施設に乗り込んだ敬介、巧、海堂の三人は、夜になるのを待っていた。
敬介が考えた作戦は、夜に施設に潜入し、オルフェノクの王の血を探し出し、実験で必要になる機材の破壊をする事が目的だった。巧と海堂の二人はそこにいるであろう、オルフェノクの王と共に影山冴子とも決着をつける気でいた。
「さて、何が現れるかだな…」
「鬼が出るか蛇が出るかってか? ちゅうか俺様こそが蛇なんだけどな」
「おい、二人ともあまりお喋りをしてるヒマはなさそうだぞ」
敬介が巧と海堂にそう告げると、施設の周りからぞろぞろとマスカレイドドーパントが現れた。
「神さん、アイツらが戦闘員ってヤツなのか?」
「あぁ、そうだ。……ん?」
敬介は見たことのある怪人が施設内から現れるのを目にした。
「ヤツは、コウモリフランケン!? いや、違うな…」
敬介が過去に戦ったGOD機関という組織に所属していた怪人に似ていた。だが、あの時の姿ではなく、背中の大砲が近代的な兵器へ変貌しており、その力も未知数だった。
「なぁ、すぐに乗り込むか? なぁ巧。…巧?」
後ろを振り向くと、巧がいない事に気づいた。
「あのバカ、先行するなとあれほど言ったのに!」
施設の研究室に一人乗り込んだ巧は、目的のものを探していた。棚や机の引き出しを開け、関連する書類や王の血を探すが見つからない。
「そう簡単には見つからないよな…」
その時、けたたましいサイレンが鳴り響く。
「!? チッ、もう見つかったのか!」
そう言うと、窓ガラスが割れ、何者かが現れた。
『痛ててて…』
「海堂? おまえ、大丈夫か?」
巧の前に現れたのは、弁髪のような頭をしたスネークオルフェノクだった。
『巧、ここにいたのか! よし、俺様はエビ女を探す。ちゅーわけで、あの大砲野郎の相手はおまえに任せるからな! 頼んだぞ!!』
そう言うと、海堂は通路へ向かって走って行った。
「おい! 海堂!? …ったくなんなんだよ」
直後、背筋に悪寒が走る。振り返った先に何者かがいる。危険を察知し、巧は無言のまま、持っていたファイズドライバーをケースから取り出し、装着した。
ファイズフォンから電信音が木霊する。
【STANDING BY…】
そして、555のコードを入力し、中央のバックルに装填する。
「変身ッ!」
【COMPLETE】
赤のラインがベルトから身体を包み込んでいく。
巧は仮面ライダーファイズへと変身を遂げた。手首をスナップさせ、勢いよく振り向くと、すぐに敵へと突撃していった。