俺は、今どこにいるかって?
お風呂です。
一ヶ月間も、お風呂に入っていませんでした。笑えない。全くもって笑えない。一ヶ月だぞ!車の免許だって取れる。
考えても見ろ。夏休み丸々、お風呂入っていないという事だぞ。
ふざけすぎだ全く。
そんなわけで、やっとお風呂に入れる。
脱衣所で、ボロボロになった服を脱ぐ。
かなり、ボロボロだ。
街中で、プロレスラーに絡まれた後に、バイクで引かれた感じの服だ。ちょっと、何言ってるか、分からないかもしれないが、そんな感じの服だ。
俺は、どうでもいいことを、考えながら浴槽の扉を開ける。やはりちゃんとしている。沢山の人が、ここを利用するのだろう。脱衣所も、しっかりしていたので、予想はしていた。一言で言えば、千と千尋に出てきそうな感じだ。まぁ、和風という事だ。俺はまず、体を洗おうと思い、洗い場の前の椅子に腰を下ろす。すると、鏡の中の子供と、目が合う。
そういえば、俺は自分の顔を、見たことが無いと思い、鏡を見つめる。少し曇っていたので、シャワーで鏡を流す。黒髪、黒目の美少年だ。
フッ
勝った
人生は、顔だ。どんなに運動神経が良くても、顔がコイキングだったらモテないし。どんなに頭が良くても、顔が、某北の国の人なら、嫌われる。俺の前にいた世界は、実にわかりやすかった。俺の今の顔は無表情だが、誰が見ても美少年と、言うだろう。俺はそんなことを考えながら、自分の目を見る。濁っている気がした。あの時言われたことを、思い出す。
「人殺しの目」
俺は、人殺しの目を見たことがないから、知らないけど。実際こんな感じだろう。彼女が言ったことも、納得してしまう。
俺は、シャワーで一ヶ月間の汗を流す。シャンプーを大量に使い、髪を洗う。
そして、ふと思う。
江戸時代にシャンプーってあるの?
いや、その前に廊下にあった電気、ここにあるシャワー。よく考えたら、江戸時代に、ないものだもしかしたら、俺の知ってる江戸時代と、かなり違うのかもしれない。まぁ、宇宙人いる時点、かなり違うけど。あまり江戸時代という概念に、囚われてはいけないのかも、しれない。
そして、俺はお風呂から上がる。すると着替えが置いてあった。
黒い着物だ。
奈落の制服みたいな、物なのだろうか。俺はそれに着替えて、廊下に出る。すると、灰色の髪の男が壁に背を向け、立っていた。
「いくぞ」
男がただそう言った。俺は、ただ着いて言った。
男が途中で立ち止まる。
「お前は今日から夜城《ヤシロ》と名乗れ」
俺は、ただ頷いた
たどり着いた場所は、中庭だった。中庭には、子供が三十人くらい整列していた。よく見ると、食事を持ってきてくれた、彼女もいる。
「今日は、ここで行う」
男がそう言ったが、誰も返事をしない。
嫌われてるのか?
あとで、缶コーヒーでも奢ってやるか。
「お前たちが行うのは、殺しではなく暗殺だ、そこのところはよく理解しておけ」
人に笑顔で、胸を張れる暗殺をしましょう。
心の中でそう呟いた。
今から組手をやらされるらしい。子供二人が向かい合っている。どうやら始まるらしい。
「始めろ」
男がそういうと、組手を始める。
お互い、胸元からナイフを取り出す。
ナイフでお互いを斬り合う。
一人が頰を斬られる。もう一人が耳をかすらせる。実力は、互角だろう。
それより。
あれ、本物のナイフ?
そう、こいつらは本物のナイフで、斬り合っている。
頭がおかしいとしか、言いようがない。
考えてる間に、一人が足を滑らせた。
その隙をもう一人が逃すはずがなく、首を
掻っ斬る
一人は死んでいて。
もう一人が返り血を浴びていて、死体を見て立っていた。
周りも何も言わずに、立っていた。
俺もその一人だった。
俺は人が死んでもいても、涙は出なかった。
俺は、あいつが言ったとおり、人を殺しているのかもしれない。
そう思った。
そう思わざるを得なかった。
「次」
灰色の髪の男がそう言った。
「次、夜城、骸」
俺は、呼ばれて前に出た。骸と呼ばれたのは、あの時の少女だった。
「始めろ」
誤字あったら言ってください