摩耶と吹雪の頼みを受け、睦月と夕立の捜索をする事になった私は、預かった電探や無線機を使いながら探しているところだ。
「ガッ……ダレカ…イルッポイー……?」
すると無線機からノイズ音が混じった声が聞こえてくる。
それにこの特徴的な語尾は……
(分カリヤスイワネ…夕立ノ語尾ハ……)
早速私も無線機を持ち、通信を試みる。
嵐の中だが、傍受出来るなら此方からも話す事も出来ると思い、何度か無線機に声を掛け続けた。
艦隊とはぐれた睦月と夕立は、洞窟のちょっとした少し広い場所に座っていた。
「はっ…はっ…はくしょん!!うう…寒いにゃし~…」
「睦月ちゃん!無線機に反応ありっぽい!」
「本当!?無線相手は!?」
「分からないけど……助けに来てくれるっぽい♪」
「コチラザーッ…ザーッ…助ケニキタワ」
「こちら睦月、大破して孤島の洞窟の中に避難しています」
「ザーッ…了解、ソレマデ待機スルヨウニ」
「良かった……一時はどうなるかと思ったにゃし…」
睦月の連絡によればこの小さな孤島らしい。
島の近くまで行くと、雨でぐしょぐしょになっているが、砂浜に2つの足跡とそれらしき洞窟があった。
「ココネ……」
そして、2つの足跡を辿りながら洞窟に向かって歩いていった。
洞窟の中は薄暗いが、夜目が利かなくてもなんとか見える位だ。
カッ・・・カッ・・・カッ・・・
歩く度に足音が小さく反響し、どこからかポツポツと水滴が水面に落ちる音が聞こえてくる。
それに混じり、微かに何か声のような音が聞こえてくる。
「睦月ちゃん、なんかカツカツ音が聞こえるっぽい!」
防空の履いているヒールの足音が反響し、睦月と夕立が居る場所まで響いていた。
「本当?もしかしたら誰か来たのかも!」
腰を上げ、音のする方に向かっていくと、防空が歩いてくる姿を目撃した。
「にゃしい!?」
防空の姿を目撃すると、一目散に元来た道を逃げて行った。
「…今…何カ視線ヲ感ジタ気ガ……」
「睦月ちゃん、どうだった?」
「はぁ…はぁ…夕立ちゃん……は…早く逃げないと…」
「どういう事っぽい?」
「し…深海棲艦が…ここに…来ているの…」
「ぽいっ!?」
「今まともに戦っても…勝てっこないよ……」
「わ…分かったぽい……ぽいーっ!?」
夕立が睦月の方に顔を上げると、突然顔が青ざめ、悲鳴混じりの叫び声を上げた。
「…ま…まさか……」
睦月は夕立の驚いている姿を見て何かを察したように、ゆっくりと後ろを振り向いた。
「あっ…あっ……」
「フフ…ミィツケタァ……♪」