天王路が装備していた指輪は過去の事件で遭遇した【賢者の石】だった。人々の命を材料に石を精製し、天王路はそれを自らの力として利用していたようだ。
天王路を倒すと、指輪の石が砕け、石の材料にされていた多数の人々が現れた。衰弱している人ばかりだったが、助け出す事に成功したのだ。また、剣崎達は研究所に捕らえられていた残りの人々も救い出した。ライダーマンは、結城丈二へ姿を戻ると人々へ的確な処置を施していった。
数日後、キャンプ跡地で助けられなかった人々の墓を作る剣崎がいた。
「ここにいたのか、剣崎君。バイクが消えていたから、またいなくなったのかと思ったぞ?」
「結城さん…。今回はありがとうございました。オレ、不死身になっても、まだまだ未熟ですよね」
悔しがる剣崎の肩にポンと手を置く。
「そんなことはないさ。私だけではあの怪人は倒せなかった。助けられた人々から君は神様のようだったと言われていたんだぞ? 救いの手を差し伸べた切り札は君自身でもあったという事を忘れないでくれ。」
「切り札ですか…」
「あぁ、そうさ。救えなかった命は戻らない。でも、一人でも多くの人を助けるために我々は世界中で財団Xと戦っているんだ」
「我々って事は、他の仮面ライダーの事ですか?」
「そうだ。君も知らない仮面ライダーもいるだろう。でも、みんな志は一緒さ。これは、君がよければなんだが、これから私達と共に戦ってくれないか? 実は今、財団Xが【プロジェクトダークネス】という大規模な計画が進行している噂を、キャッチしてね」
そう言うと、結城はじっと剣崎を見つめる。今の自分には自分が持つジョーカーの力以外にも、烏丸から託されたラウズカードやラウズバックルが手元にある。
「わかりました。オレでよければ…」
「ありがとう。そう言ってくれると、信じていたよ。それじゃあこれからも宜しく頼むぞ。仮面ライダーブレイド」
その言葉を聞いた結城は握手を求めてきた。
「はい。宜しくお願いします。結城先輩!」
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完全に破壊された研究所跡地。
ライダー達とケルベロスカノーネが戦った場所に【影】が存在していた。
【影】は一撃で辺りの地面を破壊すると、ケルベロスカノーネの破片を見つけ出した。
「…ふむ。【デストロン】の力を与えたのに、この程度で破れるとはケルベロスも所詮は失敗作だったか。それに、仮初めの力だったとはいえ【賢者の石】が無くなったのは痛いな。………まあいいか、所詮は寄せ集めの命。やはり本来の
【サバト】の形式で作らねばいかんか。さぁ、次なる計画ではどうするかな?」
そう呟くと、【影】は消え、一人の人間が現れた。すると、人間の皮膚がべりべりと破れていく。次に現れたのは緑色の姿をした怪人だった。その姿は昆虫のようでもあり、剣崎のようなジョーカーのような姿にも見えた。
「この姿で世界征服をしてみるのも、また一興か…」
そう呟いた怪人は、再び【影】となって消えていった。