翌日、私達は緊急招集を受けて会議室に集まった
シエラや六芒均衡の面々までいるが何があったのだろうか
シャオが室内を見渡し、話し始めた
「集まったね、じゃあ早速本題に入らせてもらうよ。アースガイド本拠地への突入を控えているけど、タイミングの悪いことに深遠なる闇が復活する兆しを観測した。奴を倒さなければこちらの宇宙が終わる、後回しにすることは出来ない」
「うっわぁ…最悪じゃん」
ミシャーが不平を漏らす
それもそうだろう、深遠なる闇ともなればまず間違いなく守護輝士であるミシャーとマトイは出撃しなければならない
六芒からもヒューイとレギアスが出撃し、残りは他惑星や万が一アークスシップ襲撃に備えて予備部隊として待機することになる
つまりアーデムとの決戦に守護輝士抜きで挑まなければならない
中々きついことになった
「現状を考えるとアースガイド本拠地への突入の日を遅らせることもまた出来ない。そんなことをすれば最悪地球側の宇宙が終わってしまうかもしれないからね。よって不本意ではあるけれどこの2つの事態へ同時に対応することになる。ミシャーはオラクル、アウルには地球での現場指揮を任せたい。良いかな?」
「は〜い」
「ええ、構いません」
「ありがとう、恩に着るよ。僕は地球側、シエラがオラクル側の問題へ対応する。報告や要請、指令等は別々に行うから間違えないようにして欲しい。僕からは以上だ。何か質問はあるかい?」
「一つだけ良いですか、シャオ?」
私はシャオに聞く
許可を取りたいことがあるのだ
「なんだい、アウル」
「実は私が作ろうとしている新クラスはもう運用が可能なレベルに来ています。ですが認可されていませんし、認可されていないものを使うのは規則に反します。しかし此度の決戦ではそんなこと言っていられないかもしれません。なるべく使わないようにはしますがもし使わざるを得ない状況になったとき、使っても良いかどうかを聞いておきたいと思いまして」
「なるほどね。確かに通常であればそれは許可出来ないし、規則を破れば罰も下る。だけど今回は状況が状況だ、許可するよ。皆の命には変えられないからね」
「分かりました、ありがとうございます」
許可は取った
もしもの場合は迷うことなく使おう
「他にはないかな。それならこの場は終了とする。この後それぞれで当日のことを話し合おう」
その言葉を最後に解散となった
1時間後にまた集まって話をすることになる
退室し、一旦帰ろうとしているとミシャーが話しかけてきた
「ねぇアウル、貴女新クラス作ろうとしてたの?」
「ええ、まぁ。色々なクラスに触れてみましたがどうにもしっくり来なくて。その事を相談したら私の戦い方に合うクラスを作ってはどうかと言われたので」
「なるほどねぇ…認可されたらさ、私にも教えてよ」
「う〜ん…おそらく認可されないと思いますけど」
「え、なんで?」
「アークスの戦い方とは全然違うからです。これは地球に伝わる様々な武術と呼ばれるものを解体、混合させたもので最早私の我流になってすらいるんですよ。そこにただフォトンを組み合わせただけのものでして…認可されたとして、使いこなせるアークスは流石にあと何十年か経たないと現れないと思います」
「そっかぁ、残念。じゃあ皆が使えるように簡略化するとかしないと無理なんだ」
「そういうことです。それにそもそも誰かが使えるようにするつもりもありませんしね」
「それは…あの殺気と関係あるのかな?」
「えぇ。私のこれはただ人を壊すだけのものですから。そんなものを誰彼構わず扱えるようになどするわけにいきません」
「それもそうだよね〜。あれ、じゃあなんで新クラスとして…」
「あくまでも体裁です。そうしないと本当にただの規則違反にしかなりませんから」
「そっか」
その後私達は別れ、私はマイルームへ戻った
留守番を頼んでいたユカミに事情を話し、私は着替えた
スニーキングスーツのようなもので、オラクルの技術を以て作られているため地球のものよりフォトンに関する性能がずば抜けて高い
更に衝撃を吸収する機能や体温調節機能などがある
勿論身体の動きを阻害することは一切ない
右脚にホルスターを取り付け、銃を装備する
左脚にはナイフを
創造神には効かないだろうが、道中で邪魔をしてくると思われるオフィエルやその他のエネミーには有効だろう
なにも今すぐ決戦へ向かうわけではない
しかし少しでもこの格好に慣れるためと他のメンバーに見せて把握してもらう目的で着た
まぁスニーキングスーツ自体は着慣れているし着心地が地球のものより良いので慣れる方は問題ない
ただ身体のラインは綺麗に出てしまうので地球組が気にしてしまう可能性はある
炎雅は男だから特にだ
戦場では少しの余所見が命取りになる
こうして準備を終えた私はユカミと共に会議室へ戻った
皆最初こそ驚いたが理由を説明すると納得してくれたようだ
だがやはり気になるのか炎雅は気まずそうにしていた
意識してこちらに目を向けないようにしているのが丸わかりである
普段ならそれで構わないし紳士だと思うが今はそれでは困る
慣れて気にならなくなって貰わなければならない
先に見せておいて正解だったようだ
その後、作戦会議をして突入の段取りを決めた
変わらず現場指揮は私で、細かなことは私がその場で判断する
樒は副官のようなポジションで、私の補佐役に任命された
ユカミはハイキャストであることを利用し、通信とモニターをより高精度で行う為に彼女を媒介して行うことになる
シャオが常に現場の映像と音声を把握し、急な事態でも説明することなく判断を下せるようにするためだ
その分戦闘能力は落ちるが、万が一のことを考えるとその方が良いだろう
そうして話を進めていると樒が口を開いた
「一つ提案があるのだが、いいだろうか」
「大丈夫だ、なんだい樒」
「突入の日まではまだ時間がある。その間私達は互いの技術向上、何よりお互いの実力を知る為に模擬戦を行うのはどうだろうか」
「ふむ…それは良いかもしれないね。アウル、君はどう思う?」
「とても良いと思いますよ。指示するのにも各々の力量を知っていた方が都合が良いですし、ついでに私の戦い方を見せることも出来るでしょうから」
「よし、では許可しよう。後で場所の手配をしておくよ。火継と氷莉は戦い始めてまだ日も浅い、炎雅だって2人よりは長いくらいだろう。この姉妹から教われることは多いはずだ」
「それはそうだけどよ…なんかかなりスパルタな気がするんだよなぁ」
「まぁ状況が状況ですしね。時間があると言っても豊富にあるわけではありませんし、多少厳しくしないと短時間での向上は図れませんから」
「なんか、ちょっと怖いかも」
「ヒツギちゃん、私達大丈夫かな?」
「心配するな。突入を前にして怪我をされても困るからな、そこら辺はちゃんと調整する」
「ううぅ…目が怖いよぉ……」
「…すまない、怖がらせる気はなかったんだ」
そんなこんなで模擬戦及び特訓をすることが決まった
樒は銃の扱いを知らないので必然的に炎雅への指導は私が行うことになる
火継と氷莉には樒が教え、ユカミは剣速や着弾の散布具合を計測する形で協力してくれる
取り敢えず指導内容を考える為にも今の実力を知りたい
早速模擬戦用の場所へ向かうことにした