すみませんまた、かなり間が空いてしまいました
長い目で見てください
俺は柩を、骸に任せて走る。
ただただ、走る。外に出るために、走る。自由欲しさに、走る。森の中を淡々と、走っていると。いきなり針が、飛んできた。
俺は鞘から刀を抜き、針を弾く。針が当たっていたら、動けなかっただろう。そう思い、周りを見渡す。
こんな事出来るのは、一人しかいない
「いい加減出てきたらどうだ…………朧」
俺はため息をつきながら、そう言った。気配は消せても、殺気は消せてないので、わかった。
「流石と、言うべきか」
朧がこちらに、近づいてくる。
「引き返すなら、今のうちだぞ」
朧が、俺に忠告する。
「それは、俺のセリフだ。邪魔をするなら………斬るぞ」
俺は、朧を本気で殺そうと思っている。別にこいつが、嫌いだからとかではない。まぁ確かに、嫌いだけれども。別に、そういう訳ではない。ただ、殺す気じゃないと、こいつには勝てない。間違いなく相手は、奈落一の実力者だ。
「お前を簡単に行かせる訳には、いかないからな」
「その割には、護衛がいなかったが」
俺は朧に尋ねる。
「私と柩以外は、吉田松陽の処理に向かわせた」
やはりか、少なからず予想していた。明らかに少なすぎると、思っていた。松陽はそういう奴だ。俺たちの為なら、とことん尽くす。全く。
反対に、松陽のすごさを理解する。奈落の兵隊を全部動かすとか、化け物だろ。
「安心しろ吉田松陽は、まだ死んではいない」
「知っている」
簡単に死ぬ人ではない。
「…」
あたりが静まり返る。俺は、そっと黒雨に手を置く。
強い風が吹く。
そして、風がやむ。
キンッ
風が止んだ瞬間、金属音が鳴り響く。
火花が散る。ほぼ同時に動きだし、刀を交える。ここからは、本物の殺し合いだ。油断した方が負ける。だから俺も、本気で行く。
約束のために。
森の中で金属音がただただ鳴る。
「全く恐ろしいな、この歳でこの実力とは」
「どけ」
俺は、無視をしてただ刀を振るう。朧は少し後ろに下がり針を投げる
俺はそれを交わし、近づく。朧は中距離、近距離を得意とする。逆に俺はこの刀のみ。この刀の範囲が俺の攻撃範囲だ。常に近距離で戦わないと、勝機はない。
「お前は、鴉三和になる事が決まったのだがな、残念だ」
「それになれば、外に出れるのか」
刀を交えながら会話をする
「ある程度の権限は貰えるが、自由はない」
「なら意味ねえな」
「相変わらず、剣筋が読めないな」
人には、型というものがある。奈落は、その型のもとに鍛えられる。けれど俺は違う。元々覚えていた型。つまり、転生する前に俺であり、俺ではない誰かの型だろう。俺の型は、型というには、少し棘がある。型というには、収まりきらない。
荒々しい動き。けれど何処か静かな動き。数々の戦闘で、覚えたのだろう。今なら分かる気がする。
人には様々な、型がある。守りをメインとする型。攻撃をメインとする型。色々存在する。それらは、流派に関わってくる。俺の型は、
殺す型
いや、
殺す為の型。
必ず殺す為の、動きを実現する。常に、殺す事を意識する。どう考えたら、殺せるかを考える。ただそれだけの意識が、俺の体を動かしている。この瞬間になると、いつも体がポカポカ暖かくなる。けれど、不思議と頭は冷静で、常にターゲットを殺す事だけを、考えている
「っ!」
朧は、頬を刀でかすらす。雨が降ってくる。冷たい雨だ。俺は気にせず刀を振るう。息すら、惜しい。朧がまた針を投げる。
俺は刀でなぎ払おうとする。けれど木が邪魔で振り切れなかった。針が刺さる。
「体を捻り急所を外したか」
相手は殺しのプロ。俺は、森での戦闘を、行ったことがない。
それが裏目に出た。いつの間にか、木が多いところに、誘導されていたとは。流石としか、言いようがない。地面がぬかるんできた。足が重い。とりあえず、森から抜け出さないと、勝機はない。
と普通なら考えるだろうが、そんなの関係ない。俺は、黒雨を鞘にしまう。そして服から短刀を取り出す。、リーチが、短ければ関係ない。俺は、再び朧に刀を叩きつける。短刀はあまり使わない。けれど、この状況だと仕方がない。今、この瞬間で、慣れるしかない。
朧は、驚いた表情を見せる。けれどそれも一瞬。冷静になり俺の短刀受け止める。
「まさか、短刀を使うとは」
短刀でただ攻撃する、その動きは時間が経つごとに、キレが増している。慣れというものは、恐ろしいもので。短刀での、戦い方をどんどんと吸収していく。一時間は、経っただろうか。時間すら、わからなくなる、この疲労感。殺さないと、自由はない。殺さないと、生きれない。殺さないと、守れない。そして俺は短刀を一か八かで、朧に向かい投げつけた。朧はそれを弾く
「勝負を焦ったか」
「……」
勿論俺は、それを予想していた
すると朧の目の前に、空中に鞘が浮いている
朧は驚いたように、俺を探す。俺は気配を消して、朧の背後に回り、黒雨で首を。
掻っ切る。
一瞬。
一瞬の隙で人は殺せる。
「刀を使わないとは、言ってない」
「世話になったな」
俺は、そう言って膝をついた。疲れが一気にきた。少し、血を流しすぎた。まずい。
雨が激しくなる。
すると聞こえては、いけない音が気がする。
ああ、土砂だ。
あっこれ、死んだな。
俺は気を失った。
シリアスのみ