃあ今はその幻術が解けてるってこと!?」

 

柳沢「まさか幻術が解けてることに気がついてねぇんじゃ!?」

 

 

秋宗からオーガ族のボルグの説明を聞きながら、ボルグ一家の掛け湯の光景を見ていた。

秋宗は恐る恐るボルグに声を掛けてみた。

 

 

秋宗「ほ、本当にお久しぶりですねボルグさん。まさかこんなところで再会できるとは。ご家族で日本旅行にでも来てたんですか?」

 

ボルグ「いやぁ、実は私、数ヶ月前に日本へ移住しまして。そしたら家族が地元のアメリカから遊びに来て、何か日本らしいものが見たいと言うので、"銭湯に参った"次第で」

 

秋宗たち(((せ、戦闘に参った!?)))

 

ボルグ「みんなでお風呂に入るなんて風習私たちオーガ族にはありませんでしたから、湯船に浸かりながら談笑する"日本伝統って、素晴らしいですよねぇ"」

 

秋宗たち(((に、日本刀で気晴らし!?)))

 

 

ボルグはまともなことを言っているのだが、容姿が恐ろしいため、秋宗たちの耳には恐怖の発言にしか聞こえていない。

 

 

秋宗「ヤ、ヤベエェ!もはやボルグさんたち世界征服前に団結力を高める悪の組織にしか見えねぇ!」

 

紫音「いや、本当に世界征服しに来たんじゃないんスか!?」

 

兵藤「のんびり湯船に浸かってる場合じゃねぇぞ!」

 

千紗希「早くこの場から立ち去らないと!」

 

コガラシ「アイツらが大浴槽に入ったと同時に俺たちも出るぞ!」

 

柳沢「あんな連中と長時間一緒の空間にいられる訳ねぇもんな!」

 

 

秋宗たちが脱出する作戦を練っていると、

 

 

ザバァン!!

 

 

掛け湯を終えたボルグ一家が浴槽へ向かい、湯船につかった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちびっこ風呂の湯船に・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋宗たち(全員ちびっこ風呂に入って来たぁ!?)

 

 

秋宗たちが中央へ寄り、それをボルグ一家が取り囲む形になった。

 

 

秋宗(えぇ!?何で!?何でそんなデカイ身体してるのにちびっこ風呂入って来たんだ!?)

 

コガラシ「あ、あの、ボルグさん?あっちの大浴槽の方が暖かくて気持ちいいですよ?」

 

 

コガラシはボルグ一家に大浴槽へ入るように促すが、

 

 

ボルグ「いえ、実は私たちオーガ族は基本的に水浴びしかしなくて、お湯で体を洗うことに慣れてないんですよ。水風呂に浸かりたいのですが、あっちは狭いようなので・・・」

 

コガラシ(な、なにいぃ!?)

 

 

オーガの習性を聞いて、コガラシの心が驚きの声を上げた。

 

 

紫音「完全に囲まれちまったスよ!晩餐会に並べられたメインディッシュみたいな感じになっちまったッスよ!」

 

兵藤「今一瞬目が合っちまったぞ!超怖ぇ!」

 

柳沢「どうすんだよ!?出ようにも出られなくなっちまったぞ!?」

 

 

秋宗たちが小声で作戦会議をしていると、ボルグが老人の容姿でメガネを掛けているオーガの1人のお父さんに声をかけた。

 

 

ボルグ「どうですかお父さん?水加減は?」

 

お父さん「・・・ぬるいな。日本人はこんなのに浸かってるのか?」

 

ボルグ「・・・言われてみれば、確かに少しぬるいかも」

 

 

その様子を見て、千紗希は設置してある蛇口に手を伸ばした。

 

 

千紗希「あ、あの~、ぬるいようでしたらお水を足しますけど?」

 

ボルグ「あぁいいですよお気遣いなく。こんなこともあろうかとアイスブロックを用意しているので」

 

千紗希(えぇぇぇ!?)

