2018 高律の日   作:bui

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本当の名前をあなたに

担当作家が母校の近くに越してきてから、実際の距離が遠かったときと異なり、直に互いの作品に対する温度を確かめ合うような打ち合わせは、電話というラインを通さない分だけ言葉にできない想いが感じられて、お互いに良い影響を与え合えていると確信できた。

 

言葉で分かっていたつもりでも会って話すのはまた違う。だから他の作家にもできるだけ会って話をしようと思えた。想いを伝える言葉はいくらあっても、気持ちが入らないと伝わらないことがあると知っている。言葉を尽くしても伝わらないことがある。たった一つの想いさえ。

 

そして、残念だけど触れ合っても伝わらない想いがあることも知っている。どんなに何かを尽くしても人と人は同じものを見ることはできない。自分の中の赤が他の人の見ている赤が同じかは一生をかけても証明できないのと同じで。

 

どうしたら人は分かりあえるんだろう?

 

難しいな。

 

 

 

 

 

 

 

『それ』を知ったのは本当に偶然だった。

 

 

母校への道…。その甘く苦い思い出を反芻しながらその道を通う頻度が増えていた。

 

実際にその日も先生からは翌月以降の内容についてかなり突っ込んだ展開のイメージを聞くことが出来て少しだけ浮かれるような気持ちでその前を通っていた。

 

夏休み中のはずの学校は、開いている時に比べれば静かではあったけど、自分の短かった学び舎の思い出と比べてみてもちょっとない感じの、音としては静かなのに何かが湧いているような不思議な騒々しさがあった。

 

シートとパラソルと、積まれた本、それから口の開いた段ボール箱の中も本。それは『一箱古本市』のように楽しい雑然とした雰囲気だった。

 

門扉にはチラシが貼ってありそれには図書室の本の入れ替えのために古くなった物はご自由にお持ちくださいとしているようだった。

 

学校関係者ではないので一瞬戸惑ったのだけど、首を伸ばすと担当の職員の方がよろしければどうぞ、と声をかけてくれた。

明らかに父兄ではないようなおじいさんやおばあさんもポツポツと本を見ていて、対象は関係者ではないのだろう事が分かる。

仕事の途中だとは思ったものの、本の誘いを断れるほど人間ができていないし、丁度昼時に指しかかるから、ランチタイム休憩だと思えば…、と言い訳も一応自分にできて積まれた大小さまざまの箱の中を物色した。

 

 

 

 

一応ジャンルごとにはなっているようで、見ている方々も本好きだけあってさすがに古い本とは言っても雑にも扱わないし何より見ている雰囲気がとてもお行儀がいい感じがした。

 

歴史小説、ミステリー、エッセイや旅行記、幼児用はお孫さんにだろうか?

綺麗な写真の本は古いとは言っても実際に買おうと思えばかなり高いものだし、美術系の解説書など表紙が若干すれていることが余計に箔をつけているようにさえ見える。

当時と同じ冊子とは限らないけど懐かしい書籍もあってどれか数冊と決めるのはなかなか難しそうだ。

 

最近は電子化が進んで図書館の本の表4にはバーコードシールが貼られている。

でも昔は裏表紙をめくると図書貸し出しカードを入れる紙のポケットが張り付いていて、貸し出されていない書籍には図書貸し出しカードが入っていた。それは借りた人の履歴が見ることができるのだけど、今なら個人情報がどうとかって言われたりするものだったのかもしれない。

 

そうか…、今の自分たちだったらかつてお互いの名前を図書貸し出しカードで知るということもなくて、俺が偽名を使うこともなかったから高野さんが俺の苗字を織田だと思いこむなんてありえないことだった。

 

そして、今でこそ携帯も当り前になっているけど、あの頃はまだ学生が全員携帯を持っているという時代ではなかったからやり取りも気合が必要だったしアナログだった。

もしあの頃今のように気軽にラインなどで先輩と細かいいやり取りが出来ていたなら…、名前を間違えるどころかすれ違うこともなかったかもしれない。

 

