緋扇邸のオオカミくん   作:アニアス

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今回はオリジナル展開に加え、オリジナルキャラが登場します!


第23話 家鳴の七海

『魔の前屈階段』

湯煙高校七不思議の1つ。

この階段を上った女子は、どういう訳かスカートが捲れてパンツが見えてしまうという・・・。

 

 

 

 

 

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~湯煙高校~ 午後5時

 

 

紫音「という訳で、皆さんのお力をお借りしたいんス!」

 

 

窓から西日が差し込む放課後、その魔の前屈階段の前にコガラシ、幽奈、狭霧、雲雀、夜々、紫音、うらら達がいた。

夜々と紫音の友人のなずなが魔の前屈階段の被害を受けたため、このままにはしておけずみんなで解決することになった。

 

 

狭霧「全くふざけた怪奇現象だ!協力しよう!」

 

雲雀「雲雀たちの学校の問題だしね!」

 

うらら「今回は特別に無料で引き受けたるわ!」

 

 

狭霧と雲雀とうららの3人は階段を鋭く睨んでいた。

女子限定で被害が出ており、何としてでも解決してやるという勢いが出ていた。

 

 

コガラシ「でも特に何も見当たらねぇな・・・」

 

幽奈「壁や階段の中にも何もありませんし・・・」

 

 

コガラシが階段を上り降りしたり、幽奈が壁や階段をすり抜けて調べているが、何も見当たらず、何も起こらずにいた。

 

 

うらら「ほんでもこの階段には異様に霊気が充満しとるで」

 

雲雀「怪しさは満点だね!」

 

 

うららが自分のタブレットを見て何かがあることを確信していた。

タブレットには撮影した階段の画像が表示されているが、画像の周りには黒い靄のようなものが映っていた。

 

するとうららがあることに気がついた。

 

 

うらら「・・・そういや西条くんどないしたん?」

 

 

秋宗の姿が見当たらずうららが辺りを見渡した。

 

それを見て、紫音が複雑な表情を浮かべた。

 

 

紫音「一応、秋宗兄さんにも声かけたんスけど、『俺が出る間でもないだろ』って断られてしまって・・・」

 

夜々「『この程度の怪奇現象、コガラシたちならすぐに解けるはずだから』って言って帰った」

 

 

紫音の説明に夜々が補足して秋宗が来ていない理由を話した。

 

 

雲雀「ちょっと待って!じゃあ秋宗くんは犯人の正体が分かってるってこと!?」

 

幽奈「どうして私たちに教えて下さらないのですか!?」

 

狭霧「あの男のことだ。私たちに恥をかかせて感想を聞き面白がる気なのだろう」

 

コガラシ「・・・否定できないな」

 

 

紫音たちの話を聞いてコガラシたちは秋宗の考えを予測していた。

 

 

 

 

 

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同時刻、

 

 

秋宗「ふわぁ~・・・」

 

 

秋宗は廊下を1人あくびをしながら歩いていた。

紫音たちから魔の前屈階段の話を聞いたのだが、その前に興味本意で事前に調べてコガラシたちでも解決できると思い紫音たちの誘いを断った。

そんな時、

 

 

???「あっ、西条くん」

 

 

名前を呼ばれて秋宗が振り替えると、千紗希と柳沢の2人がいた。

 

 

秋宗「宮崎と柳沢か、今帰りか?」

 

千紗希「うん、西条くんも?」

 

秋宗「まぁな」

 

柳沢「じゃあ一緒に帰ろうぜ」

 

 

そう言って、3人は一緒に帰ることとなった。

 

 

千紗希「・・・西条くんは行かなかったの?ほら、冬空くんたち、魔の前屈階段の調査をしてるみたいだけど」

 

秋宗「俺が行く間でもないさ、それにコガラシたちならあの程度の怪奇現象すぐに解決出来るさ」

 

柳沢「じゃあ西条はもう分かってるってことか?」

 

 

廊下を歩きながら柳沢は秋宗の方を見た。

 

 

秋宗「あぁ、あれはおそらく、噂による怪奇現象だ」

 

千紗希「う、噂?」

 

 

秋宗の答えに、千紗希は思わず秋宗の方を見てしまう。

 

