(没作品集) 異世界転生譚-1st. World Trigger   作:無狼

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第3話-1.イニシエよりカナタへ/巳の刻

巳。十二支第六の歳神を司り、火行と陰の性質を帯ぶ。

 

かつて稲荷神、仏教、神道、八百万信仰と俗世が流れ行く中で、土地神としての性質や長寿、水の神に喩えられることが多く。

ある場所では湯治の神。ある場所では弁財天の御使。

ある場所では山岳の神。ある場所では災難の守神。

ある場所では宇賀福神。ある場所では氏の神。

特に白肌を持つ白蛇は白虎、白狐、狛犬(沖縄の狛犬も含む)、など白にあやかった御使の流れを汲み取り、神聖なものとして扱われる。

蛇は脱皮を繰り返し大きくなっていくものであり、転じて……

 

 

 

 

 

 

滅びゆく山守神社。

御神体の櫓に縋る人の子。

灰色とも暗紫色とも見て取れぬ不吉な空。

空のガラスが破片となって砕け散り、

世界の終わりを告げる。

 

 

 

地に殺戮と破壊の化身。空に終の様相。

山は自壊し、川は枯れ、鳥は灰塵になってゆく。

もはや全てが意味をなさなくなる。

 

 

 

人は絶望を覚え、ほつれた糸が切れて倒れこむ。

御神体に祀られし神はただ、見つめるしかなかった。

 

 

すしい

まなは

ふにけ

術罪な

ななき

しし童

。、、

 

 

 

 

、、、

、、、

、、、

ここは。

 

どこだろう。

 

わからない。

 

わたしは、

人の子も、

鳥も、

猫も、

犬も、

木や、

草も、

空も

虫も、

何も、

いない。

 

ここは、

 

どこだろう。

わたしの愛した三門は、

 

何処なのだ。

 

あぁ、

暗い。

暗い、暗い、、、

 

わたしは、

きえるのか。

いっそこのまま

 

 

、、、。

---

不意に何者かが空から降り落ち、

桜の咲き誇るどこかの森の中に堕ちる。

その者は姿すら消えかかり、輪郭もおぼろげ。

誰もいない。

誰もいない桜が舞い散る桜吹雪に埋もれていくようにー

 

「あら? 誰かしら。こんなところで寝てるなんて。」

「あー、面倒くさい…ん、こいつ何かおかしいわね…」

 

緩やかでひらひらと動きやすく緋いスカートと、

肩と脇が露出した赤と白の和装は一見すれば、

もしかしたら巫女に見えるかもしれない。

 

現代の少女とも当時の妙齢の女性とも見て取れる、

女がそこにいた。

 

肩・腋の露出した赤い和服とは別に袖を付け、

後ろ頭に模様のある大きな赤いリボンを結んでいる彼女は、

黒くしっとりとした艶のある黒髪で茶色の瞳をしている。

なによりも彼女の目には、"赤く"燐光を帯びていた。

 

「…なにコイツ。明らかにおかしいわね、」

「清らかなはずなのに異質な存在感。消すべきかしら…?」

彼女は"本気で"大幣を握りしめ、何かをしようとした。

 

「…はぁ。」

「嫌だな、かといって。」

「このままはなーんか面倒になりそうだし…」

 

ただ、櫻の境内が辺りを彩るも、

場違いな一本木の落葉松が花を咲かせていた。

 

 

 

-----≪ δ η α g η μ м я ο j ≫-----

“Α sοℓδιεя ςℓεαηs αηδ ροℓιsнεs α gμη”

 

“Ωαя βεℓℓοωs βℓαζιηg ιη sςαяℓετ βατταℓιοηs ”

 

“Gεηεяαℓs οяδεя τнειя sοℓδιεяs το κιℓℓ”

 

“Αηδ το ƒιgнτ ƒοя α ςαμsε τнελ'vε ℓοηg αgο ƒοяgοττεη”

-----≪ δ η α g я α η α v ≫-----


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