緋扇邸のオオカミくん   作:アニアス

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第25話 秘湯での極楽

~緋扇邸~ 午後8時

 

今日は秋宗が緋扇邸へ戻っていた。

秋宗はたまに戻って自室の清掃をしたり、スズツキたちの手伝いなどをしている。

そして、夕食を終えた秋宗は、かるらとマトラの2人と廊下を歩いて話していた。

 

 

 

かるら「秘湯巡りじゃと?」

 

 

 

マトラの口から出た言葉を聞いて、かるらは思わず繰り返して聞いてしまう。

 

 

 

秋宗「姐さんがそんな娯楽に興味を持つなんて珍しいな、何かあったのか?」

 

 

 

秋宗の言う通り、マトラは戦闘好きでそれ以外で興味を持つことなど滅多にないのである。

そんなマトラが秘湯巡りしたいと言った時、秋宗も目を丸くしてしまった。

 

 

 

マトラ「実はよ~・・・」

 

 

 

マトラは秘湯巡りの経緯を説明した。

 

御三家の1つの宵ノ坂の鬼である呑子とどうしても勝負がしたいマトラは何度もゆらぎ荘へ赴いて勝負を申し込んでいるが、その度に断られてしまった。

呑子ご機嫌を取ろうと酒の相手をしたりしているが、それでも断られてしまう。

そこでマトラは何か欲しいものがないかと呑子に聞くと、美味しい酒と温泉旅行がいいと言ってきたのだ。

 

 

 

マトラ「だが酒も温泉旅行も無理だ!なにしろアタシにゃ金がない!でも誰も知らないような場所にある秘湯ならタダで入れるって気づいた訳よ~!」

 

 

かるら「ふむ・・・」

 

 

秋宗「成る程、姐さんにしちゃあ考えたな・・・」

 

 

 

マトラは伸びをしながら説明して、経緯を聞いた秋宗とかるらはマトラが秘湯巡りに興味を持った訳に納得した。

 

 

 

マトラ「つーわけで、アタシらを秘湯に連れて行ってくれおひいさん!そんで秋宗は酒の調達を頼む!」

 

 

かるら「何故妾が!?」

 

 

秋宗「ちょっと待て!俺だけ出費が発生してるじゃねぇか!」

 

 

 

マトラの頼みにかるらと秋宗は揃って声を上げてしまう。

 

かるらは天通眼と呼ばれる目を持っており、あの世の果てまで見ることができる目、簡単に言えば千里眼のようなものである。

天通眼を使えば、秘湯など簡単に見つけることができ、更に神足通でひとっとびである。

 

しかし、秘湯へ連れていくかるらと酒を用意する秋宗には何のメリットがない。

いくら幼なじみの頼みとはいえ無理があるのだが、

 

 

 

マトラ「そんなこと言わずに頼むよ2人とも~!」(グッ

 

 

 

マトラは秋宗とかるらの間に入り、2人と肩を組んだ。

 

 

 

マトラ「それにおひいさんもさ、八咫鋼をまだデートに誘えてねぇってグチってたろ?」

 

 

かるら「ッ!」

 

 

 

マトラの言葉にかるらは反応してしまう。

 

 

 

マトラ「バイト帰りの八咫鋼を誘って5人で行こうぜ!うまいこと2人きりにしてやっからよ!」(ニヤニヤ

 

 

かるら「・・・!///」

 

 

 

かるらはこれをコガラシと親密になれるチャンスと思いマトラの頼みを聞くことを決めた。

 

 

 

マトラ「秋宗も協力してくれよ!おひいさんのために!なっ?」(ニカッ

 

 

秋宗「・・・・・」

 

 

 

マトラは秋宗の方を見て笑い、酒の調達を改めてお願いした。

しばらく考えた秋宗は、

 

 

 

秋宗「・・・ハァ、酒はお嬢と関係ないと思うが、分かった。酒は何とかしよう」

 

 

 

マトラの頼みを受け入れた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

~数日後~

 

ここは日本の何処かにある秘湯。

辺りは海が広がっており、夕日で鮮やかに輝いている。

そして岩場には湧き出た源泉がある。

 

コガラシのバイトが終わった後、かるらがコガラシを誘い神足通でこの秘湯まで来たのである。

 

 

 

コガラシ「おお~!絶景ってヤツだな!連れてきてくれてありがとな、緋扇!」

 

 

かるら「そ、そう言ってもらえて何よりなのじゃ、コガラシ殿!」(あぁ、コガラシ殿の入浴姿・・・!なんと神々しいのじゃあ・・・!)

