同時刻、緋扇邸の外では、黒服たちを率いていたスズツキを倒し、猫神の側で眠っている夜々と、マトラと激しい戦闘を繰り広げて、転送の霊札でマトラを北海道の弁天島へ飛ばした狭霧と雲雀の姿があった。
狭霧は霊力を消費しすぎてしまい、雲雀に支えられながら、ぐったりしていた。
黒服たちは夜々が召喚した無数の猫神たちによって縄で縛り付けられている状態になっており、スズツキに至っては、猫神のアラマキとサブロウから尋問を受けていた。
アラマキ「スズメ野郎!てめぇ夜々のダチが何処にいるか知ってるよな!?」
サブロウ「早く居場所を教えるのです!」
もはやアラマキに至っては、恐喝と言っていいほどの迫力があった。
しかし、
スズツキ「・・・教える、ものか!」
アラマキ「なにぃ?」
スズツキは白状しなかった。
スズツキ「雀天狗は天狗界の中でも力も立場も弱い種族にもかかわらず、かるら様は吾輩に術者としての才を見出だし側近にまでしてくださったのだ。たとえこの命尽きようと!かるら様の命令は絶対である!!」
スズツキの重い覚悟にその場にいる者たちは凄みを感じていた。
かるら「よくぞ言うたぞスズツキ!それでこと我が側近よ!」
秋宗「流石はおっさん、カッコいいじゃねぇか」
突然声が聞こえ辺りを見渡すと、空にはウェディングドレス姿のかるらと、拘束された幽奈、千紗希、こゆず。
地上には秋宗と椅子に縛りつけられたタキシード姿のコガラシがいた。
秋宗がここまで引きずって来たのである。
スズツキ「かるら様!西条!」
雲雀「だ、だだ、大天狗・・・!オオカミ人間まで・・・!それに幽奈ちゃんたち捕まっちゃったの!?そして千紗希ちゃんはどうしてチアガールの格好に!?」
幽奈「んんー!」(すみません~!)
千紗希「ん~!」(ごめんねみんな!)
こゆず「んー!んー!」(どうしよう!転送の霊札全部破かれちゃったよぉ!)
あの後、かるらがすぐに千紗希とこゆずを拘束して、転送の霊札を全部破り捨てたのである。
コガラシ「おい緋扇!幽奈たちを離せ!」
雲雀(コガラシくん!なんとか隙をついてコガラシくんに転送の霊札さえ張れば!)
かるら「っ!マトラ!霊札を破れもせずに飛ばされたのか!全く!秋宗もあんな単純な方法で拘束されおって!主ら気が抜けすぎじゃ!」
マトラ『わ、わりぃおひいさん!急いでそっちに戻るからよ!』
秋宗「面目ねぇ、お嬢」
かるらは雲雀の心を読んで弁天島にいるマトラに他心通で説教をして、その飛び火が秋宗にも降りかかった。
他心通とは、神通力の一つで、相手の読んだり、電話の通信としても機能することができて、マトラも学んで体得したのである。
ちなみに秋宗は面倒だからという理由で体得はしなかった。
雲雀「また心を読まれた!?」(一つのことで頭いっぱいにすれば!コガラシくんコガラシくんコガラシくんコガラシくん!!)
秋宗「・・・靴の踵から霊札の匂いがプンプンするなぁ」
雲雀「!?」(嘘!?当たってる!?まさか霊札の匂いだけで隠してる所まで分かるの!?)
