疵面 生き残った男の子   作:sca

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これでたぶん終わりだ。


ダイアゴン横丁

 小汚いパブ「漏れ鍋」。

 その中に彼はいた。

 190を超える巨体、そしてそれだけで周りを威圧する眼光。

 安っぽそうな木の椅子を軋ませながら深く腰掛けるその姿はまるでマフィアのドンだ。

 周りには酒の空き瓶が散らばっている。

 店主を含めて周りの客は遠巻きに見ているだけだ。

 彼の名はハリー・ポッター。

 かつて世界を恐怖に陥れた闇の帝王を打ち滅ぼした「生き残った男の子」伝説の人物だ。

 

 

 ダーズリー家の引止めを振り切ったハリーだが、ハグリットのオサレ化が続いていたためほぼ会話なしのままこの漏れ鍋に到着したでオサレ化が解けたハグリットによって今説明が行われている。

 

 「つまり、お前はこの魔法界では英雄なんだ。ハリー」

 「…そうか」

 

 この妙な迫力を持つ男がハリーだとは信じがたいがとりあえず説明を行っているハグリット。

 いつの間にか大量の酒を飲んでいるところはスルーだ。

 

 「ハリー…?ハリーポッターか?」

 「アレが?」

 「嘘つけ、確か11歳のはずだぞ」

 「でも、額に疵が」

 「他にもたくさん在るじゃねぇか」

 「でも例のあの人を倒したなら普通じゃなくても…」

 

 周りも騒ぎ出す。

 そのとき店主が勇気を出してその真偽を確かめようとしたときだった。

 ハリーがハグリットの話を聞きながら戯れに空き瓶を手に取った。

 その瓶は上の部分が取れていた。

 正確には捻り取られていた。

 ハリーの桁外れの腕力によって壊されていたビンだ。

 それを正確に繋ぎ合わせて両の手で"握った"。

 

 「そうだな、大体の説明も終わったしそろそろダイアゴン横丁に行くか」

 「…ああ」

 

 そのまま立ち上がる巨漢二人。

 そしてテーブルに先ほど置かれていた瓶が置かれていた。

 "くっついた状態で"

 

 「…えっ…え、え~」

 店主が店の奥に行く二人と瓶を交互に見ながら困惑の声を漏らした。

 触ったり、持ったりしてみたが外れる様子は無い。

 あのハリーポッター?が魔法を使った様子は無かった。

 杖すらも持ってい無かったのになぜ。

 店主はもはやハリーポッターが本人かどうかなど忘れるほどの混乱状態に居た。

 客の一人が瓶に近づくとある変化に気づいた。

 「…この瓶、他の瓶よりも縮んでる」

 周りが怪訝な顔をしていると、いつの間にか居た無精ひげを生やした男が喋りだした。

 「聞いた事がある、深海では海底での圧力によりサッカーボールはピンポン玉サイズに、カップラーメンはおちょこ大のサイズにまで圧縮されてしまうと聞く。」

 彼の説明により店の住人すべてが理解した。

 あのハリーポッターがおこなったのは単純に握力でくっつけると言うなんともシンプルな物だった。

 なんというワザマエ!なんという男らしさ。

 その男は説明を終えるとテーブルに金を置いて颯爽と出て行ってしまった。

 彼の名はネビル、ネビル・ロングボトム。

 今年からホグワーツに入る一年生である。

 

 ダイアゴン横丁。

 そこは魔法使いの使う魔法道具が売られている横丁だ。

 非合法の物を多く使っているノクターン横丁もあるのだがここであまり説明しない。

 ハリーは今魔法使いにとって最も重要な道具、魔法の杖を買いにオリバンダー杖店へと足を運んだ。

  魔法使いにとって最も重要であるはずの杖を売っているにしては、店中は随分狭く、そしてみずぼらしい。

 中に入ると奥のほうから一人の老人が歩み出てきた。

 店の中には巨漢二人と老人が一人、もともと狭い店のためものすごく窮屈に感じる。

 ハグリットは用事があったのだが、自分のことは棚に上げてハリーが店を壊しそうだからと言う理由で付いてきた。

 

 「いらっしゃいませ。その巨体はよく覚えていますよ。樫にヘルハウンドの毛、23センチ。耐久性に優れる。折られてしまったと聞きましたが…。まだ役にたっているようでよかったですよ」

 「あ…ああ」

 傘の方を見ながら言われて少しきまづそうにするハグリットを無視してオリバンダーはハリーの方を見つめる。

 「今日はそちらの方の初めての杖をお買い求めで?」

 ハグリットは驚愕した。老人はハリーを、さらに言うならば新入生だと看破したのだ。

 なんという洞察力。

 「ああ。お前さんも知っているだろう。ハリーポッターだ」

 その言葉に一切の動揺を見せずにハリーを見つめ続けるオリバンダー。

 オリバンダーはなるほど、と呟くと店の奥へと消えていった。

 十分ほど経って戻ってきたオリバンダーが持っていたのは大量の箱だった。

 そしてその中に在る物は、杖、篭手、剣、鉈、チェーンソウ、斧、様々だった。

 呆然とした顔のハグリット。

 それもそうだろう、杖を買いに来たのに持ってこられたのが殆ど杖ではないのだから。

 しかもその杖ですら突起やチェーンなどが付いていてとても杖とは言えない物なのだから。

 

 「まさかこれらを持ってくる日が来るとは思いませんでしたよ」

 オリバンダーは感慨深げに品物を見る。

 「このチェーンソウは神をk「いらねぇ…」でしょうな」

 どこか苦笑したようなオリバンダー。

 既にハグリットは固まっている。

 「しかし杖が無ければ魔法が使えませんが如何しますかな?」

 「…」

 無言で箱に近づき中をまさぐるハリーポッター。

 中から取り出したのは変哲も無い眼鏡だった。

 ハリーはその眼鏡を掛けて言った。

 「これだ」

 「…純銀と東洋の魔物『鬼』の血で作った眼鏡。きわめて凶暴です」

 「……」

 ハリーはテーブルにガリオン金貨を無造作にばら撒くと固まったままのハグリットを連れて店を離れて行った。

 

 

 

 

 

 マルフォイ「話しかける?冗談じゃない、杖持ったってオレァご免だね」

 




授業のシーンとか如何しろと言うのだ。
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