秋宗は昔、スズツキから教わったことがあるのだが、すべての人間からは霊気が発しており、その霊気を操るのは人の思念である。

人が何かを思った時、霊気が少しだけその何かに送り込まれてしまい、その霊気が噂や何かで集まることにより、ただの噂が現実化するという極めて稀な現象が起こってしまうのだ。

 

 

秋宗「まぁウチの学校は俺も含めた霊力の強いヤツが何人もいるからな、噂で集まった霊気の量が桁違いになっちまったんだろうな」

 

千紗希「そんなことが起こるんだ・・・」

 

柳沢「じゃあどうやって解決すりゃあいいんだよ?」

 

秋宗「簡単だ、噂を書きかえて霊気を発散させればいい」

 

 

秋宗の話を千紗希と柳沢は興味深く聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「へぇ~、そこまで辿り着いたの・・・。でもあと一歩足りなかったわね」

 

 

 

 

ビュン!

 

 

秋宗「ッ!?お前ら伏せろ!」

 

 

突如聞き覚えのない少女の声が後ろから聞こえたと同時に何かが飛んでくる音も聞こえた。

咄嗟に反応した秋宗は2人にしゃがむように声をあげて、2人も反応して即座にしゃがみこんだ。

 

そして、

 

 

ガシァーン!

 

 

3人の頭上を後ろから何かが通過して、それが廊下に落ちて大きな音が響いた。

 

 

秋宗「2人とも!大丈夫か!?」

 

千紗希「う、うん・・・!大丈夫だよ・・・!」

 

柳沢「一体、何が・・・!?」

 

 

3人が立ち上がりながら、飛んできた物を確認すると、なんとそれは消火器だった。

 

 

柳沢「消火器!?」

 

千紗希「なんで消火器が!?」

 

秋宗「どうやら、つけられてたみたいだな・・・!」

 

 

秋宗がゆっくり振り替えると、そこには1人の少女が立っていた。

 

少女の見た目はこゆずと同じくらい小柄で、白いTシャツにピンクのスカートを着こなしていた。

髪は紫色でツインテールにまとめ、背中にリュックを背負い、秋宗たちに対して怪しく笑っていた。

 

 

千紗希「お、女の子・・・!?」

 

 

理解が追い付かない千紗希は、辛うじて女の子がいるということしか分からなかった。

 

 

秋宗「・・・お前か?消火器を俺らに飛ばしたのは?」

 

???「そうよ」

 

 

秋宗は少女を睨みながら消火器を飛ばしたのかと確認すると、少女は即座に自分の仕業だと答えた。

 

 

 

柳沢「何のマネだテメェゴラァ!消火器頭に当たったらどうするつもりだぁ!?」

 

 

 

柳沢は口調がゴクチュー時代に戻り、少女に対してメンチを切っていた。

そんな柳沢を他所に秋宗は少女を注意深く見ていた。

一体あんな体格でどうやって消火器を投げたのだろうと。

少女は、そんな柳沢に対して少しもびびっていなかった。

それどころか、クスクスと笑っていた。

 

 

???「大丈夫よ、そこのお兄さんに当てるつもりだったから」

 

 

少女は秋宗に指を向けてそう答えた。

 

 

秋宗「・・・一応確認するが、初対面だよな?」

 

???「えぇ、そうね」

 

千紗希「じゃあどうして西条くんを・・・!?」

 

???「私の計画の邪魔になりそうだったから」

 

 

少女の計画という言葉に秋宗たちは揃って疑問を持った。

 

 

七海「自己紹介がまだだったわね。私は佐渡七海《さわたりななみ》。家鳴の妖怪で、魔の前屈階段の黒幕ってところよ」

 

 

少女、七海は秋宗たちに自己紹介をした。

 

家鳴。

日本に伝わる妖怪で、人間の家を揺さぶってポルターガイストでいたずらをしている伝承がある。

 

 

秋宗「魔の前屈階段の怪奇現象、お前が引き起こしたのか」

 

七海「そうよ。最初は私が釣糸とか使ってスカートを捲って、その噂を広めて自然な怪奇現象を起こさせたのよ」

 

 

七海はまるで自慢するかのように堂々と話し出した。

 

 

七海「そのおかげで、結構色んなパンツが撮れたの!ご覧なさい!このコレクション!」(バッ

 

 

