ザビ家末弟の奮闘記   作:ボートマン

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第4話

第一次降下作戦は成功し、翌日俺はオデッサ基地の一室で、サイド3にいるギレンと通信していた。

 

「バイコヌール宇宙基地の制圧、ご苦労だった。」

 

「いえ、部下や機体のおかげです。私なんてまだまだです。」

 

「確か、ドムと言ったか。お前が設計した。」

 

「はい、とはいえ設計と言っても私が書いたことは、基本的なことだけでそれを形にしたのはツィマッド社の技術者達です。」

 

「そうか。お前には先に言っておくが、地上における主力モビルスーツは正式にドムに採用されることが決まった。」

 

ちなみに、前回の戦闘データはすでにツィマッドに送っており、今はドムの問題点がないか調べているだろう。

 

ギレンの言葉を聞き、やはりドムが地上の主力モビルスーツになったかと俺は思った。

 

「お前には後ほど次の任務についての通達がある。これからもその力をジオンのために尽くしてもらう。」

 

「はっ!了解しました!」

 

そう言って通信を切り、俺は椅子に座り溜息を吐いた。

 

「やっぱり総帥と話すとすごい緊張するなぁ。」

 

そう呟きゆったりしていると、また通信が来て俺は座り直した。

 

通信の相手はキシリアだった。

 

「どうかされましたかキシリア少将?」

 

俺はいったい何の用かと思い聞いてみた。

 

「レイン、そう堅くする必要はない。」

 

「わかりました。それで一体どうしたんですかキシリア姉様?」

 

「ああ。一つはバイコヌール宇宙基地の制圧、よくやったレイン。」

 

「いえ、部下や機体のおかげです。私なんてまだまだです。」

 

ギレンの時と同じように俺は言い、キシリアの一つはということはまだ何かあるのかと思った。

 

「そうか。それでもう一つは前回の降下作戦でレインが使用したドムをガルマに譲ってくれないか?」

 

「え?」

 

突然の機体の引き渡しに俺は驚いた。

 

「レインは知らないだろうが、ガルマは次の降下作戦に指揮官として参加する。ガルマはお前と同じで初陣となるため、お前のドムを譲って欲しいのだが。」

 

確かにザクに比べドムの方が性能が良く、生存率が高くなるのはわかるが、俺は渡したくないと内心思ったがここは我慢して承諾することにした。

 

「わかりました。すぐに準備にかかります。」

 

「そうか。すまないなレイン。」

 

「いえ、これくらい構いません。」

 

「ガルマには私から伝えておく。あまり無茶をするなよ。」

 

「わかっていますよ。それでは姉様。」

 

そう言って通信を切り、俺は溜息を吐き頭を抱えた。

 

「やれやれ、本当に困るなぁ。」

 

そうやってボヤいていると、ドアをノックする音が聞こえた。

 

「入りたまえ」

 

ドアを開けて入ってきたのは、この基地の兵だった。

 

「レイン中佐。ギレン閣下からの指令書をお渡しします。」

 

「ご苦労だった。それとすまないが」

 

俺は指令書を持ってきてくれた兵に、俺のドムと念のためクスコのドムをガルマの元に送るよう命令し、兵は敬礼をして部屋を退出した。

 

「これはまた・・・」

 

渡された指令書を見ると、指令書にはオデッサ周辺で潜伏している連邦軍の残存部隊の殲滅が書かれていた。

 

「ドムを渡すように言われた時に・・・」

 

すでに渡すことを承諾した時に、この指令はキツイなあと思った。

 

そして、二機のドムが宇宙に送るためこちらの部隊の戦力補充のために、俺はすでに開発されている指揮官用ザクとザクキャノンの二機を要請し、ドムが量産されるまで使うことにした。

 

「とはいえドムと性能を比べると劣るなぁ。」

 

そうぼやきながらも、俺は全隊員を呼んでくるように兵を呼び頼んだ。

 

しばらくして全員揃い、俺は話を始めた。

 

「急に集まってもらいすまない。実はギレン閣下から新たな指令が通達された。」

 

「それはどんな指令ですか?」

 

ガトーが聞いてきて、他の二人も同じでこちらを見ていた。

 

「前回の降下作戦で逃げ延びた残存部隊を殲滅するよう指令されている。」

 

殲滅という言葉に、マリオンの表情が少し暗くなり俺はそれを見て慌てず話す。

 

「殲滅とは言っても、最初に投降するよう呼びかけるつもりだ。」

 

「しかし、それでは指令に反するのでは?」

 

ガトーは命令に反してしまうのではないかと聞いてきたが

 

「指令には殲滅しろとは書いてあったが、方法については何も書いてはいない。それに捕虜にして情報を引き出すことも大切だ。何か問題はあるか?」

 

「いえ、問題はありません。」

 

俺の言葉にガトーは納得したようだ。

 

「それで出撃は何時?」

 

「明日の予定だ。今は私と中尉の機体がないからね。」

 

「機体が無いとは?」

 

少し困ったような表情をしながら、先ほどのキシリアの通信の事を話すと

 

「それは幾ら何でも横暴すぎるのでは!」

 

案の定ガトーは怒り、クスコとマリオンもガトーと同じように見えた。

 

「ガトー中尉の言いたいことはわかるが、ガルマ大佐は私と同じで初陣となる。私の機体に大佐が乗り、クスコ中尉の機体に優秀なパイロットが乗れば、それだけで戦況は変わるはずだ。それに、ドムが量産されるまでの間だ。それほどの問題はないよ。」

 

俺はそう言うと、三人は何か言いたいことがありそうな様子だった。

 