 

 

 

わざわざ秘湯まで連れてきてくれたかるらにコガラシはお礼を言った。

かるらの目には夕日でコガラシが輝いており、まさに神が降臨しているように写っていた。

ちなみに、2人とも水着を着ているのだが、恥ずかしいためか、かるらは岩場からコガラシの姿を覗き込んでいるだけだった。

 

 

 

コガラシ「・・・悪い緋扇、やっぱ混浴は気まずいよな?俺出るわ!」(ジャバジャバ

 

 

かるら「コガラシ殿!?」

 

 

 

コガラシはかるらに悪いと思い、湯から出ようとした。

 

 

 

かるら「ま、待つのじゃ!妾は水着姿を披露することに緊張しておるだけなのじゃ!心の準備が整うまでもう少し・・・!」

 

 

 

かるらが慌ててコガラシを呼び止めようとした時、2つの人影がかるらの元まで来て、

 

 

 

ガァンッ!!

 

 

 

かるらの側にあった岩を2人同時に蹴り上げた。

岩は空高く飛び、海へ落ちていった。

 

 

 

マトラ「水着くらいで何恥ずかしがってんだよおひいさん!」

 

 

秋宗「ったく、いつまでヘタレぶってんだよお嬢。バスタオル一枚姿でコガラシに抱きついただろ?」

 

 

かるら「ま、マトラ!?秋宗!?」

 

 

 

岩を蹴り上げたマトラと秋宗により、かるらの水着姿があらわになった。

 

かるらはピンクを基準とした水着、マトラは黒を基準として布地がかるらより少ない水着、秋宗は迷彩柄の水着をそれぞれ着ていた。

 

 

 

かるら「あ、あれはその場の勢いでじゃな!」

 

 

マトラ「なぁなぁ八咫鋼~!どうよおひいさんの水着姿は!?」

 

 

秋宗「今の率直な感想を聞きたいな~?コガラシくぅん?」

 

 

 

後退りしているかるらを後ろからマトラと秋宗が止めてコガラシに感想を聞こうとした。

 

コガラシは顔を少し反らし、

 

 

 

コガラシ「・・・か、かわいいんじゃねぇか?」

 

 

 

かるらの水着姿の感想を言った。

 

 

 

かるら「~!!///」

 

 

マトラ「そっか~!かわいいってよ!」

 

 

秋宗「良かったじゃねぇかお嬢!」

 

 

 

コガラシにかわいいと言われ、かるらの顔はトマトのように真っ赤になってしまった。

 

すると、

 

 

 

呑子「ホントに絶景ねぇ~!」

 

 

 

後ろから呑子の声が聞こえて秋宗とマトラ、コガラシが振り替えると、

 

 

 

呑子「秘湯ってのもオツなものねぇ~!」(バィ~ン!

 

 

 

そこには水着どころか布一切れすら纏っていない呑子の姿があった。

 

 

 

秋宗・コガラシ・マトラ『全裸ァ!?』

 

 

 

呑子の全裸姿に秋宗たちは驚いてしまう。

 

 

 

コガラシ「水着はどうしたんすか呑子さん!?///」

 

 

呑子「こんな絶海の秘湯に入れる機会なんて滅多にないのよぉ?全身で堪能しなきゃあ!」

 

 

秋宗「・・・呑子さん、恥じらいって言葉を知ってますか?///」

 

 

 

コガラシと秋宗は呑子の裸を見ないように顔を反らしてしまう。

 

 

 

マトラ「気に入ってくれたみたいだな!これで見返りは十分だよな!?早速一戦頼むぜ宵ノ坂!」(ザッ

 

 

 

マトラは戦闘体勢を取り呑子と戦おうとした。

 

まさに戦闘が始まりそうな空気だったが、

 

 

 

秋宗「何言ってんだ姐さん、せっかく秘湯へ来たんだからゆっくりして行こうぜ」(ゴソゴソ

 

 

 

秋宗は持ってきたクーラーボックスの中を漁りながら、今にも呑子に飛び掛かりそうなマトラを止めた。

 

 

 

呑子「秋宗ちゃんの言う通りよぉ!今は温泉を堪能させて頂戴!」

 

 

マトラ「そ、それもそうだな・・・」(ちょいと気が早かったか、まぁ折角の機会だ!ここでガンガン好感度を上げていい喧嘩友達になってみせるぜ!)