七海がリュックから何かを取り出して秋宗たちに見せびらかした。

それは、魔の前屈階段で撮影した複数枚のパンツの写真だった。

これを見て、千紗希と柳沢は嫌な顔になった。

 

 

柳沢「こいつ・・・!罪悪感とかそういうのが全くねぇな・・・!」

 

千紗希「何のためにこんなことを・・・!?」

 

 

千紗希の質問に七海はうっすらと笑いこう答えた。

 

 

七海「・・・私ね、王様になりたいの」

 

秋宗「王様?」

 

 

秋宗たちは王様というワードを聞いて首をかしげてしまう。

王様とは一体どういうことなのだろう?それとパンツと何の関係があるのだろう?

秋宗は頭をフル回転させて考えていた。

 

秋宗の様子を見て七海はゆっくりと口を動かした。

 

 

七海「簡単に言えば、支配してみたいのよ。自慢じゃないけど、私は結構ポルターガイストの力が強いから、これで何かできないかしら?って考えてたら、日本征服しようって結果にいきついたのよねぇ。何だか面白そうで、頂点に立ちたいって野望が宿ってしまったの」

 

 

七海はお茶目に言いながらもとんでもない夢を語っていた。

 

 

七海「それで手始めに、この学校から支配するの。パンツの写真で学校のお姉さんたちの弱みを握って奴隷にするのよ」(ガシャガシャ

 

 

七海はリュックの口を開けて逆さまにして中に入っていたものを廊下に広げた。

リュックには、手錠にアイマスク、鞭にロープ、更にはロウソクなど、様々なSMグッズが入っていた。

 

 

七海「私こう見えてSっけが強くて、特に女の人をいたぶることに快楽覚えしまったのよねぇ」

 

 

七海は鞭を手に取り、頬を赤らめて舌で舐めずりをしていた。

 

それを見た千紗希と柳沢はゾッとして思わず身震いしてしまう。

 

 

秋宗「こ、コイツ・・・!イカれてるとかそういう話じゃ収まらねぇ・・・!狂ってやがる・・・!」

 

千紗希「ど、どうするの西条くん!?」

 

柳沢「ふざけてるとか思ったけど・・・!コイツマジてやりかねないぞ・・・!」

 

 

秋宗たちは七海を見て戦慄を感じた。

 

 

七海「でも、なんだか私のことを嗅ぎ回ろうとする連中がいるみたいで、消えてもらおうとって思ってね」

 

 

七海は目を細めて秋宗を睨みだした。

 

 

七海「お兄さんには悪いけど、消えてくれないかしら?」

 

 

そして次の瞬間、

 

 

ドガラシャーン!!

 

 

教室の窓が突然開き、中から椅子やら机などが飛び出して七海の周りを飛び回っていた。

 

 

秋宗「ッ!!宮崎!柳沢!コガラシたち呼んで来い!」

 

 

秋宗は2人にコガラシたちを呼びに行くように促した

 

 

千紗希「で、でも西条くんは!?」

 

秋宗「俺はコイツを食い止めておく!その間に呼んで来い!」

 

柳沢「けど西条・・・!」

 

 

千紗希と柳沢が心配するが、秋宗は振り返り、

 

 

秋宗「心配すんな!俺を信じろ!」(グッ

 

 

2人を安心させるために、笑顔を向けて親指を立てた。

 

それを見た2人は、

 

 

千紗希「・・・分かった!すぐに連れて来るね!」

 

柳沢「その間に倒しとけよ西条!」

 

 

コガラシたちを呼びに行くために廊下を走り去って行った。

 

 

秋宗「・・・さてと」(グググッ

 

 

2人が行ったことを確認した秋宗は、オオカミ人間へと姿を変えていった。

 

 

七海「・・・あら、お兄さんオオカミさんだったの?」

 

秋宗「お前の思い通りにはさせるかよ。ここでお前を叩きのめしてやる!」

 

七海「へぇ?じゃあ2度とそんな口が聞けなくなるように、躾をしてあげるわ」

 

秋宗「やれるもんなら、やってみやがれぇ!」(ダッ

 

 

秋宗が七海に向かって走りだし、七海はポルターガイストで机などを飛ばして来た。

湯煙高校の校舎で、妖怪同士による戦いが勃発した。

 

 

 




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