双海   作:文月りんと

5 / 8
新潟県 養護施設内


7.衝撃

既に戦闘が終わった後なのか、スネークオルフェノクは地面に倒れていた。

『ちくしょう、情けねぇなぁ…』

ロブスターオルフェノクが繰りだした白刃の猛襲により、スネークオルフェノクは敗れてしまったようだ。ロブスターオルフェノクはスネークオルフェノクの近くへ座り、耳元で囁いた。

『ウフフッ。久しぶりに会ったと思ったら、いきなり攻撃してくるんだもの。積極的なのはいいけれど、私も体が反応しちゃったわよ?』

『海堂! 大丈夫か!』

『だぁー、もう遅せぇぞ、巧!』

施設内にファイズとXライダーがやってきた。スネークオルフェノクは、蓄積されたダメ―ジで身動きできないようだったが、威勢だけはまだ衰えてはいなかった。

『あら、忌々しい仮面ライダーさん達。二人とも満身創痍って感じじゃない? 女の邪魔ばかりしてると、嫌いになっちゃうわよ?』

ロブスターオルフェノクは手元の武器で、リズムを取りながら、挑発してくる。

『嫌いになって結構。最初からおまえさんの事は好いちゃいないよ』

ライドルを回しながら、Xライダーはそう答えた。

『あら、あなたなら年上が好みだと思ったのにね』

『余計なお世話だ』

「冴子さん、遊んでないで、早めにケリをつけて下さいヨ」

『今度は誰だ?』

「誰でもいいでしょウ? ここはワタシに任せて、貴女は王を蘇らせてくださいネ」

いつの間にか現れた白い服装の男は、やれやれといったジェスチャーをしながら、ロブスターオルフェノクに催促した。男の服装を見る限り、財団Xの幹部のように不思議な白いスーツの出で立ちをしているのが、把握出来た。

『有難う。それじゃあ、頼むわね』

ロブスターオルフェノクの姿が霧のように消えていく。

「さぁ、仮面ライダーさん達。ここからはワタシがお相手しますヨ」

白服の男はそう言うと、自分の首元へ注射のようなものを施す。

「ンー、これが…オルフェノクの血ですカ。すこぶる気持ちがいいですネ」

よく見ると男の腰にファイズドライバーのようなベルトが巻き付いている。

手にはファイズフォンに似た携帯電話まで装備していた。

「さて、これならワタシにも、このサイガドライバーを使いこなせる事ができるでしょうカ」

ファイズが変身した時のように、サイガフォンから電信音が木霊する。

『なんだ、そのドライバーは!?』

巧はこれまでファイズドライバー、カイザドライバー、デルタドライバーの三種類のドライバーを把握していた。だが、ファイズ達の目の前にあるそのドライバーは三種類のドライバーのどれにも該当しない別のドライバーだった。

【STANDING BY…】

ドライバーから聞こえてきた音声は禍々しい声だった。そして、315のコードを入力し、中央のバックルに装填する。

「…ヘンシン」

【COMPLETE】

白服の男に青いラインがまとわりつくと、次に現れたのは白い仮面ライダーだった。

『仮面ライダーに似ているが…。巧、ありゃなんなんだろうな?』

『知らねぇよ! ドライバーがもう一つあっただなんて、聞いてねぇぞ!』

二人の仮面ライダーも驚きを隠せない。

『ハッハッハ。そうでしょうネ。これは幻のドライバーなのデス。その名もサイガドライバーと言いマス。我々、財団Xが再現したモノなのですヨ。しかしながら、欠点がありましてネ。装着者になるには、自分もオルフェノクにならねば、使いこなすことはできないのデス』

『成る程、それでオルフェノクの王の血を実験に使っていたのか…』

『それだけではないのですがネ…。さぁ、ワタシとダンスでも踊って下さイ!』

サイガとなった男は、二人の仮面ライダーに向かって意気揚々と飛んできた。

『おいおい、空を飛べるのか、アイツは!?』

Xライダーが叫んだ通り、サイガの背中には、飛行ユニットのフライングアタッカーが装備されていた。目にも留まらぬ速さで自分達のいる場所へ迫ってくる。

『なんだ、あのスピード!』

『こんな狭い中でよく飛んでいられるな!』

『面白いでしょウ? こんな武器もあるんですヨ!』

サイガは、フライングアタッカーの装備にあったブースターライフルを起動した。マシンガンのような銃撃が二人の仮面ライダーを襲う。

『させん! ライドル風車返し!』

Xライダーはライドルを高速回転させ、放たれた銃撃を弾き返していく。

『おおっ、素晴らしイ』

『巧、コイツは俺が引き受ける! 今のうちにおまえは影山の陰謀を阻止しろ!』

『でも、神さん一人でアイツに勝つのは…』

『いいから、行け!!』

『………』

ファイズは室内の先にあるドアまで全速力で駆け出した。その様子を見ていたサイガは、フライングアタッカーの出力を上げ、ファイズに迫る。

『ダメですよ? 足止めをするのがワタシの役目なんですカラ!』

『そうはさせん!』

Xライダーはライドルのボタンを押し、形状をスティックからロープへ切り替え、サイガに向かって投擲した。

『グッ!! これは!?』

見事にXライダーの放ったロープがサイガの体に巻きつき、締めつけていく。

『大丈夫だ。俺も仮面ライダーとして、新参者にお灸をしてやらんと気がすまんからな! ハァッ!!』

『グォォォォッ!!!』

ロープに捕まったサイガを地面に叩きつけると、土煙があがった。

『さぁ、今だ!』

『わかったよ。海堂、すまねぇがもう少し休んでろ! ………神さん、死ぬなよ』

『あぁお前もな、俺達が合流するまで頼んだぞ!』

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。