 

 

浴槽のそばには、いつの間にかボルグが用意していたレンガ並みの大きさのアイスブロックが50個近く積まれていた。

 

ボルグの手により、すべてのアイスブロックがちびっこ風呂に入れられて、南極の水温くらいまで温度が下がった。

 

 

次郎「流石ボルグ兄さん、準備がいいな」

 

ヨシ子「やっぱりこれくらい冷たい方がいいですわよねぇ?」

 

兵藤「そそそそうですねぇ!身も心もシャキッとしますよねえぇ!」

 

 

ボルグ一家は何事もないように氷風呂に浸かってるが、秋宗たちには辛すぎて身体が震えていた。

 

 

秋宗「冷たすぎるだろこの風呂!俺たちオーガじゃないんだぞ!」

 

コガラシ「このまま入ってたら風邪引くどころか確実に凍死する!」

 

柳沢「兵藤!お前出るって切り出せ!」

 

兵藤「ふざけんな!そんなことしたら氷水が気に入らなかったって捉えられちまうだろ!鬼かお前は!」

 

柳沢「鬼は今アタシらの目の前にいるだろ!」

 

紫音「な、なんだか、だんだん眠くなってきたッス・・・」

 

千紗希「気をしっかり持って紫音ちゃん!」

 

 

そんな時、千載一遇のチャンスが訪れた。

 

 

甥っ子「ねぇ、もうそろそろ出ていい?」(ザバァ

 

 

甥っ子が浴槽から出ようとしていたのだ。

 

 

秋宗(し、しめた!子供は長風呂が苦手だ!)

 

コガラシ(流れに乗って俺たちも・・・!)

 

 

秋宗たちが甥っ子と一瞬出ようとすると、

 

 

 

 

 

ボルグ「いけませえぇん!!」(ブォン!

 

 

 

ドガラシャーン!!

 

 

 

出ようとした甥っ子にボルグがアッパーを食らわして、甥っ子は天井に頭がめり込んでしまった。

 

 

ボルグ「湯船には最低でも10分は浸からなければなりません。そうしないと身体の疲労が完全に抜けていかないだろ」

 

秋宗たち『・・・・・』(ドボォン!

 

 

一部始終を目の当たりにした秋宗たちは一斉に浴槽の中へ潜った。

 

 

ボルグ「ほら、このお兄さんとお姉さんたちを見習いなさい。頭まで浸かって疲れをとろうとしてるじゃないか。イツ子もちゃんとしつけないと駄目だろ」

 

イツ子「ごめんなさいボルグ兄さん、つい甘やかしちゃって」

 

 

ボルグたちをよそに、秋宗たちは水中で作戦会議を再開した。

そしてちびっこ風呂は意外にも深かった。

 

 

紫音「どうするんスか!?こんな水風呂に入ってたら凍死しますし!出ようとしても長男の拳が炸裂しますし!完全に八方塞がりッスよ!?」

 

コガラシ「西条!なんとかして切り出せ!知り合いなんだろ!?」

 

秋宗「無理だ!俺にだって怖いものくらいあるわ!」

 

 

秋宗たちが必死になって作戦を練っていると、柳沢があることに気がついた。

 

 

柳沢「お、おい兵藤。お前何掴んでんだ?」

 

兵藤「え?」

 

 

兵藤の左手にはいつの間にか、何か白いものを掴んでいた。

何だこれ?と思いながら全員で確認するとそれは、

 

お父さんから伸びていた長いフンドシだった。

 

 

秋宗「兵藤!?お前なんてもんを掴んでんだよ!ていうかどんだけ長いんだよあのじいさんのフンドシ!?」

 

千紗希「早く放して!早く!」

 

兵藤「だめだ!手が開かない!」

 

 

おそらく冷水に浸かっていたため、手がいうことを聞かないのであろう。

 

 

秋宗「こうなったら仕方ない!コガラシ!柳沢!2人とも浮上してフォローを入れて時間を稼げ!その間にこっちはなんとかしとくから!」

 

コガラシ、柳沢『どんなフォローを入れりゃあいいんだよ!?』

 

 

絶対に出たくないのだが、2人とも息がもたず、

 

 

ザバァ!

 

 

浮上してしまい、ボルグ一家から注目を浴びてしまった。

 

 

ボルグ「やっと出てきましたか、皆さん一体中で何をしていらしたのですか?」

 

コガラシ「ちょ、ちょっと素潜りの勝負を!」

 

柳沢「風呂上がりの牛乳を懸けてたんですよ!あ~あ、負けちまった!」

 

 

ボルグから質問されたコガラシと柳沢はうまい具合に誤魔化した。

 

 

ボルグ「ハハハ。やはり日本人は愉快な方々ばかりですね。ん?いかがされましたかお父さん?」

 

お父さん「いや、なんかさっきから股間の辺りに違和感が」

 

ボルグ「え?」

 

 

湯船の中を見ているお父さんを見て2人は、

 

 

柳沢「そ、それはきっと、この湯の効能ですよ!」

 

ボルグ「湯の効能?」

 

コガラシ「そうなんですよ!滋養強壮、精力増強に絶大な効果がありまして!きっと皆さんもここから出る時には元気ハツラツになってますよ!」

 

三郎「へぇ、それは良いや」

 

イツ子「日本の銭湯って凄いですねぇ」

 

 

違和感の正体を湯の効能と言い切った。

それにより、ボルグ一家もリラックス状態に入りとりあえずは一安心だった。

 

しかし次の瞬間、

 

 

 

 

 

ドボォン!

