仮面ライダー鎧武×結城友奈は勇者である   作:リョウギ

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第5話 進化、適応、救済

「こっからは、俺のステージだ‼︎」

友奈達の世界に持ち込んでしまった厄介ごと、セイリュウインベスを撃破するために鎧武が名乗りを上げた

それを影から眺める人影が一つ

『成る程……あれが、人間という存在が選んだヘルヘイムとの適応手段、なんだね……』

痩身な女性と思しきその人影は興味深そうに二人の様子を眺めて微笑む。ブロンドの長髪をかきあげた中からは赤と青のオッドアイが覗く

『まだデータが少ない。僕が、ディエヴオ達と同じ力を得るためには、アレが必要だからね……少し、おまけをあげよう』

人影はすっと虚空に影を伸ばすと、そこにクラックを出現させヘルヘイムの果実を一つ摘み取り、セイリュウインベスに放り投げる

『もう少し、頑張っておくれよ?』

 

 

「あれ……須美、これもしかしてあたし達大ピンチ……?」

「前門のシカ……後門のイガグリ……まずいわね抜け目がない……」

「ほへ〜なんだかすごい人が出てきたね〜」

須美達の後方から現れた緑の鎧の巨漢は城乃内の目の前に突き立ったノコギリを引き抜きながら肩に担ぎ直すと須美達へ向き直る

「もう大丈夫よ、小さなマドモアゼル達♪ すぐにこのケダモノを片付けるから少し待っててね」

優しい声色で須美達におどけて見せた巨漢はシカインベスに向き直り、ノコギリを構え直す

「あれ……もしかして味方……?」

「あぁ、そうだよ。あんな見た目だけど、すっげー頼りになる味方だよ」

立ち上がったシカインベスに間髪入れずにノコギリの連撃が命中していく。めちゃくちゃに振られてるように見えながら正確にシカインベスの体力を削いでいっている巨漢の動きはかなり訓練されているように見える

「さぁ、仕上げよ」

《ドリアン、オーレ‼︎》

緑に輝くエネルギーをまとったノコギリの一撃がシカインベスを捉えそのまま爆散させる

「ふぅ……待たせたわね。ボウヤ、あなたはその黒髪の子を乗せなさい」

「はい、凰蓮さん」

《ドングリ‼︎》

凰蓮と呼ばれた巨漢に促された城乃内は構えていた錠前を改めてベルトにセットし、カッティングブレードで錠前を開ける

《カモン‼︎ ドングリアームズ‼︎》

《ネヴァーギーブアーップ‼︎》

と城乃内の頭上からドングリ型の鎧が被さり、城乃内も凰蓮と同じ鎧の姿ーアーマードライダー・グリドンの姿に変わる

「えぇっ⁉︎ドングリでなんか変身した⁉︎」

「ど、どういうこと……⁉︎」

「まぁそれが普通だよな……ま、説明は後だ。こっから出るぞ」

凰蓮とグリドンは新しくバラと桜の描かれた錠前を取り出し、鍵を開いて放り投げる

錠前は複雑な機構で変形するとなんと2台のバイクに変形した

「ほわ〜カッコいい〜」

園っちと呼ばれていた子が目を輝かせている中、他二人はもう何がなんだかといったていで放心していた

「えっと……そこの黒髪の子‼︎」

「はっ……⁉︎ 私は鷲尾須美です!」

「あー、じゃあ須美ちゃんは俺の後ろにでそっちは……」

「あたしは三ノ輪銀!」

「乃木園子だよ〜♪」

「ウィ、銀と園子はワテクシの方に乗りなさい。しっかり掴まるのよ?」

三人は一瞬逡巡したが二人が恐らく事情に詳しいと信じて大人しくグリドンと凰蓮に従ってバイクの空き部分に乗り込み各々しっかり掴まった

「それじゃ、いくわよ〜♪」

「へ、行くってなにーおわぁああああああ⁉︎」

「きゃーーーーー♪」

「いやああああああああ⁉︎」

かなり不穏な凰蓮の言葉が早いか、それぞれのバイクが一気に加速する。約1名を除く2人の絶叫が森にこだまする中2台のバイクは正面に開いたクラックに吸い込まれていった

 

 

