緋扇邸のオオカミくん   作:アニアス

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ヤバいよ・・・完全に投稿遅れてるよ・・・

ではどうぞ!!


第48話 冷酷な獣

ズドォォォン!!

 

炎焔「チィッ!」

 

風と雷が倒されてた頃、秋宗たちと炎焔は激しい闘いを繰り広げていた。

秋宗とマトラの息のあった格闘の連携攻撃やかるらの風の霊撃で炎焔を追い込むも、青龍刀や獄炎花で迎え撃ちどちらも五分と五分の実力であった。

 

秋宗「ったく!しつけぇ野郎だ・・・!さっさとくたばれよ!」

炎焔「コッチノセリフナンダケド!?君ノ方ガボロボロナノニ!何デ動ケルノ!?」

かるら「ふん!秋宗を嘗めるでないぞ!この程度で音をあげる程軟弱ではないわ!」

マトラ「そーいうこった!アタシらを甘くみんなよ!」

 

散々痛めつけられたにも関わらず、まるで仕切り直したかのように元気になっており炎焔にはまったく理解できなかった。

それはかるらも内心同じことを思っていた。

 

かるら(じゃが確かにアヤツの言う通り秋宗の霊力は残り少ない筈なのじゃが、そんな様子がまったく見えんな・・・いや、寧ろ霊力が回復しとる・・・!?)

 

秋宗の様子を見ると先程に比べて霊力が半分程回復しており思わず自分の目を疑ってしまった。

浩介の霊力回復装置を使った訳でもないのに一体どういうことなのだと疑問に思ってしまう。

 

炎焔「ドウスレバ・・・へ?」

 

必死に頭を回転させている炎焔の視界にあるものが入りこんだ。

それは、狭霧と朧たちによって倒された風と雷だった。

2人とも地面に倒れて動く様子がなかった。

 

炎焔「フ、風・・・!?雷・・・!?」

 

炎焔には信じられなかった。

実力がずば抜けて高い自分の妹2人が負けるなんてあり得ない。

八咫鋼のコガラシが相手ではないというのにそれ以外の連中に破れたのかと。

 

マトラ「向こうは終わったみてぇだな」

秋宗「あとはこっちだけか・・・」

かるら「さっさと終わらせるぞ」

 

向こうが風と雷を倒したことを理解した秋宗たちは安堵するも炎焔を倒さなければと切り替えた。

風と雷との連携が取れなくなればもはや勝ったも同然。

間違いなく勝てると思っていた時、

 

炎焔「・・・ハァ~、モウイーヤ」

 

炎焔が驚嘆から面倒な表情へと変わり雰囲気も今までとは違うものになっていた。

そしてとんでもないことを口にしたのだった。

 

炎焔「ッタク、風モ雷モアンナ連中ニ負ケルナンテ。ホント役立タズダヨ」

秋宗「んだと・・・!?」

 

今まで2人の妹を慕っていたにもかかわらず、急に態度を変えて風と雷を役立たずと罵倒した炎焔に秋宗たちは唖然となってしまう。

 

マトラ「テメェ、今なんつった・・・!?」

炎焔「ン?聞コエナカタ?役立タズッテ言ッタンダヨ。使エナイ妹タチダヨ」

かるら「貴様、自分の妹たちが怪我を負い倒れてるのじゃぞ!何とも思わんのか!?」

炎焔「全然?ソレニ、私ハモウアノ2人ヲ妹ダナンテ思テナイシ」

 

狂気の快楽の底の底まで沈んでしまった炎焔には周りがどうなろうと知ったことではない。

例え自分の妹が死んだとしてもそれは些細な問題でしかない、自分が気持ち良ければどうでもいいのだと。

 

炎焔「ナーンカメンド臭クナッチャッタ。モウ一気二ヤッチャオ!」

 

そんなことなどお構い無しに炎焔は青龍刀を両手で持ち頭上へ掲げると、

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

 

剣先に赤く光る球体が発生した。

そしてそれは徐々に大きくなっていき天井に届きそうな程までに巨大化していった。

まるで太陽が目の前にあるかのように。

 

雲雀「な、なな、何あれ!?」

こゆず「おっきい!」

幽奈「何をする気なんですか!?」

 

それを見ていた幽奈たちは炎焔の突然の行動に慌てふためいてしまう。

するといつの間にか仲間と化している京太郎が目を見開いた。

 

京太郎「マズイ!あれは堕天太陽だ!」

浩介「だ、だてんたいよう?」

狭霧「何か知っているんですか!?」

京太郎「あぁ!堕天太陽は小型の太陽を作り出す秘術でとてつもない大爆発を引き起こすんだ!このままじゃあオジサンたち処か町にも被害がでちゃうよ!」

千紗希「えぇっ!?」

朧「何だと!?」

 

京太郎から炎焔がやろうとしている秘術『堕天太陽』の説明を聞いて幽奈たちは驚愕の表情になってしまう。

つまりここに居たら完全に黒焦げの死体になってしまうと。

 