 

 

 

 

 

お父さんが勢いよく沈んでしまい、コガラシと柳沢は尋常なくらい汗をかいてしまう。

 

 

ボルグ「お、お父さん?」

 

コガラシ「ど、どうやら元気になりすぎて素潜りに参加するみたいですね!」

 

次郎「なるほど、そういうことか」

 

イツ子「でも、凄いブクブクなってますけど」

 

 

すると、水中から手が飛び出した。

 

 

ヨシ子「あ、お父様の手が」

 

三郎「なんだか、苦しそうに見えるんですけど?」

 

柳沢「ブイだ!きっとブイサインですよあれ!余裕ってことなんですよ!」

 

三郎「あぁ、ブイサインなんだあれ」

 

 

かろうじてブイサインに見える為、柳沢は即座にブイサインだと言い切った。

 

すると今度は、

 

 

ザバァ!

 

 

兵藤「だ、誰かぁ!助けてぇ・・・!」(ゴボゴボ

 

 

お父さんの手と入れ替わるように兵藤が顔を出して助けを求めたが、瞬く間に水中へ消えてしまった。

 

 

ボルグ「今誰か顔を出して『助けて』って・・・」

 

次郎「あの~、下で明らかに何か起こってますよね?」

 

コガラシ「起こってません!何も起こってませんよ!」(俺だって何が起こってるか知りてぇよ!)

 

柳沢「き、きっとじゃれ合ってるだけですよ!」(これ以上はもう誤魔化しきれねぇぞ!)

 

 

コガラシと柳沢が必死に誤魔化していると、

 

 

ザバァ!

 

 

水中から誰かが浮上してきた。

 

 

ボルグ「あ、出てきた」

 

イツ子「お父さん心配しましたよ、大丈夫ですか?」

 

 

コガラシと柳沢が安堵の表情を浮かべて浮上してきたであろうお父さんの方を見ると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兵藤「いやぁ悪い悪い。ちょっと下で排水口に吸い込まれそうになってしまってな。もうダメかと思ったぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浮上してたのはお父さんではなく、頭にタオルを巻いてそこに左右からシャンプーボトルを突き刺して、お父さんのメガネを掛けている兵藤だった。

 

 

コガラシ・柳沢((いやもうダメだろおぉぉぉ!!))

 

 

コガラシと柳沢の心の叫び声が重なった。

 

 

コガラシ(何でお前が浮上してきたんだよ!?)

 

柳沢(じいさんはどうしたんだ!?)

 

ボルグ「えっ?ど、どちら様ですか?」

 

兵藤「はぁ?何言ってんだよ、お前たちのお父さんだよ」

 

コガラシ・柳沢((いやいやいやいや!!そんな変装で誤魔化せる訳ねぇだろ!!))

 

 

ボルグたちに対して父親と言い切った兵藤を見て、コガラシと柳沢は絶対にバレると思った。

 

すると、

 

 

ザバァ!

 

 

秋宗と千紗希と紫音が浮上してきた。

 

 

秋宗「あぁ!ひょっとして湯の効能で元気になりすぎて!」

 

千紗希「若返ったんですよきっと!」

 

紫音「まるで別人みたいッスね!」

 

コガラシ・柳沢((無理だろぉ!!それは流石に無理があるだろぉ!!))

 

 

秋宗たちはお父さんが若返ったというフォローを入れてしまった。

 

 

ボルグ「えぇ!?本当ですか!?まるで別人というより、本当にただの別人なのでは?」

 

兵藤「なんだよお前!自分の父親って分かんないのか!?まあいい、とにかく出るぞ。すっかり身体の疲れも取れきったしな」

 

 

ボルグたちから半信半疑の視線を受けながらも、兵藤は浴槽からでようとした。

それにより、秋宗たちも浴槽から出られることができたのだが、

 

 

ヨシ子「お待ち下さいお父様、何かぶら下がってますよ?」

 

兵藤「ん?」

 

 

ヨシ子が兵藤の水着の裾から何か白いものが浴槽まで伸びていることに気がついた。

 

何だろう?と確認すると、いつの間にか浴槽に溺れて気絶しているお父さんが浮かんでいた。

 

 

コガラシ(お父様からお父様がぶら下がってますけど!?)

