すんません。
知らない天井だ(二回目)
いや、本当に知らない天井だ。
天井どころか、知らない場所だ。
ここは、どこ?
私は誰?
あなたは、だれ?
冗談が言えるなら、正常だろう。
あのあと、どうなった?
俺は確か〜朧と殺りあって〜、
あっ、土砂崩れがおきたんだ!
雨すごかったもんな〜
ちゃんと交通整理くらいしとけよ、地盤ゆるゆるだろ。
「起きたみてぇーだな」
考えごとをしていると、黒紫色の短髪の男が俺に話しかけて来た。
後ろには、黒髪で長髪の男もいる。
「ここが、何処だか分からねぇって面だなぁ」
「面じゃない桂だ!」
「誰もてめぇーの事なんて、言ってねぇーよ」
この二人は、コントでもしているのか?
目覚めてすぐに、このテンションはきつい。
「おい、ガキが困ってるだろうが、てめぇのせいで!」
「ガキじゃない桂だ!」
「だから、てめぇの事じゃねぇーよ」
「てめぇじゃない桂だ!」
「少し、黙ってろ」
仲がいいのか、悪いのか。
いや、悪いな。確実に悪いなこれ。
「で、お前」
俺?
「何故、あの場所にいた」
「あそこは、情報によると奈落のアジトの近くだぞ」
黒紫の髪の男が俺に聞いた。
そう、アジトから少し離れただけであって、あまり離れられていない。あの場所にずっといたら捕まるのも時間の問題だった。そういう意味では、運が良かったのかもしれない。それより、こいつらが何者かだ。俺たち奈落の情報を持っている。いや、今はもう違うが、奈落のアジトを知っている。正直この、情報があれば一生暮らせるだけの金は貰える。そうしない、理由でもあるのかもしれない。
「待て高杉。相手は子供だぞ、それに今目覚めたばかりだ。色々状況を把握しきれていないだろう」
「んな事分かってる。あの場所に先生がいるかもしれねぇんだ。手掛りが掴めるなら子供だと怪我人だろうと、関係ねぇ」
また、言い合っている。
どうやら長髪の男の名前が桂で、短髪の髪の男が高杉というらしい。
けれど今、高杉という男が言っていた「先生」というキーワードだ。
多分それのせいで、情報を売ったりしていないのだろう。
聞いて見たほうが早い
「先生?」
「ああ、俺たちに手習いをしてくれた人でな」
桂という男が答える。
「名前は?」
「吉田 松陽」
え?
いやまて
吉田なんだって?
聞き間違いか?
いやそんなはずはない。
同姓同名ってやつか?
「ペラペラお前は、喋るな。敵だったらどうする」
「案ずるな相手は子供だ。それとも高杉くんは、ビビっているのか?」
「誰が、ガキ一人にビビるか!お前銀時に似てきたな。何だ?リスペクトしてるのか?」
「銀時じゃない、桂だ!」
「似てるって言っただけだろうが!」
まて、そんな事はどうでもいい。
「松陽……」
「お前!知ってるのか!」
「ああ、」
「松陽は俺の先生だ」
俺は包み隠さず喋った。
松陽の教え子だからか?
いや、違うなこいつら、
少し松陽に似てるからかもしれないな。
普段の俺なら、喋らなかったかもしれない。
けれど今日は、何故か気分が良かった。
「化け物の剣では化け物は切れない…か?」
時々わからなくなる。
自分が誰なのか、わからなくなる。
この気分、前にもあったな。
あれは、確か前世の記憶。
中二の頃、東京喰種を読んでから、おかしくなった。
あれ?
亜人だったかも。
いや、青の祓魔師だったけ?
あ、これ思い出したらダメな奴だ。
俺の心の、パンドラボックスに入れておこう。
俺はそのまま眠りについた。