人狼ゲーム 狂信者の惨劇 ~The Atrocious Of Fanatic~   作:MOGIぴー

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第5話 狂気 ~Crazy~

「津岡さん・・・」

峰花は、変わり果てた姿になった津岡を見た。

部屋は血の匂いで充満していた。

「大駅さん黒ね、チェックメイト」

と琴石が強い口調で言った。

「はぁ、琴石さん偽物だったのね」

大駅が呆れ顔で、お手上げのポーズをとる。

「この試合は大駅さん吊って終わり、以上よ」

「何を言ってるんだアンタは・・・。黒はそこの緋野保だよ」

山月は顔に焦りを見せながら言った。

「え? 保、狼なの・・・?」

峰花がゆっくりと保のほうを振り返るが、そこにはいつもの保がいた。

「まさか・・・。ギャルの人は狂信者、そして大駅さんが黒で間違いないさ」

「何を・・・。私は狼なんかじゃないわ」

冷静だった大駅は明らかに動揺し始めた。人狼だから動揺しているのか、逆に人間だからか。

広間に戻ってもこの険悪なムードは無論、続いた。

「大駅さんは昼の間の発言に印象が無い。たぶん、頭の中が殺人のことでいっぱいな狼だと思って占ったら、見事に黒が出たよ、これ以上何も言うことは無いよ」

琴石は自分の黒を突き通そうとしている。

「みんな、琴石さんに騙されちゃだめよ。彼女はたくみに話術を使って、私を吊ろうとしてるんだわ」

と早口になる大駅。

「でも、真寄りなのは琴石さんのほうだし・・・」

峰花が言うと、大駅は目を見開いて、

「あなたまで私を黒だって疑うわけ!?」

と、ヒステリックな声をあげる。

大駅の顔は怒りに満ちていっているように見える。

「そうよ、大駅さんは白よ!」

山月も負けずに声をあげる。

「耳が痛いですわ。はやく処刑してしまいましょうよ」

福渡が言う。

広間は悲鳴と怒号で包まれていた。

 

投票時間が訪れた。

峰花はあのヒステリックになった大駅に衝撃を受けていた。

ただ、死にたくないからヒステリックになっただけかもしれない。

峰花は覚悟を決めて、大駅に票を入れた。

そしてモニターに、集計された結果が表示された。

「大駅4票 保2票」

「なんで・・・なんで・・・」

かすれた声で言いながら、力が抜けたのか、ぺたりと座り込んだ。

琴石は無言で、既に脱力している大駅のそばへ歩いて行った。

「遺言とか・・・あればどうぞ」

しかし、大駅から応答はない。

そのまま、琴石は用意されたナイフを右手に握った。

 

夜は訪れた。

峰花の頭の中は真っ白だった。

琴石は偽物だった。そして、福渡さんと保が狼・・・!?

そして、無実の大駅さんを・・・この手で殺してしまった・・・。

峰花は罪悪感に襲われていた。

そこに、人影は歩いてきた。

「楽しかったよ、姉さん」

その声で峰花は、涙でくしゃくしゃになった顔をぬぐって、振り返った。

そこには、殺意によどんだ目をした保が、ナイフを持って佇んでいた。

保の顔は「冷酷」と言い表せるほどに、生気を失っていた。

「ごめんな、姉さん。姉さんを殺して俺は勝ちだ」

普段より低い声で言う。

保は、持っていたナイフを構えた。

「サヨナラだ」

構えたナイフを、峰花の背中目がけて突き刺した。

「うっ」と峰花はうめき声をあげる。

保は刺したナイフを引き抜いて、もう一度背中を刺した。

刺し口から血が噴出する。

峰花は床に倒れこんだ。

倒れた峰花はそこで、保の顔を見上げて言った。

「サヨナラなんてできないわ」

弱弱しい声で保に言った。

「なに?」

保は動作を止めた。

そして、最期に峰花は笑みを浮かべて言った。

「私、猫又だから」

そう言うと、小刻みに震えていた体が動かなくなった。

保の顔色はやがて青くなっていった。

「じ、冗談じゃねぇ。ここで死んでたまるか!」

すると保は突然、痙攣を始めた。

「な、心臓発作だと・・・」

保は床に倒れ、苦しみだす。

そして、やがて動作は止まってきた。

「し、死ぬわけには・・・」

そう言って、手をドアのほうへ伸ばしたが、届きそうにない。

それから間もなく、力尽きたのか、うめき声は聞こえなくなり、部屋の中で動くものは時計だけであった。




カラオケに行きたいMOGIぴーです。
あれ、主人公の2人が死んでしまいました。
(弟の心臓発作が不自然なのは触れないでいただきたい)
思ったより、この話は短くなりそうで、次回あたり最終回を迎えるんじゃないでしょうか。
では、また次回。
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