「うおりゃあ‼︎」

ギャリィン‼︎ ガギィン‼︎

鎧武の手にした刀・大橙丸と無双セイバーがセイリュウインベスの表皮に連続で打ち込まれるが、乾いた音と共に斬撃が弾かれていく

「やっぱりこいつでないと効き目が悪いか…!」

《パイン‼︎》

《パインアームズ!粉砕、デストロイ‼︎》

硬いセイリュウインベスに合わせて鎧武はパインアームズに鎧を換装、持ち替えたパインアイアンをセイリュウインベスに叩きつける

ゴィイン‼︎

《シ、シィイィ……‼︎》

やはり打撃に弱いようでセイリュウインベスが目に見えてよろめく

「追い討ちさせてもらうよ」

すかさずデュークが手にした弓ーソニックアローでセイリュウインベスを狙撃し確実にダメージを与えていく

「進化インベスとはいえ所詮こんなものか」

《ロックオン》

つまらなそうに吐き捨てたデュークはレモンエナジーロックシードをソニックアローに装填しセイリュウインベスに狙いを定める

その瞬間、セイリュウインベスになにかがぶつかり地面に転がる

「ん?」

「あれは……⁉︎」

セイリュウインベスの目前に転がってきたのは紫色の毒々しい果実ーヘルヘイムの果実だ

これ幸いとばかりにセイリュウインベスが果実に食らいつき飲み込むが早いかその体が緑に輝き変質していく

「しまった……‼︎」

輝きが落ち着いた中にいたのは全身に金色の装飾が増え、爪が巨大化したセイリュウインベスであった

ヘルヘイムの果実はインベスにとって過剰なまでのエネルギー源、そのエネルギーがインベスを無理矢理進化させたのだ

「ふん、今更強くなっても遅いね」

《レモンエナジー‼︎》

エネルギーの充填が完了したソニックアローから必殺の一矢が放たれ、セイリュウインベスの体を貫くーはずだった

キィン‼︎

「何?」

パインアイアンで傷ついていたセイリュウインベスの表皮が、鎧武よりも高スペックなゲネシスライダーの一撃を弾いた

あまりにあり得ない事態に凌馬ですら絶句する

《ガロロロロロロロロ‼︎》

射撃に逆上したのかセイリュウインベスは鎧武からデュークに狙いを変えて襲いかかる

辛うじて攻撃をいなすデュークだが、明らかに押されている

「くっ……まさかこんな進化をするとは、どこまでもヘルヘイムは底が知れないな……‼︎」

「ハァっ‼︎」

《ミックス‼︎ジンバーレモン‼︎ハハーッ‼︎》

隙を見てジンバーレモンに鎧を換装した鎧武がソニックアローで渾身の一撃をセイリュウインベスに叩き込む、がこれも乾いた音と共に弾かれてしまい、デュークもろともに吹き飛ばされる