 

 

 

湯船に浸かっている呑子に言われて、マトラは渋々戦闘体勢を解いた。

秋宗はクーラーボックスの中から酒瓶を取り出して、マトラに差し出した。

 

 

 

秋宗「ほら姐さん、酒を用意してやったぜ。焼酎の名産地、鹿児島県より『黒霧島』だ!」

 

 

 

秋宗の持っている瓶のラベルには大きく『黒霧島』と書かれていた。

スズツキの協力の元、わざわざ鹿児島まで出向いて入手して来たのである。

 

 

 

マトラ「ありがとな秋宗!宵ノ坂~!酒注いでやるよ~!」

 

 

呑子「あらぁ!?これってかなりいい焼酎じゃない!?わざわざありがとね~秋宗ちゃん!」

 

 

 

酒を受け取ったマトラは呑子の隣へ行き、呑子は酒の銘柄を見てかなり喜んでいた。

 

 

 

秋宗「お嬢、コガラシ、2人とも何飲む?」(ゴソゴソ

 

 

 

秋宗はもう一度クーラーボックスを漁りながら、かるらとコガラシに何を飲むかを聞いた。

実は秋宗、かるら達のためにジュースを用意していたのだ。

 

 

 

コガラシ「え~っと、じゃあコーラで」

 

 

かるら「秋宗、緑茶はあるか?」

 

 

 

2人の飲みたいものを聞いた秋宗は、

 

 

 

秋宗「ほらよっ」(ビュン

 

 

 

クーラーボックスからコーラと緑茶が入った缶を取り出し、かるらとコガラシに投げ渡した。

 

 

 

コガラシ「サンキュー」(パシッ

 

 

かるら「投げて渡すでない!」(パシッ

 

 

 

コガラシとかるらは缶を受け取った。

 

すると、呑子はふと思った。

 

 

 

呑子「・・・そういえば、マトラちゃんも水着着てるんだぁ?」

 

 

マトラ「へっ?」

 

 

 

呑子から言われて、マトラは思わず聞き返してしまう。

 

 

 

マトラ「まぁそりゃアタシも女だからな。秋宗はともかく、野郎の前で裸って訳には・・・」

 

 

秋宗「姐さん、俺はともかくってどういうことだ?」

 

 

マトラ「だって小さい頃、おひいさんと一緒によく3人で風呂入ったろ?」

 

 

秋宗「そりゃ小さい頃はな!?俺の前でも気にしてくれよ!」

 

 

 

マトラが気難しそうに答えたが、秋宗が自重してほしいと返した。

確かに小さい頃、かるらとマトラ、秋宗は3人一緒で風呂によく入っていたのだが、今は思春期のため、そういうことを気にする年頃なのである。

 

 

 

呑子「まったくもぉ、みんな困ったものねぇ~。そもそも温泉入るのに水着なんて邪道なのにぃ」

 

 

 

呑子は困った表情をしながら正論を言い出した。

言われてみれば、温泉に入るのに水着はどうなのだろうと思ってしまう。

 

 

 

かるら「呑子殿はよほど温泉がお好きなのじゃな」

 

 

呑子「当然よぉ!ゆらぎ荘だって温泉目当てで住み始めたんだしぃ~」

 

 

マトラ「ッ!・・・」

 

 

 

呑子の様子を見て、マトラは躊躇してしまう。

呑子と仲良くなるためには裸の付き合いが鍵となるかもしれないが、コガラシの前では裸姿を見せたくない。

 

悩んだ末、マトラは腹をくくった。

 

 

 

