新タナ私ハ防空棲姫   作:深海提督

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編成

「……以上が今回出場する24隻だ。選ばれた24隻は同じ編成の艦と作戦を立て、休むように。その他の艦もゆっくりと休んで欲しい」

 

提督による出場する艦の発表が終わり、各自解散すると、辺りから多くの声が聞こえてきた。

 

選ばれた娘を応援する声、選ばれずに自暴自棄になった声、元々無理だと悟っていた声、様々な声が聞こえた。

 

すると、選ばれた娘を応援する声が近づいてきた。

 

「秋月姉ー!おめでとー!」

 

声の方向に振り向くと、照月が全速力で走ってきた。

 

そして勢いよく顔に飛びついてきた。

 

「!?」

 

あまりの勢いに耐えられず、そのまま倒れてしまった。

 

「あっ、ゴメン…」

 

「大丈夫よ…いてて…」

 

ゆっくりと立ち上がり、服に付いた土などをはらう。

 

「にしておめでとう秋月姉、まさか主力艦隊の第一艦隊に編成されるなんて思わなかったよ」

 

「私も驚きだわ…まさか主力艦隊に編成されるなんてね…」

 

「それほど提督が姉さんの成績を評価してるって事だよ」

 

すると後ろから遅れて初月もやってきた。

 

「僕達も第三艦隊に選ばれたけど、水雷戦隊だから偵察機を撃墜するくらいだろうね…」

 

「まぁまぁ、選ばれただけ良かったじゃん」

 

「そうだな…それじゃあ姉さん、また後で…♪」

 

話を終えると、照月と初月は第三艦隊のメンバーに会いに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ、来たか。やはり秋月も第一艦隊に選ばれたな」

 

「ええ、対潜が少し低いくらいで済んだからね」

 

第一艦隊のメンバーが集まる少し狭めな会議室の扉を開けると、一足先に武蔵が座っていた。どうやら他の四隻はまだ来てないらしい。

 

「それにしてもな……砲撃と防空能力が高いが対潜能力が低い…さては艦種誤魔化してるな」

 

「歴とした駆逐艦よ…」(よくネットで誤魔化してるんじゃって言われていたけど…

 

そんなこんな武蔵が防空にジョークを言っていると、部屋のドアを軽くノックする音が。

 

「失礼します。一航戦赤城、参りました」

 

「同じく、一航戦加賀、参りました」

 

対空テストの教官役を終えた2人がやってきた。長い時間艦載機を飛ばしていたせいかかなり顔に疲れが出ている。

 

顔に出ていると言うより……赤疲労のマークと同じような顔になっていた。

 

「流石に空母でも何時間も艦娘達の相手をするのは辛いか」

 

「はい…いくら出撃して鍛えられているとはいえ…体に応えます…」

 

「慢心…駄目…絶対……」

 

すると、赤城と加賀がハニワのような顔をこちらに向けると何か尋ねてきた。

 

「あなた…防空駆逐艦の…秋月さん…ですよね…」

 

「え、ええ…」

 

「実は…聞きたい事があって…」

 

その時、私の頭の中に一つの嫌な予感が過ぎる。

 

私が初めてこの世界に来た時に、摩耶と吹雪達に出会ったが、その時摩耶と同じ艦隊にいた赤城と加賀の艦載機を全機撃墜してしまったのだ。

 

あの時に出会った2人がここの鎮守府の2人と同じという確信はないが、もしそうだとしたらかなり不味い。

 

(ナントカシテ2人ノ話ヲ逸ラセル手ハナイカ…)

 

何かないかと持ち物を探っていると……

 

カサッ…

 

(ッ!!コレナラ…!)

 

そして二枚の紙を取り出し、2人の前に出した。

 

 

 

 

 

 

「赤城さん、加賀さん、良かったらこれを使ってください」

 

2人の前に出したのは、間宮の食事券だった。

 

昨日提督に着任祝いに貰った物だが、海軍大演習が終わる頃には使い道が無くなるので、どうしようかと持っていたのだが、こんな所で役に立つとは思わなかった。

 

「い…いいのですか…?」

 

「ええ、明日に備えてしっかりと休んでほしいですからね…♪」

 

「あ…ありがとうございます…!」

 

すると、2人の顔がハニワのような顔から瞬く間に笑顔に変わっていった。

 

「すみません…入ったばかりの娘にこんな恥ずかしい姿を見せて…」

 

「駆逐艦に食事券を奢ってもらう一航戦……」

 

そんな2人を見て、思わず小さく呟いてしまった武蔵だった。

 

 

 

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