 

 

コガラシと柳沢は冷や汗をかきまくっていた。

 

 

兵藤「何を言っているんだ?これはただのフンドシだぞ?」

 

ヨシ子「これがフンドシ?以前のお父様とそっくりなのですが。それよりもどうしてお父様はフンドシの上から水着を着ているのですか?」

 

兵藤「調べてみたんだが、フンドシの上から水着を着たり、自分の容姿そっくりのフンドシを着けるのが今後の日本の流行らしいからな、流行を先取りしたんだよ」

 

ヨシ子「そうなのですかボルグ兄様?」

 

ボルグ「いや、私も初耳なのだが。そうか、これが今後の日本の流行ファッションなのか」

 

柳沢(そんな流行あるわけねぇだろ!)

 

 

柳沢は思った。

オーガって意外に馬鹿なのかもしれないと。

 

兵藤が歩いていくと同時にお父さんが引きずられていった。

 

コガラシと柳沢は秋宗に詰め寄った。

 

 

コガラシ「おい西条!」

 

秋宗「仕方なかったんだ。兵藤がもがき苦しんで余計に絡まってとれなくなったんだよ。とりあえずはあれで乗り切るぞ」

 

柳沢「あんな状況で乗りきれるか!」

 

千紗希「バレる前にボルグさんに正直に謝った方がいいよ!」

 

秋宗「親父さんを溺れてさせたなんて言ってみろ、全員あの魔王一族に抹殺されるぞ」

 

紫音「じゃあどうするんスか!?」

 

秋宗「それを今考えてんだよ!なんとかしてお前ら女子たちだけでも出る方法を・・・!」

 

ボルグ「何を揉めてるんですか?」

 

 

秋宗たちが言い争っていると、後ろから声をかけられて、振り向くとそこにボルグが立っていた。

 

 

ボルグ「今何か出るとか聞こえたのですが、みなさんまだ体洗ってないですよね?もしかして私たち一家に気をつかっているのですか?」

 

秋宗「い、いえ!決してそういう訳では・・・!」

 

ボルグ「申し訳ありません。みなさんの貸し切りのところ、上がり込んで来たのは私たちの方なのに。ぜひ、お背中流させて下さい。このままお礼もせずに返す訳にはいきません」

 

 

ボルグの顔に影が掛かり、ものすごい圧がかかっていた。

 

 

秋宗(お、お礼参りするつもりだ・・・!)

 

コガラシ(半殺しにするまで全員返さないつもりだ・・・!)

 

 

秋宗たちはボルグを見て、絶対に逃げられないと直感が走った。

 

 

ボルグ「次郎!三郎!ヨシ子!イツ子!皆様のお背中をお流しするのだ!」

 

 

ボルグの呼び掛けにより、秋宗たちの背後にボルグ兄妹が立ち塞がった。

 

 

紫音「い、いやいやいやいや!」

 

千紗希「大丈夫です!自分の身体くらい自分で洗えますから!」

 

 

何とかしてボルグたちに背中を流させることを避けようと、紫音と千紗希は遠慮するがそう簡単にはいかなかった。

 

 

次郎「そんなこと言わずに」

 

ヨシ子「さぁみなさん、お座り下さい」

 

兵藤「そうだ、せっかくだから流していってもらいなさい」

 

秋宗たち『!?』

 

 

いつの間にかボルグ一家に混ざっている兵藤を秋宗たちは一斉に見た。

 

 

秋宗(何いい加減なこと言ってんだあの野郎!)

 

柳沢(後で覚えてろよフンドシじじい!)

 

 

秋宗と柳沢から睨まれてながらも、お父さんに扮した兵藤は椅子に座り、その後ろにボルグがしゃがみこんだ。

 

 

ボルグ「今からお背中お流ししますね、お父さん」

 

 

ボルグはスポンジに石鹸を使って泡を立たせた。

 

 

兵藤「懐かしいなぁ。お前が小さいころはこうやって背中を洗ってもらったなぁ」

 

ボルグ「よくお父さんに叱られましたよね?もっと強く洗えって」(ゴシッ

 

 

 

 

 

ズリュッ

 

 

 

 

 

兵藤「・・・ぇ」(バタリッ ブシャー!

 

 

ボルグがスポンジで背中を擦ったと同時に、兵藤の背中の皮が剥がれてしまい、兵藤は倒れて血が吹き出してしまった。

 

 

 

 

続く・・・




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