そうか…、俺たちは、まさにあの時代の恋人同士だったんだな…、好きで好きで、でも見つめることしかできなくて、奇跡的に付き合うことができてからも、自分の好きばっかり押し付けて、何にも周りが見えなかったから先輩に俺の気持ちばかりを投げつけて少しも先輩の迷いや悩みを分かっていなかった。

 

俺は先輩を知りたくて先輩が読んでいた本はもれなく読んだ。

先輩が読む難しそうな本は俺には難解なものが多くて、先輩は何日もかけてそれを読んで、俺もまた何日もかかってそれを読んだ。

 

先輩がどんなことを考えてこの本を読んだのだろうかと考えるのが楽しくて、特に先輩が一人だけしか読んでいない本を読むと世界に自分と先輩だけがいるような錯覚に陥って夢想の世界に浸れた。

 

きっと本当につきあった期間よりあのすれ違っていた時間の方が俺には幸せだった。それはひどく独りよがりな幸せで、その幸せは俺を傷つけなかったし、先輩はすべて俺の理想だった。そして俺はそれに浸りすぎて最後まで本当の先輩を見つけることはできなかった。

 

 

 

 

配布の本の中には欲しいと思うものはいくつもあったけど今から箱で抱えて帰るのは厳しい。紙は重いので、非力な俺には精々数冊が限度だな…、と悩んでいると料金がかかりますけど宅配で送りますよ。と職員の人が声をかけてくれた。宅配も学校からの料金なので一般より契約の関係で安いのだそうだ。

 

その申し出に名刺を取り出して裏に住所を書き込んで、早速いくつかの書籍とざっと見た箱の本を頂くことにして代金を置いて行くと昼の時間はずいぶん過ぎてしまった。

 

学校では夏休みと言っても補習や部活動もあるのか、ちらほらと生徒の姿も見えて、甘いものに群がっているありんこのように古本に夢中の俺達を物珍しそうにチラ見していた。

 

1学年10クラスの大きな学校がこんなに閑散とすることもあまりないのかもしれない。

長期休みだから建物の補修のための工事関連の業者もいて、再来週には全国的な盆休みシーズンだから色々なところでメンテナンス系も発生しているのだろう。学生の頃はこの箱の中には自分たちしかいなくて、回りの人たちが色々とおぜん立てやら守ってくれているななどは少しも考えたことがなかった。

 

俺たちは俺達だけで完結していて、その他には誰もいなかった。

 

そう思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宅配は休みの日にしか受け取りができないことはわかっていたので土曜の午後を指定にしてもらって宅配が来ることを理由にうるさい隣人から逃げを決め込んだ。

 

一人暮らしなのに掃除・洗濯・台所の片付けに休日のほとんどを使うって、どんな平日を送っているんだとこの一週間の自分を責めたくなるのだけど、お盆進行が厳しくて実は今は案外仕事が大変なのだ。

 

エメラルドの締め切りがざっくりその盆休みの時期に含まれているから一週間前倒しでスケジュールは進んでいる。とは言っても隣人で元彼で今の仕事の上司は上手にやりくりで来ているんだろうと思うとひどく癪だった。

 

 

『冷たいパスタ食いたくね?』

 

そんな上司からラインが届いたのは昼をちょっと過ぎた頃だった。

 

埃と汗まみれの身体をシャワーで流して麦茶でも飲もうかとリビングに座った時にそれに気がついた。あらかじめお断りをしておいたし、一応ゴーゴーと掃除機をかけたりテラスに洗濯物を干したりしていることは騒音で分かっているだろうから静かになった所を見計らったのだろう。

 

冷たいパスタ…。

 

朝食は焼きそばパン1つでばたばたと動き回ってさすがに暑くなったし、腹も減っていてひどくその文字が魅力的に映った。

 