マトラ「・・・しょうがねぇな宵ノ坂、付き合ってやろうじゃねぇか・・・!///」

 

 

かるら「マトラ!?」

 

 

 

マトラは自分の上の水着を掴み、

 

 

 

マトラ「オラァ!」(バッ

 

 

コガラシ「!?///」

 

 

秋宗「ね、姐さん!?///」

 

 

 

それを脱いで、胸をさらけだした。

 

秋宗とコガラシはマトラを胸を見ないように咄嗟に顔を反らした。

 

マトラは内心、とても恥ずかしがっているが呑子と友達になるために我慢している。

 

 

 

呑子「大丈夫よ~マトラちゃん!コガラシちゃんはジロジロ見る子じゃないからぁ」

 

 

 

呑子に言われてマトラがコガラシの方を見ると、コガラシと秋宗はマトラに背を向けていた。

 

マトラは2人がこっちを見ないように気をつかっていることを理解すると、

 

 

 

マトラ(じゃあ遠慮なく脱がせてもらうぜ!)スッ

 

 

かるら「マトラァ///!?」

 

 

 

下の方を脱ぎ、呑子と同じ素っ裸になった。

 

 

 

呑子「マトラちゃんやるぅ~!あなたとは将来いいお酒が呑めそうねぇ!」

 

 

マトラ「へ、へへっ///だろ!?///」(ッシャァァ!好感触!

 

 

 

呑子がマトラが裸になったことを感心して肩を組んだ。

マトラは顔が真っ赤になりながらも、呑子との好感度が上がったことに喜んだ。

 

 

 

呑子「あとはあっちの3人ねぇ」(ジィ~

 

 

 

呑子はまだ水着を脱いでいない秋宗とコガラシ、かるらをじっと見ている。

 

 

 

コガラシ「お、俺は脱がねぇぞ!?///」

 

 

かるら「妾もじゃぞ ///!」

 

 

秋宗「悪い姐さん///流石に俺も脱げねぇ///」

 

 

 

3人は絶対に脱ぎたくないと呑子に言ったその時、

 

 

 

ブシャアアア!!

 

 

 

かるら・コガラシ『!?』

 

 

 

突然、かるらとコガラシの下から間欠泉が吹き出して2人は巻き込まれてしまった。

 

 

 

秋宗「ッ!?お嬢!コガラシ!大丈夫か!?」(ジャバジャバ

 

 

 

秋宗はビックリしたものの、無事か確認するために2人の元へ寄って行った。

 

 

 

かるら「う、うむ!この程度の熱!妾ならばどうとない・・ぞ・・・?」

 

 

秋宗・コガラシ『!!・・・///』

 

 

 

かるらが無事だと伝えるが、秋宗とコガラシは顔を赤くしてフリーズしていた。

 

かるらは何故2人がフリーズしているのか分からなかったが、胸に違和感を感じて自分の胸を見ると、間欠泉により水着がずれて胸があらわになっていた。

 

 

 

かるら「・・・・・!!///」(カアァァァ

 

 

 

パチィーン!!

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

その後、かるらは水着を着直したのだが、愛しのコガラシに胸を見られてしまい手で顔を覆いコガラシに背を向けていた。

一方コガラシも、かるらの胸を見て気まずくなり、かるらに背を向けていた。

2人の間には重い空気が漂っていた。

 

 

 

呑子「かるらちゃんって案外照れ屋さんだったのねぇ~」

 

 

マトラ「ったく、何やってんだよおひいさん、せっかくのチャンスだってのに・・・」

 

 

 

呑子は酒を飲みながら2人の様子を見て、マトラは少し呆れていた。

 

 

 

秋宗「・・・いや、お嬢はもう一生あのままチャンスを逃せばいいさ」

 

 

 

しかし、マトラと呑子と少し離れたところに座っている秋宗はかるらを睨んで悪口を呟いた。

 

秋宗は先ほど、かるらにひっぱたかれてしまい左頬に赤い手形の跡が残っていた。

 

 

 

呑子「まぁまぁ秋宗ちゃん、かるらちゃんだってわざとじゃなかったんだからさぁ、許してあげてよぉ」

 

 

秋宗「・・・そりゃあ分かってますけど」

 

