ザビ家末弟の奮闘記   作:ボートマン

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第8話

ガルマからの命令を受けたレイン達は、ガウ攻撃空母とファットアンクルにMSや弾薬などの物資を積み込み、オデッサ基地を発進し北京基地に向かっていた。

 

「調子はどうですか?」

 

レインは軍服の袖を破りまるで海賊のような格好をする男に尋ねた。

 

「なに問題ありませんよ。これぐらいすぐにどうとでもできますよ。」

 

そう答える男の名はデトローフ・コッセル、シーマの副官で階級は中尉だ。

 

当初艦長をシーマに頼もうと思ったが、シーマがコッセルを艦長にと推薦したためだ。

 

シーマが推薦するほどの人物なら問題ないと判断した。

 

「とりあえずは問題ありませんから大佐は休んだらどうですかい?」

 

「休むにしても色々とやらないといけなくてね。」

 

「それは大変そうですね。」

 

苦笑しながら言うと、コッセルは笑いながらそう言った。

 

「それじゃ頼んだよ。」

 

「了解。」

 

艦橋を出たレインは格納庫に向かった。

 

格納庫に到着すると3機のドムに1機のドムキャノンが並んでいた。

 

「やあ、調子はどうだいルーベ?」

 

その内の1機に整備員に指示を出しているルーベを見つけ声をかけた。

 

「ん?問題ないよレイン。いやレイン大佐?」

 

「いつもの呼び方で頼むよ。」

 

「そう?それでどうしたのレイン?」

 

レインとルーベは何気なく話しているがレインが大佐に昇進した時にルーベはなるべく敬語で話していたが、あまりにも似合わなくて笑ってしまった。

 

レインが素で話していいと言った日からお互いに素で話すようになった。

 

「いや、調子はどうだと思ってね。」

 

「そんなの大丈夫だよ。腕によりをかけて整備するからね。」

 

「それは楽しみだな。」

 

ルーベの整備の腕は疑いようがないため安心できる。

 

「それじゃ邪魔になると思うから退散するよ。」

 

「わかった。またねレイン。」

 

「ああ。」

 

手を振って格納庫を去ったレインは用意された部屋に戻る。

 

部屋に入って椅子に座って体を伸ばす。

 

「今のところは問題はないか。」

 

艦内を回って様子を見たが今のところ問題はなかった。

 

「といってもなぁ。」

 

気になるのはガトーの事だ。

 

シーマや彼女の部隊がレインの部隊に加入した際、シーマ達が加入することを反対していた。

 

理由は当然これまで彼女達が行なっていた事だった。

 

義を重んじる彼の性格としては加入する事を反対するのは当然だったが、そういった作戦を命令したのは上の人間であり責任は彼女達には無いと言いどうにか納得してもらった。

 

だが、ガトーはそれでもまだ信用していないようだったので、彼女達の今後の働き次第だろう。

 

「今は考えても仕方ないか。」

 

今考えても仕方ないと思い簡易式のベッドに横になる。

 

「寝よ。」

 

レインは呼び出しが来るまで仮眠を取ることにした。

 

レインが仮眠をとってる頃、偶然会ったシーマとガトーは一触触発の雰囲気が出ていた。

 

「それであたしに何か用かいガトー中尉?」

 

「シーマ少佐、先に言っておく。私は貴様達海兵隊を信用していない。」

 

「はん!はっきり言うね。」

 

「当然だ。貴様らが行ってきた非道な行い許せるはずが無いだろう。」

 

非道な行いと言われ、シーマは一瞬だけ顔をしかめた。

 

「別にあんたに許してもらおうとは思ってないさ。」

 

「もし貴様らが不審な行動をとれば私は躊躇なく貴様らを撃つ。」

 

「そんな堂々と言うなんて笑えるね。」

 

階級はシーマの方が上なのに、撃つと宣言するガトーにシーマは笑っていた。

 

「話はそれだけだ。」

 

言うことを言ったガトーは去ろうとした。

 

「中尉一つだけ言っとくけど、あたしらは・・・あたしらを理解してくれた大佐を裏切るつもりはない。」

 

シーマが言った言葉にガトーは振り返るが、シーマはすでに去っていた。

 

 

そして、仮眠をとっていたレインは扉を叩く音で目を覚ました。

 

「大佐!そろそろ北京基地に到着します。大佐!」

 

呼びに来たのは声からしてマリオンのようだ。

 

「ああ。今いくよ。」

 

パイロットスーツに着替え、寝癖がないか確認してレインは部屋を出た。

 

「それじゃ行こうか。」

 

部屋に前にはすでにパイロットスーツに着替えたマリオンが立っていた。

 

「はい。」

 

二人は格納庫に向かうと、そこにはガトーとシーマの二人がすでに到着していた。

 

「遅れてすまない。」

 

「いえ、問題ありません。」

 

「それでどうするんだい?」

 