コガラシ「うしっ!じゃあ壊すか!」

 

しかしそんなことなど知るかとコガラシは拳を構え堕天太陽を壊そうとした。

確かにコガラシの力ならば打ち消すことはできるであろう。

だが、

 

京太郎「待って待ってストップストップゥ!!」

 

堕天太陽を壊そうとするコガラシを京太郎は慌てて後ろから羽交い締めをして抑えた。

 

コガラシ「何すんすか!?あれ壊さないと町が!」

京太郎「何ちょっとコンビニ行くかみたいなノリで壊そうとしてんの!?あれは衝撃を与えるだけでも爆発しちゃうんだよ!」

呑子「そうなの!?」

 

無理やり破壊しようものなら大爆発が起きてしまうことを知りコガラシは拳を引いてしまう。

範囲も驚異的に広く破壊することもできない堕天太陽にもはや成す術はなかった。

 

紫音「どど、どうすんスか!?」

七海「これ洒落になんないわよ!」

夜々「こんがり焼けちゃうの!」

仲居さん「こうなったら私の運勢操作で!」

 

秋宗「待って下さい仲居さん!」

 

運勢操作を使ってなんとかしようとした仲居さんを秋宗は声を荒げて止めた。

秋宗の様子を見てみると冷静にはなっているものの、どこか大きな怒りを抱いているようにも思え、かるらもマトラも同じような様子だった。

 

秋宗「コイツは救いようのねぇグズ野郎だ・・・」

かるら「今まで生きてきたが、かような下衆なものが存在するとはな・・・」

マトラ「こんな野郎は倒すだけじゃ物足りねぇ。こうなりゃもう・・・」

 

 

 

『徹底的に叩きのめす!!!!』

 

 

 

自分の快楽のためだけに他人を犠牲にし、挙げ句の果てに妹たちも簡単に切り捨てようとする炎焔に秋宗たち3人は怒りや憎しみを通り越して殺意すら芽生えた。

こんな下衆は倒すだけでは生温い、確実に叩き潰すと。

 

炎焔「フン、ヤレルモンナラヤッテミナヨ」

 

しかし炎焔は表情を崩さず相変わらず余裕だった。

そして発動準備を整え終え青龍刀を振り下ろした。

 

炎焔「バイバ~イ!秘術!堕天太陽!!」(ブンッ

 

堕天太陽は青龍刀から離れて秋宗たち目掛けて迫っていった。

徐々に距離が詰められていく中、かるらは持っている扇に霊力を込め出し、

 

かるら「ハァッ!!」

 

ビュォォォォォォォッ!!

 

突風を起こし堕天太陽を迎え撃った。

突風なら衝撃を与えず爆発する恐れもないためこのまま押し返そうとした。

 

かるら「くっ!中々やるのう・・・!」

 

しかし、堕天太陽の霊力があまりにも凄まじいため中々押し返せず徐々に押し切られてしまった。

 

炎焔「アッハハ!イイ加減諦メナヨ!」

 

苦痛の表情を浮かべているかるらを炎焔は腹を抱えて笑っていた。

それほどまでに自分の秘術が破られない自信があるのであろう。

 

かるら「・・・そうやって余裕を咬ましておるのも今のうちじゃぞ!」

 

そんな炎焔の様子を見て益々負ける訳にはいかないと力を振り絞った。

全ての霊力をフルに使い突風の威力を更に上げると堕天太陽が徐々に突風で押されていった。

 

かるら「これでどうじゃぁぁぁ!!」

 

ビュォォォォォォォォッ!!

 

そして突風に押された堕天太陽は天井を突き抜け空へと上がり、

 

 

 

ズドォォォォォンッ・・・・・

 

 

 

とてつもない大爆発を起こした。

しかし空高く押し上げられた為被害はまったく出ずむしろ花火のように綺麗に散っていた。

 

炎焔「・・・ハ?」

 

突然のことに炎焔は呆気に取られるしかなかった。

自分の最強の秘術がこうもあっさり破られたのだから信じられず目が点となり口も半開きになってしまった。

 

炎焔「ウ、ウソデショ・・・!?アリ得ナイ、アリ得ナイヨ!コンナ、コンナコトッテ・・・!!」

 

今までの余裕が一気に崩れ明らかに動揺している様子だった。

 

マトラ「もらったぁ!!」

炎焔「ハッ!?」

 

その隙をマトラは逃がさず間合いを詰めてラッシュをかました。

 

ズドドドドドドドドッ!!!!

 

炎焔「グハァッ!?」

 

一見荒々しく見えて顔に脇腹と人体の急所となる箇所を正確に捉えたラッシュは炎焔の体に堪えてしまう。

 

炎焔「コノ・・・!」

 

なんとか反撃をしようと青龍刀を振りかぶるも、

 

マトラ「そらよっ!!」

 

バキィン!!