 

 

呑子に言われて秋宗の怒りは少しおさまった。

 

するとマトラが、

 

 

 

マトラ「は~、今回はアタシが誘った手前、後悔なんてさせたくねぇんだけどなぁ・・・」

 

 

 

そう呟き、何か自分に出来ることはないかと考えていた。

 

それを聞いた呑子はマトラに知恵を貸した。

 

 

 

呑子「マトラちゃんと秋宗ちゃんってかるらちゃんと幼なじみなんでしょ?何か積極的にさせる方法とかないのぉ?」

 

 

マトラ「・・・そういやこの前、珍しく八咫鋼と腕組めたとか喜んでたんだよなー」

 

 

呑子「じゃあその時はどうしてそんなことができたのかしらぁ?」

 

 

秋宗「・・・確か、朧がコガラシに腕を絡めて、それでお嬢が負けられないと思って、咄嗟に腕を組んだんすよねぇ」

 

 

 

秋宗が当時のことを思い出しながらかるらがコガラシと腕を組めた訳を声に出した。

 

それを聞いたマトラは、

 

 

 

マトラ「・・・そっか!それだ秋宗!」

 

 

秋宗「?」

 

 

 

何かを閃いたような表情になった。

 

秋宗の話を聞いたマトラは、かるらに対抗意識を持たせる人がいれば積極的になれると考えた。

 

マトラは早速行動に移そうと、コガラシの元へ寄って行った。

 

 

 

マトラ「なぁなぁ八咫鋼~?///」(ぐいぐい

 

 

 

マトラはコガラシの背後に周り、自分の胸をコガラシに押し当てた。

 

 

 

コガラシ「み、巳虎神!?///何だよいきなり!?///」

 

 

 

突然マトラが背中に胸を押し当てたことに、コガラシは更に顔が赤くなってしまう。

 

そんなことなどお構い無しに、マトラはどんどん攻めていった。

 

 

 

マトラ「理由なんてどうでもいいだろ?///それよりどうだ?///」

 

 

コガラシ「イヤ・・・!///どうだって言われても・・・!///」

 

 

マトラ「ほらほら、柔らけぇだろ~?///」(もみゅもみゅ

 

 

コガラシ「バ、バカ!///おまっ!?・・・///」

 

 

 

イチャついているように見えるマトラとコガラシを見て、かるらと秋宗は開いた口が塞がらなかった。

 

そして、

 

 

 

マトラ「なぁ八咫鋼///アタシ結構いい身体してると思わねぇか?///なんなら好きにしていいんだぜ?///」

 

 

コガラシ「・・・!?///」

 

 

 

コガラシの上にマトラが乗り、マトラがコガラシの手を自分の胸に押し当てる状態になった。

 

 

 

秋宗「何やってんだよ姐さん・・・!?んなことしたらお嬢に殺されるぞ・・・!?」

 

 

 

かるらを本気で怒らせてしまったらかなり怖いことを知っている秋宗は顔が青ざめていた。

 

一方マトラはというと、

 

 

 

マトラ(くおおお!?///なんだこりゃあ!?///くっそ恥ずかしいなコレ!?///)

 

 

 

内心とても恥ずかしがっており、何でこんなことをしてしまったのだろうと少しばかり後悔していた。

 

 

 

マトラ(だがこれもおひいさんのためだ!おひいさん!ほら!早く来い!おひいさーん!)

 

 

 

マトラがかるらの方を見ると、かるらは扇子を構えて背中から翼を生やし宙へ飛んだ。

 

 

 

かるら「・・・マトラよ、おぬしの考えは他心通で聞かずとも察しは付くぞ。その心遣いには感謝しよう。友情のためにその身を捧げるとは天晴れじゃ」(ゴゴゴゴゴ

 

 

マトラ「あ、あれ?おひいさん・・・?」

 

 

 

マトラがかるらの様子を伺うが、突如風が吹き始めてまるでかるらの扇子に吸い込まれるかのように吹いていた。

 

 

 

かるら「じゃがな・・・!じゃがな・・・!いくらなんでもやりすぎじゃあ!!」(ビュオォ!!

