「ふぅ…癒される……」
佐世保鎮守府に潜入し、ドックに運ばれたが…とても疲れが取れる。
今思えば防空棲姫になってから一度も入渠した事がなかった。この前はタ級を連れていっただけで入ってはいなかった。
…流石にこのままずっと入っているのはまずい。
このまま入っていたら出る事ができなくなりそうだ。
何とか頭の中を任務の事に切り替え、急いで風呂から出ると、シャワーを浴び、頭と体を洗う。
髪をドライヤーで乾かし、制服に着替えてドックを出る。
すると、菊月が入り口にある椅子に座って待っていた。
「さっぱりしたか?」
「ええ、お陰様で」
「それは良かった。それじゃあ司令官の所に案内する」
菊月に案内されながら提督の居る執務室へ向かって行くと、新しく着任する艦娘と思ったのか、道中で何人かに視線に向けられる。
もしくは赤い瞳と白い髪の組み合わせを見て不気味に思って見ているのか。
そして佐世保鎮守府の提督が居る執務室までやってきた。
「司令官、例の艦娘を連れてきたぞ」
ドアをノックし、開けた先には提督らしき人物が椅子に座っていた。
「ありがとう菊月。さて、俺から自己紹介をしよう」
というと、顔を上げ自己紹介をしてきた。
「私がこの佐世保鎮守府を任されている提督だ、宜しく」
「秋月型防空駆逐艦、一番艦、秋月です」
「着任して早々で悪いが、いくつか質問をしてもいいか?」
「ええ、構いません」
「まず、君の元の所属はどこだ?」
「…すみません、分かりません」
「所属が分からない……?」
「はい…実はいくつか記憶が抜けていまして……」
「そうか…それじゃあ次だ。防空駆逐艦秋月の髪は黒に近い茶色で、瞳は黒色という情報があるのだが、どうして髪と瞳の色が違うんだ?」
「それについては少し覚えています。実は私が艦娘になる前はアルビノのような体質で、その影響か髪が白くなり、瞳が赤くなったと記憶しています」
「なるほど…質問は以上だ。しばらくの間はこの鎮守府に居るといい。菊月、秋月をこの鎮守府を案内してやってくれ」
「分かった、失礼する」
「失礼しました」
菊月の後をついていくと、何人かの艦娘に話しかけられるようになった。
好きな食べ物についてだとか、趣味は何かなど、とてもフレンドリーだった。
そんな鎮守府内を何分もかけ、最後に案内されたのが駆逐艦の寮だった。
そして0061号と書かれた部屋の前までやってきた。
ここが私の部屋なのかと思っていると、菊月が小声で話しかけてきた。
「秋月、実はちょっとしたサプライズをしたい。呼ぶまで少し待っててくれ」
「…?分かったわ」
そういうと、菊月は扉を開け、中に居る艦娘と話し始めた。
「少しいいか?話がある」
「菊月?どうしたの?」
「話なんて珍しいな」
どうやらこの部屋には2人艦娘が居るらしい。
「実は、新たにこの部屋のメンバーが入る事になった」
「本当!?遂に新しい子が来たの!?」
「僕達以外にもこの部屋に来るのか」
「そうだ。それじゃあ、入ってきてもらおう。もう来ても大丈夫だ」
菊月が呼ぶと、私は部屋に居る艦娘2人に姿を見せた。
「秋月型防空駆逐艦、一番艦、秋月。ここに推参するわ」