 

炎焔「ナッ!?」

 

回し蹴りが見事に炸裂し青龍刀は折られ刀身は粉々に砕け散った。

 

かるら「今じゃ秋宗!!」

マトラ「やっちまえ!!」

秋宗「おう!!」

 

2人の呼び掛けで秋宗は高く飛び上がりオオカミ人間へと変身した。

右手に霊力を込めそのまま炎焔へと突っ込んでいきそして、

 

 

 

秋宗「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

 

ザシュッ!!!!

 

 

 

炎焔「ガハァッ・・・!!」

 

 

 

すれ違い様に炎焔を爪で斬りつけた。

その拍子に血飛沫が舞い炎焔の体を赤黒く染めた。

 

秋宗「はぁ、はぁ、はぁ・・・ふぅ」

 

そして最後の力を振り絞り返り血を浴びた秋宗は攻撃が当たったことに胸を撫で下ろし安堵の息を吐くのだった。

 

炎焔「・・・残念ダタネ~」

 

しかし、斬られたにも関わらず炎焔はまだ立っていた。

 

雲雀「そんな!?」

狭霧「ありえん!今の攻撃は明らかに致命傷だった筈だぞ!」

浩介「しぶと過ぎるにも程があるよ!」

 

秋宗の攻撃は大きかったものの致命傷には至らず炎焔を倒すことができなかったのだ。

秋宗は先ほどの一撃で霊力を使いきってしまった為もう反撃は出来ない。

 

炎焔「セッカクノチャンスモ無駄ニナチャタネ・・・コレデ私ノ勝チダ!!」

 

運良く生き残り勝利を確信した炎焔はもう一回堕天太陽を発動させようとした。

 

その時、

 

 

 

 

 

パキ、パキパキ・・・

 

 

 

炎焔「ハ・・・!?」

 

 

 

突如秋宗により出来た傷口から氷が発生し炎焔の体中へと広がり始めた。

血が流れ熱くなっていた箇所も凍っていき一気に冷たくなった。

獄炎花で氷を溶かそうとするも体が徐々に冷えてしまっており力が入らない状況へとなっていた。

 

炎焔「ナ、何コレ!?ドウナッテンノ!?」

秋宗「タイム・イズ・ワン」

炎焔「!!」

 

バッと正面へ顔を上げるといつの間にか秋宗が目の前に立っていた。

その表情には怒りや憎しみなどが見えず、冷たい視線を向けていた。

 

秋宗「お前に使った技の名前だ。氷河獣王を会得した時、この技だけは生涯使わないと決めてたんだが、お前みたいなヤツが相手なら話は別だ」

炎焔「ナ、何言ッテ・・・!?」

秋宗「こうなっちまったらもう俺でも解除は出来ねぇ。例え解除できたとしてもするつもりは更々ねぇけどな」

炎焔「一体何ナノコノ技!?」

 

そうこうしている内に下半身は凍ってしまいその場から動くことができなくなってしまった。

完全に動揺している炎焔を見て秋宗は表情を崩さず淡々と答えた。

 

秋宗「この技は言わば禁術。自身の霊力を他者の体内へ送り込み相手を凍らせる技。技を受けたヤツは秘術を使うこともできず氷が溶けるのを待つしかない」

 

玄士郎と対峙したときに似た技を使ったことがあるが、この技、否、禁術は使った術者にも解除できないという違いがある。

 

秋宗「ちなみに、この技の解凍期間は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

100年だ」

 

 

 

炎焔「ハァッ!?」

 

 

 

禁術が解除される期間を聞いた炎焔の顔は明らかに顔が青ざめていた。

つまり100年もの間氷で覆われていなければならないということでありかなり残酷である。

人間は1人で部屋などに籠っても誰かと会ったり話したりしなければ精神に影響が出てしまう生き物である。

それが100年も続くとなるとどうなってしまうのか誰にも想像がつかない。

 

そしてついに炎焔の上半身も凍ってしまい、残すは首だけになってしまった。

 

炎焔「チョ、チョト待ッテヨ!嫌ダヨ100年ナンテ!オ願イ!!助ケテヨ!!」

 

封印のような技を受けたくない炎焔は泣きながら助けて欲しいと懇願した。

100年封印となればそれはもう死んだも同然。

しかし秋宗は可哀想とは思わず冷たくこう言い放った。

 

秋宗「お前、そうやって命乞いした人たちを見逃したことがあったか?」

炎焔「ヒッ!?」

 

そんな秋宗を見て炎焔の忘れ去られていた感情が吹き出した。

 

恐怖

決して同情せず冷酷で非道に相手を見下す秋宗に炎焔はガタガタと歯から音を出した。

 

そして氷は炎焔の顔へ到達し、口、鼻、耳と順に覆っていき最後に目に移った光景は・・・

 

 

 

 

 

秋宗「じゃあな。運がよけりゃあ、100年後にまた会おう」

 

 

 




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