双嵐   作:文月りんと

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10.双嵐

『ふははは! 様々なライダーの力を身につけた我が輩の力にひれ伏すがいいで

おじゃる!』

『トォーッ!』

V3はアマダムにめがけパンチを繰りだした。

『お、おい! そこのミドリ! 人が話しているのに、攻撃してくるなんてあんまりでおじゃるぞ!?』

『うるさい! 知るか! 第一おまえは、人じゃないだろ!』

龍騎もV3に負けじとパンチやキックを繰りだす。ダブルライダーの猛攻をアマダムは捌ききれない。

『ぐぬぬぬ。…あっ、そうでおじゃる!』

何かを思いついたアマダムは、手下を呼ぼうと呪文を唱えはじめた。

『そうはさせない!』

龍騎はカードデッキから一枚カードを引き抜くと、カードそのものが炎を纏いはじめた。バイザーに差し込み、電子音と音声が鳴り響く。

 

【サバイブ】

カードを覆っていた炎が龍騎の身体に、そして、空中のドラグレッダーもまた、炎を覆っていく。龍騎は龍騎サバイブへ、ドラグレッダーはドラグランザーへと進化した。

『さぁ、いくぜぇぇ!!』

龍騎が持っていたバイザーも龍騎同様に銃型のバイザーへと変化している。

再び龍騎はカードデッキから一枚カードを引き抜くと、バイザーに差し込んだ。

【ソードベント】

『ドォリャァァァ!!』

龍騎は目にも留まらぬ速さでアマダムを斬りつけた。斬りつけた箇所から虹色の球が飛び出した。

『ガアァァッ!! せっかく集めたイノチが!!』

虹色の球はアマダムから離れると、人の形を形成していく。どうやらこの世界に連れて来られた人間のようだった。

『グゥゥゥッ!! こしゃくな真似を!!』

アマダムが怯んだ隙を龍騎サバイブは見逃さなかった。

『風見さん、今だ!』

 後ろで待機していたV3はジャンプし、アマダム目がけて必殺キックをお見舞いする。

『よし! V3ィィィドリルキィィィック!!』

『まだだ! まだ我が輩は負けんッ!!!』

強固なアマダムの装甲だったが、V3の攻撃で亀裂が入った。

『何度でもお見舞いしてやる。城戸、今度は二人でアイツに引導を渡してやるぞ!』

『元よりそのつもりだ、風見さん!!』

V3と龍騎サバイブはお互いに頷く。龍騎サバイブはまたもカードデッキから、カードを引き抜き、持っていたバイザーに差し込んだ。

【ファイナルベント】

『トォーッ!!』

龍騎サバイブ、V3がそれぞれジャンプし、ドラグレッダーが二人を追うように追随していく。そして、ドラグレッダーの口から、二発の火球が二人を後押しするかのように発射された。

 

『ドオオオオリャァァァァ!!』

『スクリューキィィック!』

 

それはまるで二つの赤い光線のようにも見えた。

『バカナァァァァァァァッ!!!!』

ダブルライダーキックの直撃を食らったアマダムの身体が崩壊していく。

『そ、んな。我が輩が負け…』

それがアマダムの最後のセリフだった。巨大な爆発と共に、アマダムの身体から、多数の虹色の球が解放されていく。

『良かった。みんな無事みたいだ…』

『城戸! 休むのはもう少し後だ』

空を見上げると、自分達のいるニューミラーワールドにも亀裂が入っていく。

『そうか、この世界も保たないのか!』

『あぁ、一刻も早く脱出するぞ!』

『とはいうけどさ、俺は何とかなるけど、風見さんや捕まっていたみんなをどうやって連れてったらいいんだ?』

『…それはきっとアイツが知っているさ。城戸、みんなを集めて待っていてくれ』

V3は龍騎サバイブにこの場を任せ、先程のブティックがあった場所へ駆け出した。


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