新人アークス、アウル【完結】   作:フォルカー・シュッツェン

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初めてのレンジャー

あれから1週間ほどが経った

オラクルに来てから結構な時が経ったおかげか、フォトンが身体に馴染み、射撃が出来るようになっていた

そこで今日は試験的にクラスをレンジャーという射撃クラスに変更し、任務に出ていた

ちなみにユカミはガンナーというもう1つの射撃クラスを主に使用している

レンジャーはライフルとランチャーを扱い中距離から遠距離戦闘を、ガンナーはツインマシンガン(二丁短機関銃)とライフルを扱い近距離から中距離戦闘を行う

ライフルなら私もそこそこ使用経験はあるが、フォトンを弾として扱うのでやはり勝手が少し違う

とは言えそこまでの差はない

基本的にはマガジンにフォトンの弾丸を込め、それをセットして撃つ

マガジンが空になったらリロードを行い、新しいマガジンをセットする必要がある

違うのはまず排莢がないこと

フォトンの弾であるためそもそも薬莢を必要としない

薬室に邪魔な物が残ることはないので排莢という考えそのものがない

そして持ち込むマガジンの数が非常に少ないこと

マガジンが空になろうとも身体のすぐ近くに、ポーチなどにしまっておけば纏ったフォトンにより自動的に弾を補充できる

ライフルに直接フォトンを送って撃ち続けることも可能だが、自身に負担がかかってしまうので延々と撃ち続けることは出来ない

主な違いはこの2点

フォトンの弾丸は形や大きさを変えることが可能なため、ある程度その場の状況に合わせた弾を用意することが容易に出来る

勿論、持っているライフルの構造によって制限はあるが

中にはスナイパーライフルのような大きなライフルで一撃の威力を強くする者もいるようだ

それでいてフルオート射撃も出来るというのだから恐ろしい

当然射手への負担は大きくなるだろうからそうそう気軽に出来ることではない

 

今回私は2つのライフルを用意してもらった

1つは標準的な性能のライフル

そして先の話に出てきたかなり大振りのライフルだ

こうも極端な物を持たせたのは、どちらの方が私に向いているのかを知るためだ

通常であれば素人がいきなり大きな銃を渡されても持つだけで大変だし構えることも出来ないが、私なら大丈夫だろうと判断したようである

 

私は大きい方のライフルを持ち、歩みを進める

場所は惑星リリーパの砂漠

砂漠と言っても砂しかないわけではなく、大地のある箇所も多いので歩くのに不便はない

結構大きな岩がある以外には遮蔽物も殆どないので狙いやすいし、この岩は身を隠すのにもってこいだ

リリーパには機甲種と名付けられた様々な機械達がいるのだが、砂漠地帯にはほぼ出てこない

代わりにダーカーが多く出現するため、武装の性能調査や今回のような場合には都合が良いようだ

因みにユカミはバックアップを担当してくれているので、同行はしていない

しかし…やはり大きすぎではないだろうか、この銃は

いくら私が高身長とは言え、対物ライフルの中でも大きいサイズの銃を個人に携行させるとは思わなかった

どんな素材で作られているのかは不明だが、地球のそれよりも軽いからまだいいが

そんなことを考えているとユカミから通信が入る

 

『前方2000m付近にダーカーの反応があります。注意して接近、射撃をお願いします』

「ここから狙撃するのは?」

『構いませんが、出来ますか?』

「やってみないことにはなんとも、ですね」

 

私は近場にある岩に登り片膝をつく

そのまま見降ろすようにライフルを構える

スコープを覗き、対象を見る

地球では700mのスナイプであればそこそこ命中させられるが、今回はその3倍ほどの距離がある

普通ならただ無謀なだけだが、何も考え無しにやろうと思った訳では無い

アークスの使う弾丸はフォトンであるため、使用者の力量にもよるが風などの影響を殆ど受けない

更に勢いが衰えて途中から放物線を描くこともない

つまり射程距離内であれば、放たれた弾丸は真っ直ぐに飛んでいく

この大きさだ、これなら地球のものでも射程距離3000mほどありそうだ

アークスの技術力を考えればもっとあるかもしれない

後は正確に銃口を向けてやれば良い

…よし

狙いは定まった

私は落ち着いてトリガーを引く

射撃音は思ったより小さく、重い音だった

放たれた弾丸は目標へ向けて飛んでいき、見事命中した

1発とは言えかなり威力の高い弾を受け、身体に穴が空き、霧散する

貫通した弾丸はそのまま地面に直撃し、大きく穿つ

残った数体のダーカーは混乱しているように見える

攻撃を受けたことは分かってもどこから、何で攻撃されたのか理解不能なのだろう

後で聞いた話だが今の私のようにスナイプショットを行うアークスはかなり稀である

だからこそ余計に何をされたか分からないようだ

しかし一撃の威力が大きいのは分かったが、これでは手間がかかる

フルオート射撃はこの大きさでは取り回しの面でやりづらい

少なくとも個人で任務に当たる場合には不向きだろう

扱うアークスが少ないのにも納得がいく

これなら取り回しがしやすいアサルトライフルの方がずっと楽だ

私はライフルを持ち替え、残ったダーカーへ接近する

ダーカーとの距離100mほどの場所で私は岩場の陰に隠れ、様子を窺う

まだこちらには気付いていないようだ

私はスタングレネードを取り出し、投げる

上に投げたグレネードは放物線を描き、ダーカー達の足元へ落ちた

次の瞬間爆発が発生、モロに受けたダーカーはスタン状態になり動けなくなっている

この隙を逃す手はない

私は岩場から飛び出して一気に接近、残ったダーカー達へ撃ちまくった

忽ち辺りには静寂が訪れる

やはりこの方が手っ取り早い

しかし接近しすぎた感じはする

普通アサルトライフルを扱うならそれなりに離れたところで撃つものだが、今私は最終的に10mほどの所まで接近してしまっている

例え銃を持っても接近したがる私にはレンジャーは向かないだろうか

ま、いいか

数日後にはガンナーを試験的に使用する機会もあるし、まだ始まったばかりだ

私はユカミに通信を入れ、任務を続行した

 

しかし私はこの後に最悪の出会いをすることになる

なぜ試験的に設定したクラスで試している時に出会うのやら…

前方に捉えたソレを見て私は溜息をつく

しかし文句も言ってられない、やらなければやられるのだ

私はライフルを構える

ソレの咆哮と私の銃撃が同時になされ、戦いの火蓋は切って落とされた

 

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