『食べたいです。』

 

一緒に食べましょうなのか、食べに行きたいのか、食べさせてなのか(これはないか…。)判断がつきにくいラインに食欲という名の欲望だけの答えを返すと『終わるのおせーよ、飢え死ぬとこだった。作ってくから30分ぐらい待ってろ。』

 

という返事が来た。

 

部屋は…、一応OK。

宅配が来るかもしれないからさすがに隣とは言え家を開けるわけには行かない。

 

休みの前だったから冷蔵庫には冷たい飲み物はがっつり入っているからまあ、そっちはこっちで用意すれば大丈夫か?

 

ローテーブルにもらい物のランチョンマットを敷いたりして、えっと…、フォークとスプンを並べちゃったりして?

 

あまり家で日常的に飲酒をするという習慣がないから実家が寄越したお歳暮だかお中元の横流しの減らないビールとスパークリングワインをもう一度冷蔵庫を開いて確かめた。

 

母は女の子を家に誘っていい感じになってくれればというヨコシマな気持ちもあるのだろうけど、今俺がソワソワをそれを見ているのはなんとオトコのためというのが笑っちゃうな。

 

家が重い…、なんでただ一人の自分でいられないのだろう…。

 

今まで大事に育てられてきたことが足かせに感じるなんて、自分を大事に思ってくれたすべてのことが疎ましく思えるなんて、自分を育んでくれていた全部が今の自分を作ってくれていて、ひょっとしてそれを高野さんが好きになってくれているのかもしれないのに、自分が自分でなければよかったと思うなんて…。

 

本当に偽名のままの織田律だったらどんなに良かったんだろうか…。

 

 

 

少しだけ暗い気持になった所でドアのチャイムが鳴った。高野さんが来るには少し早いような気がしてインターフォンを取るとそれは先日送った宅配だった。

 

でもこれを高野さんに見られるのはちょっとだけ気まずい。今はもう図書貸し出しカードはついて無いけれど確実に嵯峨先輩を追った本ばかりを選んだ自覚はある。

 

っと思いながらふと箱を見ると、よくよく考えたら送ってもらうように頼んだのは3箱だった。

 

---これって間違いだよね…、どうしよう…。---

 

中身を確かめると明らかに図書ではないものが混じっている。

 

「ほとんど丸まった中質紙だ。」

 

おそらくすき間埋めに使うような物を突っ込んだゴミ箱みたいなものだったのだろう。きれっぱしのビニールとか、剥がし終えたクラフトテープとか…、ごみならこのまま捨ててしまってよいのかな?

 

ぐしょぐしょの封筒はさすがに中身を見ずに捨てるわけには行かないし、書き損じの宅配伝票は丸めて捨てるって個人情報保護的に考えてもかなり迂闊だろう…。こういう所が少しずれているのかもしれないな…、一般企業と違って…。

 

上側のゴミをのけるとその下には学校の名前の入った大きめの封筒が何重かになって詰まっていて、なんとなく雰囲気ではそれはやばそうなものだと分かった。

おそらくゴミが乗ってしまったから気が付かなかったのだろうけど、ちゃんと大事に分けられていることが分かる。

 

そっと上の一袋を取って開くと、それはきっと今回の中古の本を処分するにあたって抜いたであろう図書貸し出しカードの束だった。

 

懐かしいと思った本たちがいくつもあった。先輩を追っかけた本の中には他に誰も読んでいない本が当時あった。

あの後誰かが少し読んだとしても新しい図書貸し出しカードが更新されていないものがあったとしてもおかしくない。

 

個人情報ってどこまでなんだろう。フルネームとかって抵触されることなんだろうか?