かるら「そうか、そこに霊札があるんじゃな?」(びゅぅっ
かるらが雲雀の心を読み、扇を振るい鎌鼬で雲雀の靴の踵に仕込んであった霊札を切った。
雲雀「あっ!転送の霊札が!」
秋宗「ちなみにさっき言ったことは嘘。カマかけただけだ」
かるら「そして、これが・・・」(キュァッ
突如、この場にいる全員の頭上に白い渦が出現した。
神足通。いわゆる転送術であり、ゆらぎ荘にかるらたちが来た時も、これを使ったのである。
かるら「さぁ参ろうか、我らの結婚式場へ」
周りが白い光に包まれて、そして・・・・・
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夜々「・・・・・んんん」
眠っていた夜々が目を覚ますと、そこは結婚式の会場だった。
式場には多くの妖怪たちが参列していた。
夜々「ここは?」
狭霧「大天狗の結婚式場だ」
千紗希「夜々ちゃん、目を覚ましたんだね」
こゆず「よかった~」
幽奈、狭霧、千紗希、こゆず、雲雀、そして目を覚ました夜々の6人は、スズツキの術によりドレス姿に変化させられて、拘束された状態になっていた。
猫神たちは、会場に張られた結界の影響により夜々の中から出られなくなっていた。
すると
ゴーン、ゴーン、ゴーン
と、鐘の音が式場に鳴り響いた。
狭霧「零時の鐘の音が!支離式の儀式が始まってしまった!」
ギイィィィ
式場の扉が開かれて、かるらとその父、緋扇我流駄が入場してきた。
パチパチパチパチ
参列した妖怪たちが盛大な拍手を送っていた。
「なんとお美しい・・・!」
「かるら様素敵~!」
「そして、あそこに座っているのが八咫鋼とは」
コガラシは相変わらず椅子に縛りつけられた状態で神父の前にいた。
雲雀「どどどうしよう!?」
幽奈「このままじゃあコガラシさんが!」
千紗希「はやくなんとかしないと!」
こゆず「コガラシくんが戻って来なくなっちゃうよぉ!」
夜々「はっ!もしかしてご馳走が出る?」
狭霧「夜々!」
幽奈たちは何とかして儀式を止めようと考えているが、結婚式はスムーズに進んで行った。
席の一つには、スズツキと黒服の3人、そして秋宗が座っていた。
黒服2「かるら様・・・本当にご立派になられて・・・!」
黒服1「それより、お館様は大丈夫かいな?愛娘が急に結婚する言うて、その翌日に挙式って相当きとるはずやろ」
黒服3「確かに、よくお許しになられたものだ」
スズツキ「流石の懐の深さよ」
スズツキと黒服たちは我流駄の動じていない姿に感心していた。
しかし、秋宗だけは見抜いていた。
秋宗「・・・いや違う。あれは娘がいきなり結婚することに頭の整理がついていないご様子だ」
無理もない。
むしろ頭の整理が追い付く方が父親としてどうかしているとしか思えない。
そしてかるらがコガラシの前に立つと、彼の膝の上に腰を掛けた。
支離式の儀、完了の瞬間である。
かるらが立ち上がると同時に、コガラシを拘束していた鎖が解けて、彼が立ち上がった。
コガラシ「ったく、好き勝手にしてくれやがって、ようやく解放されたか」
秋宗「・・・どうやら、儀式は上手くいったみたいだな」
幽奈「?」
幽奈がコガラシの顔をよく見てみると、顔に模様のようなものが刻まれていた。
千紗希「何?あれ?」
夜々「顔に、模様?」
狭霧「あれは呪いの隈取り。支離式の儀は、成功してしまった・・・!」
雲雀「そんなぁ!」
こゆず「コガラシくぅん!」
幽奈たちは儀式を止められなかったことにショックを受けていた。
しかし、それだけでは終わらない。
かるら「では八咫鋼よ、妾に誓いのキスを」
幽奈たち一同『・・・・・キス!!??//////』
そう、結婚式の定番と言えば、誓いのキスである。
だが、幽奈たちは驚きを隠せなかった。
コガラシ「だ、誰がするかそんなもん!結婚式なんてヤメだ!って!?」(ガシッ
コガラシの口からはしないと言っているが、体が勝手に動いてしまい、かるらの肩を掴んでしまう。
狭霧「くっ!このままでは!///」
雲雀「キ、キスなんてダメェ!///」
千紗希「冬空くん!///」
こゆず「逃げてぇ!」
コガラシとかるらの顔が数センチまで近づいた。
そして・・・・・
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