「話は以上だ。明日の出撃に備え、ゆっくりしてくれ。」

 

そして、三人は部屋を退出し俺も明日に備え休むことにした。

 

翌日、俺は基地の格納庫で、すでに整備が完了された指揮官用ザクを見上げていた。

 

「来たか。」

 

パイロットスーツに着替えたガトー達も到着し、俺はザクIIS型に乗り、ガトーとクスコはザクIIJ型にマリオンはザクキャノンに乗り始めた。

 

「さて、今回の任務には支援部隊としてマゼラ・アタック部隊も随伴する。」

 

すでにMSと一緒に量産が開始されているマゼラ・アタックが、ザクの近くに五台並んでいた。

 

「それでは出撃する!」

 

「「「了解!」」」

 

 

それからオデッサを出撃した俺の部隊は、残存部隊が潜伏していると思われる廃墟の前に到着した。

 

先行させた偵察部隊の報告では、連邦軍の残存部隊はこの廃墟のどこかに潜伏しているらしい。

 

「さて、各機は命令があるまで発砲を禁止する。だが、警戒は怠るな。」

 

「「「了解!」」」

 

三人の声を聞き、俺はコックピットを開け出撃前に用意した拡声機を持ち、問題なく動作してる事を確認して始めることにした。

 

「潜伏している連邦軍に告ぐ、私はレイン・ザビだ。武器を捨ておとなしく投降するなら南極条約に従い丁重に扱うことを約束する。15分待つ。もし15分過ぎて答えを出さなければ攻撃を開始する。諸君らの賢明な判断を期待する。」

 

そう言ってコックピットの中に戻り、俺は時間をセットして15分待つことにし、ガトー達やマゼラ・アタック隊には警戒を強めるように命令した。

 

それから15分待つと、廃墟から白旗を掲げた残存部隊が出てきた。

 

俺は歩兵部隊に警戒しながらも丁重に拘束するよう命令し、問題なく任務が完了したと思ったがここで予想外の問題が起きた。

 

「隊長!こちらに連邦の部隊が近づいてきます!」

 

レーダーで確認するとマリオンの言う通り、数台の61式戦車やホバートラックと多数のフライマンタや数機のデプロッグがこちらに近づいてきていた。

 

「隊長どうしますか?」

 

「ガトー中尉とクスコ中尉は二台のマゼラ・アタックと共に、捕虜を連れて基地に戻れ。その間残った部隊はここで足止めをする。私が前に出るからマゼラ・アタックとマリオン少尉は援護してくれ。」

 

「「「了解!」」」

 

俺の命令に三人は従い、マゼラ・アタック部隊も命令に従い行動を開始した。

 

「まったくこんな時に!」

 

俺は航空部隊にザクマシンガンを撃ちながら前に出て、マリオンのザクキャノンやマゼラ・アタックは61式戦車などの陸上部隊に砲撃し牽制していた。

 

航空部隊のフライマンタ数機が捕虜を乗せたトラックに向かったが、護衛についていたガトー達の攻撃に撃ち落とされあちらは問題なかった。

 

「やっぱりデプロッグはきついな・・・」

 

フライマンタはともかく重爆撃機であるデプロッグは、フライマンタに比べ装甲は固くザクマシンガンでの射撃に中々落とせずにいた。

 

デプロッグやフライマンタから投下される爆弾を回避しながらザクマシンガンを撃つが、数が多くザク一機ではこれ以上の足止めはきつかった。

 

レーダーでガトー達の方を確認すると、すでにオデッサ基地の近くにおりこちらも退くことにした。

 

「マリオン!あちらはもう問題はないからこちらも退くぞ!」

 

「了解!」

 

俺はザクマシンガンを撃ちながら後退し、マリオンやマゼラ・アタックも後退しながら砲撃したが、それでも敵部隊はしつこく追いかけ攻撃し、俺は被弾し右腕を破壊されてしまった。

 

「大丈夫ですか中佐!」

 

「大丈夫だ。右腕をやられただけだ。」

 

とはいえこれ以上戦えば、こちらがやられるのは目に見えており俺はどうすればと焦っていた時、後方から敵部隊に対しての砲撃が放たれ数機の航空部隊と数台の陸上部隊が撃ち落とされた。

 

「無事ですか中佐!」

 

こっちにガトーとクスコのザクIIJ型が近づいてきた。

 

「二人とも捕虜の方は?」

 

「捕虜は基地の部隊に任せ、援軍を連れてきました。」

 

ガトーの言葉に後ろを見ると、五機のザクIIJ型と六台のマゼラ・アタックが敵部隊に攻撃を仕掛けており、敵部隊はこちらの援軍にこれ以上の戦闘の続行は無意味と考え後退し始めた。

 

どうにか無事に戦闘を終えたことに、俺は安心し基地に戻るのであった。

 

基地に戻って俺は今回の任務での被害が、俺が乗ったザクIIS型の右腕一つと軽傷者が数名という小さな被害に、こちらの陣営に死者が出なかったことに安心した。

 

あの後ガトーやクスコ、マリオンは俺のことを心配していてあまり無茶はしないでくれと怒られてしまい、三人に心配をかけてしまったことに俺は強く反省した。

 

それから今回の任務での捕虜は南極条約に従い、丁重に扱い今は連邦の情報を尋問していると思われるだろう。

 

そう考えながら俺は今回の任務での報告書を作成し、それを司令部に提出し今日は休むことにした。

 

それから数日が経ち、第二次降下作戦が開始されガルマ大佐率いる第2機動師団及び第3機動師団は、北米大陸の制圧に成功しジオンはまた新たな拠点を手に入れるのであった。

 

 

 

 

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