 

ひょっとしてあるかもしれない。

 

見たから何ということはない。でも、もしあったら…、何か変わるかもしれない。あの頃と同じこと、違うこと、全部が変わるとは思わないけど分からないことの中の少しでも、一つでも分かればそれは自分を変えてくれるかもしれない。

 

 

トランプをシャッフルするようにカードを必死でめくり続けると嵯峨先輩のカードをこっそり必死で探した時のことを思い出して胸が詰まる。実際の距離を詰めることはできなくても少しでも近づきたくて、先輩が読んだ本をたどるのにどうしても名前が知りたくて、いや、違う。先輩の名前が知りたかったんだ。

 

ただ、先輩の名前が…。

 

 

ハッと目が止まった。脳が分かる前に目がその残像を見つけた。

 

嵯峨政宗 織田律 、確かにそう書いてある図書貸し出しカードだ…。

 

 

ぼんやりと床に座り込んだままそれを手に見つめていると、突然背中にガツっと圧が掛けられて我に返った。

 

「返事もないから何してるのかと思ったら…。」

 

振り向くと両手に大きな平皿を掲げ持った仁王のように険しく眉毛を寄せた大男が立っていた。どうやら足を片方上げたままでいるところを見るとその足で俺の背を蹴ったのだろう。

 

そして…、俺が埋もれている紙が何なのかも察しているに違いない。

 

「戻って来たか?」

 

皿を置きフンっと鼻を鳴らしてからつっと手の中の紙をつまみ上げると「こんなもんに惑わされてんじゃねー。」といきなり握りつぶした。

 

手の中の紙がまるでスローモーションのように、しかし妙に鮮明に見える。紙がクシャリとひしゃげて嵯峨政宗という少し流れるような文字も、織田律という四角い文字も紙の皺のひずみに消えて行った。

 

嘘の織田律が過去に消えていく。先輩に嘘をつくつもりで書いたのではないけどそこには正直な自分は存在しなかった。

 

恋心は正直だった。でもそれを知られたくない気持ちや異様だと思われたくない気持ちが本当の自分を偽らせた。

 

そんな自分の迷う心が俺たちの過去をすれ違わせたに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

「冷たいパスタ、美味しいです。ウニと蟹なんてすごい贅沢ですね。」

「ウニソースがあればゆで時間位でできるから簡単だ。お前に食わしてやりたくてソースは仕込んどいた。」

 

高野さんがそう言って笑う。その笑顔を見ると高野さんがこうやって俺を優先してくれることに不思議が湧く。

かつての嵯峨先輩が俺に無関心だったことを考えるとどこでなんの回路が繋がったのか分からない。

 

「高野さんって…、イケメンですね…。」

 

ため息と眉間に寄せた皺でそれが単なる褒め言葉とは取らなかったようで、高野さんもなぜか眉間に皺を寄せて怖い顔をした。

 

「最近で一番うれしくない感じのイケメンもらいましたって感じだ。」

「な、なんですか…、褒めたのに…。」

「いーや、最近面と向かってイケメンって褒められるってことねーからな。」

「高野さん怖いし、学生じゃないんですから周りの女性も大人なので面と向かってイケメンねなんて言いませんよ。でも顔面偏差値知らないわけじゃないんでしょ。」

「うーん、比較って難しいよな。まあ不細工と言われるほどじゃないぐらいにはな。」

「益々嫌味ですね…。」

「なにが言いてーの?」

「なん…、でしょう…。」

 

落ち着かない。

 

いつだって俺が先輩を追っかけていたのだからこうやって追いかけられる(追い詰められる)のは慣れない。

 

さっき図書貸し出しカードを見てしまってから気持ちが変だ。

高野さんに握りつぶされたせいで、そこにとどまっていた想いが絞り出されたようにあちこちに垂れている。先輩はいつだって俺には無関心で俺ばっかり追っかけていたのに優しく笑う先輩なんて知らない。

 

あの時の気持ちは一人俺だけの想いだった。

だから誰にも知られたくない秘密の気持ちで、先輩にも見られたくなかった。

 

