炎焔「エ~ナニナニ~?私ノ何ガ分カタノ?聞キタイナ~!」
秘密を見破ったと言った秋宗に炎焔は相変わらず余裕の態度を見せていた。
しかし秋宗は冷静になり心を静めていた。
今までの闘いで得た情報から導き出した答えを秋宗は説明しだした。
秋宗「確かにお前の実力はスゲェ。身体能力や青龍刀の扱いもそうだが、何より3つの秘術を完璧に使いこなしてやがる」
炎系統の『獄炎花』、風系統の『烈風覇』、そして雷系統の『威鳴』。
炎焔はこの3つの秘術を完全に我が物として達人並みに扱っている。
まさに天才と言っても過言ではない。
秋宗「けど、俺は大きな勘違いをしていた」
炎焔「・・・ト言ウト?」
炎焔は惚けるかのように首を傾げた。
秋宗「ま、気づけなかった俺も間抜けだが、お前は秘術を切り替えるのは、俺があることをした時だけだった」
炎焔が秘術を切り替えるタイミング、それは、
秋宗「俺の視界からお前が消えた時だ」
炎焔「・・・・・」
獄炎花から烈風覇へ切り替えた時は秋宗が吹き飛ばされて顔が地面を向き、烈風覇から威鳴へ切り替えた時は秋宗が重機の陰に隠れ、その他にもフラフラに立ち上がったり氷の壁を作ったりなど秋宗が視界から炎焔を外した時に炎焔は秘術を一々切り替えていた。
秋宗「じゃあ何でお前は俺がお前を視界から外した時だけ秘術を切り替えるかってことだが・・・」(ガシッ
そう言って秋宗は側に置かれていた1立方メートル程の鉄の箱を頭上まで持ち上げ、
秋宗「これが答えだ!!」(ブォン!
炎焔「ッ!!」
ガシャァーーーン!!
そのまま鉄の箱を炎焔の後ろにある重機目掛けて投げ飛ばすと大きな音を立てて箱は重機と共にバラバラに散っていった。
そして、
秋宗「錆の臭いで全然気が付かなかったけどよ、つまりお前は、いや・・・
お前たちは、三つ子だった!!」
???「チィッ・・・!?」
???「クッ・・・!?」
なんと重機の陰から炎焔とそっくりの女の子が2人飛び出したのだった。
顔や髪型、体型や服装などありとあらゆる所まで瓜二つ、いや瓜三つだった。
秋宗「これがお前、いや、お前たちの秘密だ!」
秋宗に自身の秘密を見抜かれた炎焔は、
炎焔「・・・ア~ア、バレチャッタ」
頭を掻きながら目線を明後日の方へ向けてめんどくさそうな態度を見せた。
秋宗の推理通り、炎焔は秋宗が目を反らした隙に他の2人に青龍刀を持たせて入れ替わり、まるで1人の人間がたくさんの秘術を使えるようにカモフラージュしていたのだった。
その炎焔の側に炎焔とそっくりな女の子2人が歩いて来た。
???「ヤルナァ!アタシラノ秘密ヲ見破タノハテメェガ初メテダ!」
1人は炎焔と同じようにカタコトだが男っぽい口調をしており、結んでいた髪をほどきそのまま後ろへ流しオールバックの髪型へと変えた。
???「ま、いつかはバレると思ってたけど」
もう1人は他の2人と比べてスラスラと日本語を話し、ずっと被っていたであろうカツラを外すとショートヘアとなり懐に持っていた眼鏡を掛けた。
これで3人の見分けがつくようになった。
炎焔「ジャア、改メテ自己紹介スルヨ。私は『獄炎花』の使い手の長女、龍・炎焔(ヴォン・フォンイェン)」
風「アタシハ次女ノ龍・風(ヴォン・フゥ)!得意ノ秘術ハ『烈風覇』ダ!」
雷「そして私は、龍・雷(ヴォン・レイ)。三女で『威鳴』を取得してる」
オールバックの烈風覇の術者が風、ショートヘアの眼鏡を掛けた威鳴の術者が雷、そして長女の炎焔。
これが炎焔の秘密、龍三姉妹だったのだ。
炎焔「秘密ヲ見破タノハ褒メテアゲルネ。デモダカラ何?ッテ話ダケドネ~」
秘密がバレたにも関わらず炎焔は相変わらずの余裕の態度だった。
そして風と雷も同じような態度で秋宗を囲んだ。
風「炎姉(フォンネェ)ノ言ウ通リダ。テメェノシタコトハ結局、自分ノ首絞メタダケナンダゼ」
雷「今までは偽りの1対1だったけど、ここから正真正銘の3対1になったということ。炎焔姉さんと風姉さんの言うことは、そういうことになるの」
先ほどまで秋宗は龍三姉妹と1人ずつ闘っていたが、秘密を暴いてこの状況を作ったせいで3人まとめて相手をしなければならなくなってしまった。
炎焔「サテト、ソレジャ今カラ君ヲ八ツ裂キニシテアゲルヨ!」(ボォゥゥゥゥッ!!