 

 

マトラ「ぎゃあああ!!」

 

 

 

かるらが扇子を振るうと突風が起こり、マトラはコガラシと共に吹き飛ばされてしまった。

 

 

 

秋宗「・・・こればっかりは、姐さんが悪いな」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

すっかり日も暮れて、夜空には星が輝いていた。

その下で、かるらは吹き飛ばしてしまったコガラシに必死に謝っていた。

 

 

 

呑子「んもぉ、お馬鹿ねぇ。あんなの怒られるに決まってるじゃない」

 

 

秋宗「まったく、一時はどうなるかとヒヤヒヤしたぞ」

 

 

マトラ「朧くらいやんねーとって思ったんだよ」

 

 

 

その様子を、秋宗たちは少し離れたところから見ていた。

しかし、マトラもマトラなりにかるらのために身体を張ったのを呑子と秋宗は理解していた。

 

 

 

呑子「・・・ねぇマトラちゃん」

 

 

マトラ「んー?」

 

 

 

呑子に声を掛けられて、マトラは呑子の方を見た。

 

 

 

呑子「アタシのこと、荒覇吐って呼んでほしいわぁ。そうしてくれたらぁ、暇な時に相手してあげてもいいわよぉ」

 

 

 

呑子から勝負相手をしてあげると言われたマトラは、

 

 

 

マトラ「・・・!!」(パアァァ!

 

 

 

嬉しくなり、一気に明るい表情になった。

 

 

 

マトラ「ホントか!?宵ノ、じゃねぇや荒覇吐!?じゃあ早速やろうぜ荒覇吐!」

 

 

呑子「ごめんねぇ、今日はもう原稿をしなきゃいけないのよぉ」

 

 

マトラ「なら手伝うぜ!」

 

 

呑子「あらぁ!絵なんて書けるのぉ?」

 

 

マトラ「鍛える!」

 

 

 

以前よりも2人の関係が親しくなった瞬間だった。

 

すると呑子があることに気がついた。

 

 

 

呑子「あらぁ?コガラシちゃんとかるらちゃんはぁ?」

 

 

マトラ「あれ?おひいさんと八咫鋼どこ行った?」

 

 

 

いつの間にか、コガラシとかるらがいなくなっており、呑子とマトラは辺りを見渡した。

 

そんな2人を見て、秋宗が答えた。

 

 

 

秋宗「お嬢とコガラシなら、向こうの方で夜景を見て楽しんでるぞ」

 

 

 

呑子とマトラが話に夢中になっている時、秋宗が『コガラシと夜景を見て楽しんで来い。こっちで姐さんと呑子さんを引き留めて2人きりにしてやるから』とかるらに耳打ちをして、かるらはコガラシを連れて少し離れた岩場へ向かった。

 

 

 

呑子「あらそうなのぉ?秋宗ちゃんったら優しいわねぇ」

 

 

秋宗「ま、俺がお嬢にそんなことを言ったのには、ちょっと訳があるんすよねぇ」

 

 

マトラ「訳ってなんだよ?」

 

 

秋宗「お嬢が近くにいたら、乱入して止めさせようとする可能性があるからだ」

 

 

 

秋宗の話にマトラは「?」を頭に浮かべてしまう。

 

秋宗はマトラから少し距離を取り、

 

 

 

秋宗「お嬢たちが戻ってくるまで、少し相手してやるよ」

 

 

 

と言いながら、秋宗は準備運動を始めた。

 

 

 

マトラ「・・・いいのかよ秋宗!?」(ワクワク

 

 

秋宗「あぁ、姐さんのおかげで秘湯に入れたからな」(グググッ

 

 

 

目を輝やかせているマトラを前に、準備運動を終えた秋宗はオオカミ人間の姿へ変身した。

今は満月が出ていないため、狂暴性10倍の姿になっていた。

 

 

 

マトラ「ヨッシャ!んじゃあいくぞ秋宗!!」(ダッ

 

 

秋宗「かかってこいやぁ姐さん!!」(ダッ

 

 

 

2人は同時に駆け出して戦闘を開始した。

 

コガラシとかるらが戻ってくるまでの30分間、秋宗と勝負をやり続けたマトラはとても満足していた。




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