ザビ家末弟の奮闘記   作:ボートマン

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第3話

現在ムサイ艦内のモビルスーツハンガーでは、試作型ドムの最終調整が行われていた。

 

ついに第一次地球降下作戦が始まるため、ツィマッドの技術者達とジオン軍の整備士達がお互い協力しながら、大急ぎで試作型ドムの最終調整を行っていた。

 

一方、レイン達は艦内の一室を借り作戦概要を確認していた。

 

「我が隊の任務は本隊より先行して降下し、バイコヌール宇宙基地を強襲し基地を制圧する。それに合わせて本隊の第1機動師団は降下を開始し、オデッサ周辺の基地及びオデッサを制圧する。」

 

俺は与えられた任務内容を説明しながら、無理難題すぎるなと思っていた。

 

いくら二機のドムでも、基地一つを簡単に落とせるわけでもないのにと思いながら命令書を見ていた。

 

「何か質問はあるか?」

 

俺は三人に聞いてみたが、誰も質問することはなかった。

 

「そろそろ最終調整は終わっているはずだ。各員、機体をHLVに移動させるぞ。」

 

「「「はっ!」」」

 

俺達は部屋を退出し、モビルスーツハンガーに向かった。

 

モビルスーツハンガーに到着すると、整備士達が敬礼して迎えてくれた。

 

「機体の最終調整は?」

 

「はっ!問題なく完了しております。」

 

俺は整備士に機体の最終調整を完了したか聞いてみたが、問題なく完了しており流石だなと思った。

 

「ご苦労」

 

俺は礼を言って整備兵に頼んで両肩を白に塗装してもらったドムに乗り込み、もう一機のドムにはクスコが乗りガトーとマリオンはザクIIJ型に乗り込んだ。

 

そのあと、数機のザクの手を借りドムとザクIIJ型をHLVに搬入した。

 

それからは地球圏に着くまでの間、外ではルナツーから発進した連邦艦隊が降下を阻止するために攻撃を仕掛け、友軍のモビルスーツ部隊が降下部隊を落とさせないために連邦艦隊と激しい戦闘を行なっていた。

 

俺は敵の攻撃で堕ちないことを心の中で祈りながら、これから初めて戦闘することを考え緊張していた。

 

「中佐、そろそろ。」

 

ガトーの言葉を聞き、ついに始まるのかと思い気を引き締めた。

 

俺達のHLVは本隊より先に大気圏に突入し、徐々に降下していくと地球の重力を受け、身体が少し重く感じた。

 

「これが地球の重力か・・・」

 

降下の途中HLVは何度か攻撃を食らったが、どうにか無事に地表に到達し俺はHLVからドムを発進させ機体の状況を確認した。

 

機体の主武装であるジャイアント・バズに予備弾倉を前後の腰のアーマーに二つずつ装備し、あとは近接兵装のヒートサーベルは間に合わず、今回はザクのヒートホークを後背部に装備している。

 

「各機、状況を報告せよ。」

 

俺は自身の機体の状況を確認した後、各機の機体の状況を聞いてみた。

 

『こちらドム二番機、問題ありません。』

 

次に出てきたのはクスコの通常の黒いドムで、武装は俺と同じである。

 

『こちらザク一番機、問題ありません。』

 

『同じくザク二番機、こちらも問題ありません。』

 

続けて出てきたのはガトーとマリオンのザクIIJ型で、二機の武装は主武装であるザクマシンガンに予備弾薬を二つを左右の腰のアーマーに装備し、脚部には三連ミサイルポッドを装備しあとはクラッカーを二つとヒートホークを装備している。

 

全機問題無いことを確認し、もう一度作戦概要を確認した。

 

「さて、我が隊はバイコヌール宇宙基地に対して攻撃を仕掛ける。」

 

これから先、ジオンが戦っていくためにはオデッサは必要なためこの第一次降下作戦は成功させなければならない。

 

そのためにはバイコヌール宇宙基地を制圧し、後続の部隊を降下させなければならない。

 

「私とガトー中尉は正面から攻撃を仕掛ける。その間に、クスコ中尉とマリオン少尉は西側から基地内部に突入し防衛部隊の排除。その後、我々とクスコ中尉達は防衛部隊を排除しながら合流。合流後は司令部と残存戦力を叩く。今回の作戦はこれからの戦いで非常に重要になるだろう。そのために君達の力を私に貸して欲しい。」

 

『任せてください中佐。』

 

『任せて中佐。』

 

『我々はあなたと共に戦います。』

 

三人の言葉を聞き、俺についてきてくれることにとても嬉しかった。

 

「ありがとう。・・・これより作戦を開始する!」

 

そう言い俺はドムを移動させ、ガトーのザクはドムに追従した。

 

 

 