「なんだかソースもったいないですね。」

「確かに何かになすりつけて食べたいな。」

「パンならありますけどまだお腹に隙間あります?」

 

パンは俺にとってかなり重要な食材なので一応切らすことはない。何かを乗せても素のままでも腹を満たすのは白米より便利なんだ。

 

 

ストッカーの下段からパンを掴みだすために屈んだままの俺の後ろから「なんかさ…、」と高野さんの小さい声が聞こえた。俺は「はい?」と相槌のように返事をしてからパンと一緒にローテーブルの方に戻ると高野さんは雑に片づけた図書貸し出しカードをまたパラパラとめくっていた。

 

「なんで俺さ、あの時ちゃんとお前に名前聞かなかったんだろうな…。」

 

『あの時』が何を指しているかはもちろん説明をされなくても分かっていて、俺はそれに対しての答えを持ち合わせてはいなかった。

 

「って言うか、俺達の誤解って一つや二つじゃなくてさ、改めて今更メチャへこむわ…、」

 

小さい声は活舌も良くないのにはっきりと聞こえて、でもそれを高野さんが俺に言ったのではないことだけは分かった。そしてどの本のカードかは分からないけど「こいつ俺覚えてるヤツだ」と言いながらカードを次々とめくっている。

 

電子化されてどれぐらい経つのだろう?しかし同性同名かもしれないながらもカードを利用していた時期の物だろうから自分たちのカードがあったのと同様に同級生の名前があってもなにも変ではない。

 

図書室の香り、図書室の本の並び、受付をしてくれる委員の当番の人やパイプの棚。

記憶は一時脳内のしかるべき場所に格納されているだけで本当に忘れてしまうのではないと、かつて先輩が読んでいた本を漁って読んでいた時に知った。

 

忘れたいものを見ないことができるという脳、でも本当の意味では忘れていないという脳、人ってやっぱりすごい。そしてなんて独りよがりなんだろう。

 

だけど過去の想いは風化する。辛く苦しくてもやがていい思い出だと言えるようになると言う。

では幸せな想いもそうやって移っていくのだろうか?

 

 

 

「あ…、」

 

カードをめくっていた高野さんが小さく息を飲み、そのまま紙をめくっていた手が止まった。

下を向いたままの高野さんの顔は髪の毛が覆っていてどんな表情をしているのか分からない。

 

また俺の黒歴史を見つけられたのだろうと思うと羞恥が湧くけどあまりにも高野さんが動かないので、手元を覗き込んで俺もまた息を詰めてしまった。

 

---小野寺律---

そのカードの一番目には織田ではない本当の俺の名前が書いてあり、その下の欄には確かに

---嵯峨政宗---

と書いてあった。

 

「俺がお前のあとだ…。」

 

カードにポタリと雫がこぼれ、高野さんが「俺が追ってることもあったんだな。」と小さくつぶやいた。

 

「よっぽど人気のない本だったみたいですね…、二人の名前しかない…。タイトルからすると哲学書みたいですね。」

「覚えてねーな…、」

「俺も覚えてないです。」

 

全部過去のことだ。幸せなことも苦しかったことも脳がどれほど錯覚をさせようと思っても無かった事にはならない。

二度と立ち上がれないほどにお互いを傷つけあった過去は確かに存在する。どれほど誤解を解いてもそれをなかった事にはできない。

 

 

今の自分たちを未来の自分が見て、あの時の誤解がって思ったりすることがあるのだろうか。

でも、その未来も二人で笑ったり文句を言ったりし合いたい。このまま手を放したくない。

 

「高野さん…、お話したいことがあります。」

 

 

後悔だけで人生を終えたくないから、今から未来のための大事な話をしよう。

だから涙を拭いてこっちを向いてくださいと、あと少ししたら言ってみよう。

 

 

ボロボロになった気持ちを当て布をするようにつなぎながら生きて来た二人だから…。

 

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