新タナ私ハ防空棲姫   作:深海提督

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鎮守府潜入 編
過去ノ記憶


「防空、今マデ何処ニ行ッテタノ!?」

 

「ゴメンナサイ、心配掛ケタワネ…」

 

朝五時に始めたパトロールから七時間経った今、泊地はかなり慌てていた。

 

「怪我ハ無イミタイダケド…大丈夫ダッタノ?」

 

「エエ、特ニ怪我ハシテナイワ。ソレヨリモ、タ級ガ中破シテイルカラ連レテ行クワネ」

 

「分カッタ。ソレト防空、夜ニ私ノ部屋ニ来テクレルカシラ?」

 

「?…分カッタワ」

 

泊地との話を終えると、私は遅れて来たタ級とドックに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「フゥ…ヤッパリオ風呂ハイイデスネー♪」

 

ドックにはスーパー銭湯にあるような風呂に、アニメにもあった修理用の風呂がある。

 

他にはシャワーがあるが、それ以外は特になかった。しかし基地の中にはないが、地上では露天風呂まであるそうだ。

 

タ級が入渠している風呂には薄い紫色…ではなく、透き通った水色の液体が入っている。

 

壁には修復時間が表示されており、3時間と表示されていた。

 

「…タ級ッテ、入渠シテイル時ハ暇ジャナイノ?」

 

「ソウデスネ…イツモ何時間モ入ッテイルノデ慣レチャイマシタ」

 

「…大変ナノネ」

 

「アハハ…ハイ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜0時になり、私は泊地の部屋に向かった。

 

この時間帯になると、起きている艦は酒好きや夜戦好き、遠征からの帰投や出撃からの帰投の艦ぐらいだ。

 

廊下には人影は無く、赤く光っていたライトは山吹色に変わっていた。

 

外の景色はとても暗く、何も持たずに歩けば迷子になるだろう。

 

少しすると、泊地の部屋の前までやってきた。

 

コンッコンッ……

 

しばらくすると、鍵の開く音がなり、中から泊地の声が聞こえてきた。

 

「イイワヨ、入ッテキテ」

 

 

 

 

 

 

部屋では少し広めのテーブルを挟んで椅子が置いてあり、向こう側に泊地は座っていた。

 

「ワザワザコンナ時間ニ来テクレテアリガトウ。実ハ防空ニ頼ミタイ事ガアルノ。」

 

そういうと、泊地はテーブルの上に大きめの地図を広げた。

 

地図にはこの基地からとある鎮守府までの経路が示されていた。

 

「…数週間前カラ行方不明ノ姫級ト鬼級ガ2人イルノダケド、ソノ2人ガ艦娘ノイル鎮守府ニ捕ラエラレテイル情報ガ入ッタノ。アナタニハ鎮守府ニ侵入シテ、2人ヲ救助シテホシイノ」

 

「…ワカッタワ、ソレニシテモ何故コンナ時間ニ呼ンダノ?」

 

「モシ2人ガ捕ラエラレテイル話ヲ昼ニシタラ、他ノ艦ニ聞カレル可能性ガアルカラヨ。他ノ艦ノ士気ヲ下ゲナイタメニモ今ナラソンナニ問題ナイカラネ」

 

「ナルホド…ソノ2人ッテドンナ艦ナノ?」 

 

すると、泊地は2枚の写真を取り出し、手渡した。

 

「コッチハ港湾棲姫、ソッチハ離島棲鬼ヨ。」

 

写真を受け取り、2人の顔を見る。

 

 

 

 

 

ドクンッ……!!

 

 

 

 

「ッ!?ッ・・・!!!」

 

写真に写っている港湾棲姫と離島棲鬼の姿を確認すると、激しい頭痛に襲われ、体が金縛りにあったような反応をする。

 

あまりの痛さに頭を抱えるが、一向に治まらない。

 

「アッ…アアッ……!!」

 

「防空!?ドウシタノ!?」

 

泊地が心配して話しかけるが、泊地の声は防空には届いていなかった。

 

「アッ…ウァアッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は雲一つ無い快晴だ。昨日の夜まで大雨が降っていたとは思えないほど清々しい日になった。

 

そんな中、今日は艦娘達が最後の海域であるこの海域を奪おうと攻めてくるのだ。

 

私達が取り戻した汚れなき海…海を埋め立て汚していく人間や艦娘達に渡すわけにはいかない。

 

すると、後ろから大切な2人の仲間がやってきた。あまりに日差しが強いからか、2人の姿が眩しくてよく見えなかった。

 

「…ソロソロ時間ネ」

 

「防空、準備ハイイカシラ?」

 

「エエ、大丈夫ヨ。ココハ任セタワヨ」

 

「任セナサイ、私ニカカレバ艦娘ナンテ敵デハナイワ」

 

「私モ、ホッポノ世話ヲ任セテオイタカラ全力デイケルワ」

 

「フフ……ソレジャア2人トモ…頼ンダワヨ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…ああ…2人とも……

 

 

 

 

あの時…私達3人で…守っていれば……

 

 

 

 

私が…もっと…強ければ……2人を守る事ができる力があったら…

 

 

 

 

…少し…眠たくなってきちゃった……しっかり…しないといけないのに…

 

 

 

 

…ごめんなさい……私も…今からそっちに…行くから……

 

 

 

 

きっと…温かく…迎えてくれるわよね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ッ!?ハァ…ハァ…」

 

「防空!!大丈夫!?」

 

汗を吹き出しながら、私の意識がなんとか元に戻ってきた。

 

さっきのはいったい何だったのだろうか…あの2人とは…この悪夢は…前に見たあの夢と同じ……

 

「…泊地…私ハ…イッタイ……」

 

「2人ノ写真ヲ渡シタ途端、急ニ苦シミ始メタノヨ…イッタイ何ガアッタノ?」

 

「…大丈夫…ナンデモナイワ……」

 

「ソウ……ソレデ…コノ任務…頼メルカシラ?」

 

「……ワカッタワ、任セテ」

 

港湾棲姫と離島棲鬼、おそらく私の悪夢に出てきた2人はこの2人だろう。

 

この2人に接触する事ができれば私の記憶について何か掴めるはずだと考えた。

 

 

 

 

 

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