その頃、バイコヌール宇宙基地の司令であるクレイン・エルギリト大佐は部下に指示を出していた。

 

「急げ!ジオンのクソったれどもはもうすぐ来るぞ!」

 

先程降下してきたHLVを落とすことが出来ず、これから来る敵に基地は慌ただしかった。

 

「司令!」

 

「何だ!」

 

オペレーターに呼ばれ反射的に叫んだが、オペレーターの報告にそれどころでは無くなった。

 

「防衛部隊が敵MSを確認しました!」

 

「何!ザクにしては速すぎるぞ!」

 

ザクの移動速度では、こんなに早く来るはずはなくクレインは困惑していた。

 

クレインは双眼鏡を使い接近してくるMSを見たとき驚いた。

 

「まさか・・・新型か!」

 

それはザクとは違い重厚なフォルムに、ホバー走行により高速でこちらに接近してくる両肩を白に塗装した機体がおり、その機体は防衛部隊の砲撃を軽々と避けこちらに近づきつつあった。

 

クレインは接近してくる新型に底知れない何かを感じた。

 

 

 

 

 

「喰らえ!」

 

俺はジャイアント・バズを61式戦車の部隊に向けて撃ち込み、放たれた実体弾は数車の61式戦車に命中して破壊し、爆風で周りにいた戦車を吹き飛ばした。

 

戦車隊の一角に穴が空き俺は空いた穴を抜け、防衛設備や別の戦車隊にジャイアント・バズを向け狙い撃つ。

 

そんな中、ファンファンや別の戦車隊が俺に向かって攻撃しようとしたが、ガトーのザクがザクマシンガンを撃ち撃墜した。

 

「やはりドムではこの程度か。」

 

次々と防衛部隊を撃墜していくと、別の場所からも爆発が起きていた。

 

「どうやらクスコ達も突入したか。中尉!クスコ中尉達と合流するぞ!」

 

「了解!」

 

そして、防衛部隊を排除しながら移動していると、こちらに向かって61式戦車の比ではない砲撃が来た。

 

「あれは?」

 

「データ照合。あれは・・・ビッグトレーです!」

 

こちらに向かって砲撃してきたの、連邦の陸戦艦であるビッグトレーだった。

 

「さすがにビッグトレー(や つ)の砲撃にはドムは耐えられない。なら・・・中尉!」

 

「はっ!」

 

「クスコ中尉達と合流する前にアレを落とす。援護してくれ!」

 

「わかりました中佐!」

 

ジャイアント・バズの弾数もすでになく、俺はヒートホークを構えビッグトレーに接近する。

 

「くっ!」

 

俺はこちらに撃ってくる砲撃をギリギリで回避し、少しずつビッグトレーに接近していき、ガトーは砲台に向かって残弾数を気にすることなくザクマシンガンを撃ち援護していた。

 

それでも、ビッグトレーの迎撃は激しく近づけずにいた時、別の場所からの攻撃にビッグトレーはひるみ、俺はその隙を見逃さず飛び上がりヒートホークを艦橋に向かって振り下ろした。

 

艦橋を潰されたことで、ビッグトレーは動くことはなかった。

 

「中佐、大丈夫ですか!」

 

クスコのドムがこちらに近づき、遅れてマリオンのザクも近づいてきた。

 

「クスコ中尉、先程の援護は助かった。」

 

「いえ、マリオン少尉が中佐が危ないと突然言いだして、彼女の言う通りに行ってみれば先程の状況で。」

 

「なるほど。ありがとうマリオン、助かったよ。」

 

「いえ、あの時は何故か中佐が危ないと感じて。」

 

マリオンの言葉を聞き、俺はもうニュータイプとしての力が目覚めているのかと思った。

 

「中佐。まだ作戦行動中ですので」

 

「ああ、すまない中尉。だが、ビッグトレーを落としたことで彼らにはもう戦意はない。降伏勧告をして、降伏しなければ徹底的に叩くだけだ。」

 

「わかりました。」

 

その後、連邦は降伏勧告を受け入れ、現在は新たに降下した歩兵部隊が基地司令部を占拠し、ジオンはバイコヌール宇宙基地を制圧した。

 

そして、本隊の第1機動師団は降下を開始し、オデッサ及び周辺の基地や都市を滞りなく制圧し、第一次降下作戦は終了した。

 

 

 

今回の戦闘で、ドムの有用性は大きく示された。

 

ホバー走行による高速移動、61式戦車の砲撃をものともしない重装甲に、主武装のジャイアント・バズはザクの使用するザクバスーカとは比べ物にならないほどだ。

 

それに今回の戦闘で得たデータは、ドムの改良などに役に立つだろう。

 

これからの重力戦線での主力モビルスーツは、ドムに移るだろうと俺は自分が乗ったドムを見ながら考えていた。

 

 

 

 

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