話に花を咲かせている両親達から離れ、カリオンに連れてこられたのは綺麗な花が咲いている所であった。
「おっほ...」
「ここは俺様のお気に入りの場所だ。花の名前とかは知らないけどな!他の奴らには秘密だからな!」
他の奴らに秘密だとか言われても友達なんていないですし...こらそこ!ぼっちとか言わないの!!
この世界には伝える手段が無いから先祖とか長い間生きてきた人達に聞いたりするしかないもんね。この世界に本とかないし。
関係ないけど花が美味しそう。サクッと鑑定解析してみましょ。
《 植物名 フィリアスの花
花弁は白く、蜜は青色をしている。美の象徴とされる程の美しさを持つ。しかし蜜には毒があり、蜜を少しでも舐めた場合最初のうちは甘く感じるが段々燃えるような感覚になるり、苦しみを味わいながら死ぬ。》
だんだん説明が面倒くさくなってきているのが分かっちゃうね。
「ねぇカリオン。これは絶対食べちゃだめだからね」
「...?分かった」
頭の中にはてなマークが浮かんでそうだけれど大丈夫だろう。
んー、そろそろ戻った方がいいかな。親が心配しだすし。
カアカアと鴉が煩く空で泣き始めている。
空を飛べるっていいよね。いちいち歩かなくても良いし、自由になれるんでしょう?
サクサクと道を歩く。この道は獣達が歩くようで猪の足跡などが残っている。私は肉より野菜派かな。
お母様達が見えてきましたワー。
「泊まっていかなくて大丈夫?」
「大丈夫だよ兄さん。襲われても殴り返せば問題ないから。」
「本当に大丈夫?」
なんか心配性のお母さんと女子高生みたいな会話だね。
てか殴り返すってあなた本当に女性なんですかぁ!?
......女子高生とは何ぞ?まぁ、日常生活に支障はでないから気にする必要も無いかな。
やがて、ガタンと云う音ともに人力車がやってくる。暗い中お疲れさまです。
人力車に乗り込み、後ろを振り返る。
「それじゃあカリオン、また。」
それだけ言うと、家に帰るべく人力車が動き始める。
人力車の中で両親と話しているうちに思った。お父様がすごい空気だったな ...と。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
家に着いたのはいいんだけど、なんか目眩が するし、酷い頭痛もする。それに、夢でも見ているような気分になる。
吐き気を催しながらも何とか自室にたどり着き、ベッドに倒れ込んだ。
見ている世界は暗くなり、だんだんと夢の中へと入ってとある人間と出会うことになる ......
急展開すぎる...