「今回の作戦での我が隊の役目は陽動だ。敵の目をこちらに向けている隙を友軍が突くっていう作戦だそうだ。」

 

今回の作戦で使用されるドムはレイン達の乗機しかなく、各戦線への配備は未だ進んでいないためだ。

 

オデッサの鉱物資源を手に入れても加工などで時間がかかるため、量産されたドムは北米にしか配備されていない。

 

そのためレイン達が陽動として敵の目を引き付けている間に、本隊が密かに進軍し基地を制圧するという作戦だ。

 

「なお、クスコ中尉は我々が出撃した後のガウの護衛を頼んでる。」

 

そのためクスコはファットアンクルの方で待機している。

 

「陽動で危険であるが、こっちには頼れる部下達がいるから大丈夫だよ。」

 

「身に余る言葉ありがとうございます。」

 

「そこまで言うならやってやるさ。」

 

「任せて大佐。」

 

三人のやる気は充分といった感じだ。

 

「さて、そろそろ搭乗しよう。」

 

「「「了解!」」」

 

マリオンはドム・キャノンに搭乗し、レイン達はドムに搭乗した。

 

ガウの後部ハッチが開き、レインのドムが前に出る。

 

「出撃する!」

 

ガウから降下し、着地する直前にスラスターを全開にして着地した。

 

他の機体も同様に着地して無事に降下した。

 

そして、ファットアンクルから出撃した一機のザクIIS型とザクJ型とザク・キャノンが近づいてきた。

 

「それじゃあガウはこのまま待機。クスコはガウの護衛を頼む。」

 

「了解。気をつけてください大佐。」

 

ザクIIS型に搭乗しているクスコからの応答を確認して、三機のドムと一機のドム・キャノンは北京基地に進軍する。

 

 

 

一方北京基地ではジオンが攻めて来る事は事前に入手していたが、それでも基地内は慌ただしかった。

 

「早く迎撃態勢を整えるんだ!」

 

「第205機甲中隊は急いで出撃しろ!」

 

「例のアレ(・・)も用意しろ!」

 

オペレーター達は矢継ぎ早に命令を伝えていた。

 

「敵影確認!スカート付きが四機です!」

 

「たった四機だと?」

 

司令部で命令を出していた者達はたったの四機ということに呆気にとられていた。

 

 

レイン達は自分達に向かってくる砲撃をホバー走行で回避しながら北京基地に進んでいた。

 

「いけっ!」

 

レインは迎撃してくるトーチカに向かってジャイアント・バズを撃ち込んで破壊していき、基地の外を嘲笑うかのように動き回っていた。

 

「食いついてくれてるな。」

 

基地から発進した61式戦車やファンファンにフライマンタが続々とレイン達に向かって来ていた。

 

「あとは本隊が制圧するまで時間を稼ぐだけだ。」

 

何事も無く作戦が進むと思っていると。

 

「うわっ!」

 

61式戦車の砲撃やファンファンのミサイルとは違う攻撃に被弾してしまった。

 

「大丈夫ですか大佐?」

 

「ああ、機体に問題はない。」

 

ドムの厚い装甲のお陰で大した損害ではないが、攻撃が来た方向を確認すると見慣れた機体が立っていた。

 

「あれは・・・ザク、だと?」

 

基地からこちらに向かってくる五機のザクにレイン達は目を疑った。

 

「何でザクが敵の基地から出てくんだよ!」

 

ザク・マシンガンを避けながら言うシーマの言葉はこの場にいるレイン達も同様の思いだった。

 

「おそらく鹵獲した機体を使ってるはずだ。」

 

「おのれ連邦め!ザクをあのように辱めるとは!」

 

連邦がザクを使うことにガトーはとてつもなく憤っていた。

 

「だけど、ドムの敵じゃない!」

 

ザクが出てきたことには驚いたが、ドムに比べれば大して敵ではない。

 

問題は61式戦車やファンファンなどによる援護が邪魔だった。

 

「ああもう!鬱陶しいね!」

 

「こんな攻撃で!」

 

「大丈夫かマリオン!」

 

「な、何とか大丈夫。」

 

敵の集中攻撃に押され始めていると、基地の方から爆発が起きた。

 

それと同時に別方向から航空部隊と機甲部隊が攻撃された。

 

「これより援護します!」

 

そう言って近づいてきたのは友軍の信号が出ているザクだった。

 

「どうやら作戦が上手くいったようだな。」

 

味方が撃墜され始めたことに鹵獲されたザクが動揺して、攻撃の手が止まっていた。

 

「一気に墜とすぞ!」

 

「「「了解!」」」

 

敵が動揺している隙を突いてザクを攻撃し、ザクは呆気なく撃墜された。

 

「大佐、どうやら本隊も司令部を制圧したようです。」

 

「そうか・・・。」

 

そして、ジオン公国軍はまた一つ重要拠点を制圧したのであった。

 

 

 




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