双海   作:文月りんと

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新潟県 養護施設内地下空洞


8.悲願

『ウフフフ。準備は整ったわ。これで、ようやく復活されるのね』

地下に出来たこの巨大な空洞の壁に設置された赤いサイレンがグルグルと回っていた。

どうやら、ロブスターオルフェノクが何か機械のスイッチを入れたようだった。機械の棺に入れられていたアークオルフェノクの周りに凄まじいエネルギーが集まっていく。

『王よ、早く起きて下さい。これで遂に私の夢が叶うのですから!!』

『そんな事はさせねぇよ!』

巧の声が地下空洞に木霊する。

『あと一歩なのよ! 邪魔をしないで!!』

赤い閃光がロブスターオルフェノクを貫いたが、すぐにロブスターオルフェノクはその場に現れたファイズへ反撃をした。

『ったく、不死身ってのは伊達じゃないのかよ!』

ファイズが繰りだした攻撃はグランインパクトだったが、たいして効いていないように見える。

『甘いわね、この程度じゃ私を滅ぼす事なんて無理。何度やっても無駄なのよ』

『無駄かどうかは、この攻撃で試してみるぜ!』

それが合図だったのか天井が崩れ、外からオートバジンが参戦してきた。

『あの機械人形、王と戦った時に破壊されたハズじゃ無かったの!?』

『修復してもらったんだよ、結城丈二って人にな!』

オートバジンは、手に持ったガドリング砲を掃射し、ロブスターオルフェノクを牽制していく。

『今度こそ王を倒す!』

そう言うと、巧の声に反応したオートバジンは装備していたファイズブラスターを投げつけた。空中でキャッチしたファイズは落下しながら、ファイズフォンをドライバーから外し、ブラスターへ装着する。そして、ブラスターの中央部にある5のボタンを三回押し、それからエンターキーを入力した。

【AWAKENING】

フォトンブラットが全身に行き渡り、真っ赤に白い身体が真っ赤に染まる。

ファイズは、ブラスターモードとなったのだ。着地すると、すぐさまブラスターの中央部の103のコードを入力した。

【BLASTER MODE】

『ゴチャゴチャ五月蠅いわね!』

『オリャァァァァ!!!』

ファイズは襲いかかってきたロブスターオルフェノクをパンチ一発のカウンターで反応する。

『キャアアアアアア!!』

近くの壁まで、ロブスターオルフェノクは吹き飛ばされた。

『悪いが短期決戦だ。あの時も俺だけじゃ王は倒せなかった。今こうしているのだって、神さんや海堂が作ってくれたチャンスなんだ。絶対に無駄に出来るかよ!』

ファイズはブラスターの形状をフォトンバスターモードへ切り替えていく。

『そんな事はさせるかぁぁぁ!!』

『ハァァァァァアアア!!』

吹き飛ばされたロブスターオルフェノクが射線上に突貫してくる。だが、フォトンバスターのチャージが一足早かった。照準は今も眠っているアークオルフェノクを狙いつけている。

『コレでトドメだぁぁぁぁ!!!!』

チャージが溜まったのか、ブラスターから巨大な赤い砲弾が発射された。

大きな爆発音が轟き、王の眠る棺に直撃した。爆発で発生した土煙によって、周囲の確認は出来なかったが、巧は手応えを確信していた。

『よし、あとは!』

『あと………なんてない……の…』

『!?』

煙の中に体が半分吹き飛ばされた姿のロブスターオルフェノクが見えた。王の棺の前で砲撃を防いだようだった。

『まさか…』

『こんな状態でも……生きてる、とか馬鹿げて…わよね…。でも…これが………不死身の、肉体を得た、という証拠、なのよ…』

ロブスターオルフェノクの背後にあった王の棺は破壊されている。しかし、そこには見覚えのある姿が立っていた。

『あぁっ…やっと、蘇った…のですね。我が王…』

『………』

それは紛れもなくアークオルフェノクだった。蘇ったアークオルフェノクは何も言わない代わりに、ロブスターオルフェノクに近づいてきた。

次の瞬間、アークオルフェノクの口が開くと、無言でロブスターオルフェノクを捕食しはじめた。

『や…やめて…くだ……さ…』

段々と声が小さくなってくる。やがてロブスターオルフェノクの声が消えた。

『……これが、絶望の味というものか。さぁ、おまえはどんな味を楽しませてくれる?』

土煙が晴れてきた。アークオルフェノクの姿を見ると、以前の白い色から赤い色へ変色しているのに気がついた。まるで自分がブラスターフォームへ変わるようにアークオルフェノクも変貌を遂げていた。更に、腰の部分にむき出しの機械とケーブルが見えた。

『今度は言葉も喋るようになったのかよ…。それになんだ、ありゃ。蘇ったんなら、また倒すそれだけだ』

 

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