双札   作:文月りんと

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中東 某国 敵アジト/中東 某国 敵アジト


5.暗闇/6.救援

「…ううっ」

 剣崎は、暗闇の中で目を覚ました。

「ここは一体…。オレはどうしてこんなトコに?」

 ぼんやりとだが、自らの身に何が起きたかを思い出していく。

(オレは難民キャンプで天王路に遭遇して、怪人となったヤツと戦った。でも、

あっさりと負けちまった。…そうだ! あの時千切れたオレの腕と足は!?)

 徐々に暗闇になれてきたのか、自分の周囲だけは見えるようになってきた。手足をよく見ると、問題の腕と足は見事に元通りになっていた。両手足ともに手錠のようなもので固定されているが、身動きが取れない。何度か掌を握ったり少し動かしてもみた。感覚はちゃんとあった。

(良かった。でも、あれから、どれだけの時間が経過したんだ? キャンプのみんなはどうなった?)

 剣崎はキャンプで出会ったボランティアの人々や子供達の事を思い出していた。

(天王路が甦った事、日本のみんなは知らないだろうな…。このままオレがこの場所から出られないままとは思えないが、その間に始や橘さん、睦月達の元にヤツが行ったとしたら…。いや、そんな事は絶対にさせちゃダメだ、なんとしても食い止めないと)

 

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 今が朝なのか、夜なのか判らない。囚われてからどれだけ時間が経過しただろう。

 剣崎は暗闇の中で身動きが取れない自分がもどかしかった。それに暗闇の中だからか、時間感覚がおかしい気がした。永遠の命を手に入れた今の剣崎にとっても、それは長く辛い時間だった。

 何度か、手錠を破る為に変身しようと試みたが、なぜか変身できなかった。おそらくこの手錠には、ジョーカーとしての能力を封印する処置でもされているのだろう。無理に外してみようとも試みたが、手首の皮膚が裂けるだけで手錠の破壊は出来なかった。

(…なぁ、始。こんな時オレはどうしたらいいんだ?)

 今はもう二度と会う事が許されない友の顔を思い出す。思い出の中の友はいつの時も自分に対して厳しい顔をしていた。ジョーカーとして生きてきて、無性に寂しさが募った時はそんな友の顔を思い出し、自分を鼓舞してきた。

(やっぱり怒った顔してるよな、アイツ)

 そんな折り、けたたましいサイレンが聞こえてきた。

「な、なんだ!?」

 暗闇でキョロキョロと見回したが、状況が判らない。そうしている間に、天井に亀裂のような音が聞こえてくる。

(誰か、助けに来てくれた? でも、今のオレは携帯とかなんて持ち合わせてないぞ? 一体、誰が…)

 突然の爆発。土煙にむせながら、光の差す天井を見上げるとそこには銀色の手が一本突き出されていた。それは、自分の知る相川始でも橘朔也でも上城睦月でもなかった。口だけはっきりとわかる見たことがないバトルスーツをまとった男がそこにいた。

『爆発に巻き込まれてはいないようだな。ようやく見つけたぞ、もう一人のジョーカー。私はライダーマン。…いや、君にはこう呼ぶべきだな、仮面ライダーブレイド。私も君と同じ仮面ライダーだ』

 

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