風「イヤイヤ、ココハナブリ殺シダロ!雷ハドウスル?」(ビュォォォッ!!
雷「私は、どっちでもいい。姉さんたちの好きにすれば?」(バチィンバチィン!!
炎焔は青龍刀に再び炎を纏わせ、風は両手に突風を起こし、雷は両手から雷の鞭を出して大きく降った。
龍三姉妹に囲まれ秋宗は追い詰められてしまった。
しかし、
秋宗「・・・いや、もうお前らの負けだ」
鼻で軽く笑い炎焔と同じような余裕の態度を見せた。
炎焔「ハァ?何言テルノ?」
風「炎姉、コイツ追イ込マレテ頭オカシクナテルゼ」
雷「強がりはよして、私たち3人に勝てると思ってるの?」
秋宗の実力を闘いを通して大方理解している龍三姉妹は所詮はったりだと思い込んでいた。
1対1で苦戦していたのに3人まとめてとなると火を見るよりも明らかだと。
秋宗「そいつはどうかな?」
そう言って秋宗が右手を挙げて人差し指を立てた。
龍三姉妹は釣られるように人差し指の先を見上げると、穴が開いている屋根から満月が顔を出していた。
炎焔「満月・・・・・ア!」
満月を見上げてポカンとなっていた炎焔だがあることをを思い出して声を上げた。
目の前にいるのはオオカミ人間。
満月が出ていたら狂暴性が50倍にも膨れ上がる。
つまり、
秋宗「ウゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」(グググッ
秋宗は狂暴性50倍の姿、3メートルまで体格が大きくなり筋肉も通常以上に膨れ上がった。
炎焔「アチャ~、完全ニ忘レテタヨ・・・」
風「ビビルコトナンカネェゼ炎姉、アレダケデカクナリャ攻撃ガ当タリヤスクナルッテモンサ」
雷「そうよ、例え強くなったとしても私たちには到底敵わない」
炎焔は姿が変わった秋宗を見て困ったら表情を浮かべるも、風と雷は所詮は見かけ倒しだと炎焔に言い聞かせそれぞれ身構えた。
まず最初に仕掛けたのは、風だった。
風「コレデモ食ライナ!爆風連破!!」(ビュンビュンビュンビュン!!
風は先ほどと同じように手から突風の塊を飛ばすが今は両手が使えるため一気に何十発も撃ち込んで来た。
この攻撃で秋宗は吹き飛ばされていたが、
パァンパァンパァンパァン!!
風「何!?」
なんと身体に当たったと同時にかき消されてしまったのだった。
当の秋宗はなんともない状態だった。
狂暴性が50倍になったと共に毛皮も更に分厚くなっているため、効かなくなっていたのだ。
雷「私がやる!乱武!!」(ブンブンッ!!
次に飛び出したのは雷。
両手の雷の鞭を高速で振るい秋宗の逃げ場をなくした。
いくら攻撃に耐えられても雷までは防げまいと思ったが、
バチンバチンバチンバチン!!
秋宗「・・・・・」
雷「ウソ・・・!?」
なんと鞭が当たったものの、毛皮の影響なのか雷すら通さなくなっており堪えている様子がまったくなかった。
風「何ナンダヨコイツ!?」
雷「満月でこれ程までに強くなるの・・・!?」
炎焔「・・・少シ、マズイカモネェー」
さっきとはまるで別人のように強さが変わっている秋宗に龍三姉妹は動揺してしまう。
秋宗「もう終わりか?んじゃ今度はこっちの番だな」
秋宗は氷河獣王を発動させて少し体制を低くした。
そして足に力を込めて、
ダッ!!
一瞬で風との間合いを詰めた。
風「ナッ!?ヤベッ!」
ビュォォォォッ!!
風は秋宗の驚異的な瞬発力に驚くも、両手から強風を起こしペットボトルロケットのように宙へ飛び出し再び距離を取った。
風「危ネェ~・・・!」
もしあのまま呆然と立ち尽くしていたら確実にやられていたとビビるも秋宗から離れられたと安心しきっていたその時、
秋宗「逃がすかよ」
風「!?」
なんといつの間にか秋宗が風の真横まで飛び上がっており拳を振り上げていた。
風「チョ!?チョト待テ!」
パニックになっている風などお構い無しに秋宗はそのまま拳を振り下ろした。
ズドォォォォォン!!
