黒魂   作:枯れ木の小説

4 / 12
ゴリラに尻尾はない


訓練

俺は、今どこにいるかって?

 

お風呂です。

 

一ヶ月間も、お風呂に入っていませんでした。笑えない。全くもって笑えない。一ヶ月だぞ!車の免許だって取れる。

考えても見ろ。夏休み丸々、お風呂入っていないという事だぞ。

ふざけすぎだ全く。

 

そんなわけで、やっとお風呂に入れる。

脱衣所で、ボロボロになった服を脱ぐ。

かなり、ボロボロだ。

街中で、プロレスラーに絡まれた後に、バイクで引かれた感じの服だ。ちょっと、何言ってるか、分からないかもしれないが、そんな感じの服だ。

 

俺は、どうでもいいことを、考えながら浴槽の扉を開ける。やはりちゃんとしている。沢山の人が、ここを利用するのだろう。脱衣所も、しっかりしていたので、予想はしていた。一言で言えば、千と千尋に出てきそうな感じだ。まぁ、和風という事だ。俺はまず、体を洗おうと思い、洗い場の前の椅子に腰を下ろす。すると、鏡の中の子供と、目が合う。

そういえば、俺は自分の顔を、見たことが無いと思い、鏡を見つめる。少し曇っていたので、シャワーで鏡を流す。黒髪、黒目の美少年だ。

 

フッ

 

勝った

 

 

人生は、顔だ。どんなに運動神経が良くても、顔がコイキングだったらモテないし。どんなに頭が良くても、顔が、某北の国の人なら、嫌われる。俺の前にいた世界は、実にわかりやすかった。俺の今の顔は無表情だが、誰が見ても美少年と、言うだろう。俺はそんなことを考えながら、自分の目を見る。濁っている気がした。あの時言われたことを、思い出す。

 

「人殺しの目」

 

俺は、人殺しの目を見たことがないから、知らないけど。実際こんな感じだろう。彼女が言ったことも、納得してしまう。

 

俺は、シャワーで一ヶ月間の汗を流す。シャンプーを大量に使い、髪を洗う。

 

そして、ふと思う。

 

 

 

 

 

 

江戸時代にシャンプーってあるの?

 

いや、その前に廊下にあった電気、ここにあるシャワー。よく考えたら、江戸時代に、ないものだもしかしたら、俺の知ってる江戸時代と、かなり違うのかもしれない。まぁ、宇宙人いる時点、かなり違うけど。あまり江戸時代という概念に、囚われてはいけないのかも、しれない。

そして、俺はお風呂から上がる。すると着替えが置いてあった。

黒い着物だ。

奈落の制服みたいな、物なのだろうか。俺はそれに着替えて、廊下に出る。すると、灰色の髪の男が壁に背を向け、立っていた。

 

「いくぞ」

男がただそう言った。俺は、ただ着いて言った。

 

男が途中で立ち止まる。

 

「お前は今日から夜城《ヤシロ》と名乗れ」

俺は、ただ頷いた

 

 

たどり着いた場所は、中庭だった。中庭には、子供が三十人くらい整列していた。よく見ると、食事を持ってきてくれた、彼女もいる。

 

「今日は、ここで行う」

男がそう言ったが、誰も返事をしない。

嫌われてるのか?

あとで、缶コーヒーでも奢ってやるか。

 

「お前たちが行うのは、殺しではなく暗殺だ、そこのところはよく理解しておけ」

 

人に笑顔で、胸を張れる暗殺をしましょう。

 

心の中でそう呟いた。

 

 

 

 

今から組手をやらされるらしい。子供二人が向かい合っている。どうやら始まるらしい。

 

「始めろ」

 

男がそういうと、組手を始める。

 

お互い、胸元からナイフを取り出す。

ナイフでお互いを斬り合う。

一人が頰を斬られる。もう一人が耳をかすらせる。実力は、互角だろう。

 

それより。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ、本物のナイフ?

そう、こいつらは本物のナイフで、斬り合っている。

頭がおかしいとしか、言いようがない。

考えてる間に、一人が足を滑らせた。

その隙をもう一人が逃すはずがなく、首を

 

 

掻っ斬る

 

 

 

 

一人は死んでいて。

もう一人が返り血を浴びていて、死体を見て立っていた。

周りも何も言わずに、立っていた。

俺もその一人だった。

俺は人が死んでもいても、涙は出なかった。

俺は、あいつが言ったとおり、人を殺しているのかもしれない。

そう思った。

そう思わざるを得なかった。

 

「次」

 

灰色の髪の男がそう言った。

「次、夜城、骸」

俺は、呼ばれて前に出た。骸と呼ばれたのは、あの時の少女だった。

 

「始めろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




誤字あったら言ってください
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。