「いやー君が檻に引っ越してから、一ヶ月が経ちましたね」
「何か、お祝いをしましょうか?」
こいつは今、檻にいるってことを忘れてるのか?
手足を、鎖で繋がれてるやつに、言うセリフじゃない。
「それにしても、一ヶ月というのは早いものです。年寄りになると時間が早く過ぎる感じがします」
二十代後半の見た目の奴が、何言ってるんだか。まぁこいつの年齢知らないから、もしかしたら見た目以上に、年を取っているいるのかもしれない。
そんなことを考えてると、ドアが開く音がした。時間的に食事では、ないらしい。来たのはいつしかの灰色の髪の男、今日もやはり目つきが悪い。
「元気そうだな」
どこがだよ。
俺の手足は、かなり細い。まぁ、食事を十分に取れてないから、仕方ないけど。
「覚えてるか?、あの時いったことを」
確かを組織に入れるとか、どうとかって話だ。子供の俺に、声をかけるということは、よっぽど人員不足なのだろう
「奈落に入ってもらう」
まず一つ聞きたい。
時給は、いくらだ。
これは、あくまでビジネスだ。金が、発生しないとなると論外。メリットが存在しない以上やる意味がない。
「俺に何の得があるんだ」
聞いてみた。
「簡単だ、ここで死なずに済む」
なるほど
脅迫じゃねーか!
絶対一発は、殴ってやる。
「そしてもう一つ、黒雨をくれてやろう」
俺は、言葉に詰まる
黒雨
何も知らないが、直感的にこいつは離してはダメだと、感じた物。
黒雨なんて、聞いたこともないし、見たこともない筈だ。つまり、俺が転生する前に、俺であり俺じゃない誰かが、欲した物なのだろう。
だから、返せなどと言ったのかも、しれない。、
「これも上からの指示だ。刀は斬らなければ、ただの棒だからな」
「わかった」
俺は、ただ返事をした。正確には、返事をするしかなかった。
灰色の髪の男は何も言わず、帰って行った。
「よかったのですか?」
松陽が訪ねてきた。
「何がだ?」
「いいえ、貴方が大丈夫なら問題ないです」
そう言って、松陽はニコリと笑った。俺はそのまま、眠りについた。
「起きろ」
うるさい、起きてる。そう思いながらも、目を開ける。すると予想していたとおり、灰色の髪の男がいた。昨日とちがうのは、部下を二人連れていることだ。いつもなら、あと五分と、言っていたところだが、今日はよく眠れていなく、早く起きていた。そりゃそうだろう、つい一ヶ月前まで一般ピーポだったんだ。いきなり、鴉になれと言われて、寝れる訳ない。
ガチャ
俺が考えてる間に、足の鎖を外された。外されたので、俺は灰色の髪の男の後ろに回り蹴り飛ばした。体が勝手に動いてしまった。確かに、一度殴ってやると思ったけど、こんなところで蹴るつもりは、なかった。それにしてもこの体、身体能力高すぎだろ!
ヤムチャくらいあったんじゃないか。おい、今ヤムチャバカにしただろ!
ヤムチャはなぁ
最強の敵のサイバイマンと、相打ちになった男なんだぞ!
そして今現在。もちろん俺は取り押さえられる。
まぁいいやスッキリしたし。我が生涯に、一片の悔いなし。
嘘です。あります。死にたくありません。
「どういうつもりだ!」
部下の男が、俺に尋ねる。
「一ヶ月も檻にいたんだ、ヤンチャしたくなる」
俺は、そう言って笑った。そう、ヤムチャしたくなった。間違えた、ヤンチャだ。
俺は、笑うしかなかった。それにしても俺、ストレス溜まってたんだな。ストレスは、自身が知らないうちに溜まっている物とは、よく言ったものだ。
「貴様!」
部下が怒鳴り、俺の首を斬ろうとする。
が
「やめろ、構わん」
灰色の髪の男が止めに入った。
驚いた。てっきり斬られると、思ったんだけど。意外と、心が広いのかもしれない。
「ついてこい」
俺は黙って、ついていった。
誤字あったらよろしくお願いしまーす