風「グハッ!!?」
拳は見事に風に当たりそのまま地面へ叩きつけられた。
風は仰向けに倒れるも直ぐに起き上がれる様子ではなかった。
スタッ
秋宗「まずは、1人目だ」
着地した秋宗は呼吸を整えて風を見下ろしていると、
フッ・・・
秋宗「?」
月の明かりで照らされていた廃倉庫内に急に大きな影が現れ秋宗が見上げると、なんと重機が宙に浮いていた。
よく見ると重機に白い光のようなものが巻き付いており目で辿っていくと雷が威鳴で重機を持ち上げていたのだった。
雷「風姉さんから離れて!」(ブォン!
そのまま雷は凪ぎ払うように重機を秋宗目掛けてぶつけようとした。
しかし、
秋宗「フンッ!」
ガシャァン!!
秋宗は右腕を盾にして防ぎ重機はバラバラに砕け散っていった。
だがそれが雷の狙いだった。
雷は秋宗が防御をした瞬間を狙い一気に懐へ入った。
雷(毛皮の上からダメなら傷口から!)
毛皮の影響で雷を通らなかった為、傷口からなら通ると思いこの作戦を思い付いたのだった。
実際秋宗には炎焔が付けた傷がいくつもあった。
そして雷は鞭を秋宗の傷口に目掛けて振った。
バチィィィィン!!
見事に鞭は秋宗に命中した。
しかし、
雷「・・・えっ?」
雷は唖然となってしまった。
何故ならいつの間にか秋宗の上半身を氷が纏っており雷を通さなかった。
秋宗「ワリィな。もしかしたら傷口を狙うかもしれねぇって思ったからよ、氷のプロテクターを着けさせてもらったぜ」
雷がどう攻撃してくるか予測していた秋宗は咄嗟に氷のプロテクターを纏い攻撃を防いだのだった。
そして唖然となっている雷の腹に手を添えると、
秋宗「アイスネット!!」
バキィーーーン!!
雷「うわっ!?」
秋宗の手から衝撃波のようなものが雷を壁へ吹き飛ばすした。
そのまま雷は壁に叩きつけられただけかと思いきや、全身を氷が張りまるで粘着性のある物質にへばりつかれたかのように壁と引っ付き身動きが取れなくなってしまっていた。
雷「う、動けない・・・!」
なんとかして脱出を試みるも手も足も出ないためどうすることも出来なかった。
秋宗「これで2人、あとは・・・」
氷のプロテクターを解いて秋宗は最後の1人の炎焔と向かいあった。
今まで黙って観戦していた炎焔は、
炎焔「・・・マサカ風ト雷ヲ仕留メルナンテ流石ト言ウベキカナ~・・・デモ妹タチヲ痛メツケタノハ許サナイケドネ~!」
ボォゥゥゥゥゥゥッ!!
風と雷を傷つけられたことに鶏冠にきており、周囲が瞬く間に炎に包まれた。
炎の勢いは止まることなく燃え広がっていきこの廃倉庫が火事で倒壊するのも時間の問題であった。
炎焔「コンナニイラツイタノハ初メテカモネ・・・モウイイヤ。八ツ裂キニスルツモリダタケドモウ殺ス、首ヲ跳ネテヤルヨ!」(ダッ!
怒り心頭の炎焔は炎を纏わせた青龍刀で秋宗へ突っ込み首を斬ろうとした。
炎も先ほどまでと比べ物にならないくらいの熱量でまさに炎焔の怒りを表しているかのようだった。
一方秋宗は、呼吸を整えて地面に手を置いた。
炎焔「ハッ!今更命乞イシテモ無駄ヨ!コノママ首を!」
秋宗「そうじゃねぇ、これで終わりだってことだ」
秋宗の両手に徐々に霊力が溜まっていき、そして、
バキィィィィィィィィィン!!
秋宗「雪景色・銀世界!!」
炎焔「ナッ!?」
なんと秋宗を中心に氷が広がっていき、勢いを増していた炎までもが凍ってしまい辺り一面まるでカナダの自然の風景と間違える程にまで変わっていた。
炎焔は周りの景色が一変したことに驚くが何より驚いたのは青龍刀の炎が消えてしまっていたのだった。
炎焔「マ、マサカ!?気温ガ低クナタカラ炎ガ!?」
炎焔は再び獄炎花を発動させようとしたその時、
秋宗「させるかぁ!!」
炎焔「!?」
秋宗が炎焔との間合いを一気に詰め、そして、
ズドォォォォォォン!!
炎焔「ガハァッ!?」
炎焔を宙高くへ蹴り飛ばしたのだった。
炎焔は見事な曲線を描くように飛んでいき、背中から地面へ落ちていった。
秋宗「形成逆転、だな」
感想の程、よろしくお願いいたします。