「ッ……!こいつなんて硬さだ……‼︎」

「キミはバカか?キミのその形態はゲネシスライダーと互角だ。私の攻撃がほとんど効いてない相手に何故それを出す?」

「うるっせーな‼︎じゃあ科学者らしくなんか考えろよ‼︎」

「策ならキミが持っているじゃないか。前に貴虎とドンパチやった時、使っていた非正規のロックシード。あれならまだ可能性があるだろう?」

凌馬が言っているのはカチドキロックシードのことだろう

以前、ある意外な人物が絋汰にプレゼントした「運命をぶっ壊す力」たしかにカチドキならゲネシスと対等以上に戦える分まだ攻撃が通用する可能性はあるが……

「……ヤダね、なんかお前の目の前で使ったらジロジロ分析されそうだ…」

「手厳しい……まさか日頃の行いがこんな裏目にでるなんてね」

とひとしきりの議論が終わるやいなやセイリュウインベスの追撃が鎧武とデュークを襲う

「くっそ……‼︎このままやらせるかよ……ここは友奈の世界、別世界にまで迷惑はかけねぇ‼︎」

気合い一喝、鎧武はソニックアローを構え直す

その時、淡い桃色の風が鎧武の脇を駆け抜ける

「勇者、パーーーーーンチ‼︎」

ズガァァン‼︎

「………いったぁ……」

《ガロロロロロロロロ‼︎》

ドガッ‼︎

「きゃあっ‼︎」

セイリュウインベスに吹き飛ばされて鎧武の目前に転がってきたのは勇者の姿に変身した友奈だった

「友奈‼︎ なんて無茶してんだ……‼︎」

「いたた……ごめんね、絋汰さん。みんなの避難が終わったから手伝いに来たんだけど……」

助け起こした友奈は笑顔でそう答える

「……ダメだ」

「……えっ?」

「このインベスは俺の不始末で、俺の世界の厄介ごとで……そんなことのために、違う世界で戦う君たちを無駄な危険に晒したくないんだ」

「………」

いつになく真面目な口調で話す鎧武の言葉に友奈は口をつぐむ

「だから大丈夫だ、友奈。こいつは俺が、ぜってー倒す‼︎」

鎧武は意を決して新たなロックシードー凌馬が提示した可能性であるカチドキロックシードを構える

その瞬間

「勇者部五箇条ォーーー‼︎ ひとぉーーーーつ‼︎」

「おわっ⁉︎なんだ?」

「悩んだら、相談‼︎」

そう元気よく叫んだ友奈は、逃げるどころか立ち上がって鎧武の横に並び立つ

「友奈、お前……‼︎」

「絋汰さんの言いたいこと、よく解る。私たちも、もし別世界に飛ばされて、バーテックスがそっちでも現れたら私たちだけでなんとかしようと思うと思う」

「あぁ、だから……」

「でも私は、今ここに絋汰さんたちの手があるなら、掴みたい‼︎ 普通なら伸ばしても届かないけど、今はこうして手を取り合える‼︎」

あっけらかんと言ってのけた友奈はロックシードを握る鎧武の手を優しく掴む

「絋汰さん、ここに来た時バーテックスを倒してくれたんだよね?」

「……あぁ、アレは成り行きというか、体が勝手にというか…」

「私も同じ。きっと私が勇者でも、勇者でなくても、私はこうして絋汰さんの手を取ったと思う」

絋汰が「けじめ」という言い訳に隠していた甘い本心をなんともないことのように言ってみせる。友奈の笑顔には不思議と力を感じた

「だから私は勇者として、勇者部として……ううん、結城友奈として‼︎ 絋汰さんたちを全力で手伝うよ‼︎」

気合い十分に友奈がセイリュウインベスに対して構えをとる

「……ハハッ、敵わないな……勇者様、いや結城友奈様には…」

「そう言われたら、なんか恥ずかしいな……」

「ありがとな、じゃあこっちも全力で、助太刀頼ませてもらうぜ‼︎」

鎧武が、絋汰が拳を友奈に突き出す

「うん‼︎任された‼︎」

コツンと友奈が拳を返す

「うし‼︎こっからは、俺たちのステージだ‼︎行くぞ友奈‼︎」

「うん‼︎勇者部、ファイトーーーー‼︎」

それぞれの掛け声とともに気合いを入れ直した2人はセイリュウインベスに突撃、各々の一撃を同時に叩き込む……が

「かってぇ……腕が痺れた……」

「いったたた……拳が割れちゃいそう……」

まぁ無論気合いで通るほど相手もやわではない。セイリュウインベスは涼しい顔をして2人を受け流して行く

「くそ……友奈が加わっても動じないなんて、こいつどんだけ強くなってやがるんだ……?」

「ごめん、絋汰さん……」

「気にすんな、俺たち2人でも苦戦してたんだ」

「ーだったら、更に5人追加でどうよ‼︎」

ガギン‼︎ゴィン‼︎ギィン‼︎

たじろぐ鎧武と友奈の背後から追いついて来た風、夏凛、園子がセイリュウインベスに攻撃を叩き込み押し返す

「風先輩、夏凛ちゃん、園っち‼︎」

「かったいわね、こんのォ‼︎」

「自分から勇者部五箇条叫んどいてあたしたちに頼らないとか、全く友奈らしいというかなんというか……ッ‼︎」

「私たちも絋汰さんたちを助けたいって思ってるのは一緒だよ〜ゆーゆ〜」

三人がかりの押さえつけさえ振り切らんとするセイリュウインベスに更に後方から射撃が撃ち込まれ、その体にツタのようなものが巻きつく

「私も……最初は怖かったけど……絋汰さんたちも戦ってるから、私も頑張る‼︎」

「……疑ってしまってごめんなさい、あの時の借りはここで返します‼︎」

「樹ちゃん……東郷……ありがとな‼︎」

「ちょっと絋汰さん⁉︎礼とか呑気に言ってるくらいなら早くなんとかこいつ倒す方法考えて‼︎私たち4人で押さえつけきれないってコイツバーテックスよりタフじゃない……‼︎」

勇者の力が生半ではないのはあのバーテックスとかいう巨大な怪物を粉砕したことからもよく解るが、セイリュウインベスはそんな勇者4人分の全力をあろうことか既に振り切らんとしている

「あぁ、すまん‼︎ 今行く‼︎」

《カチドキ‼︎ オォー‼︎》

鎧武が手にしたロックシードを解錠するとその頭上に今までのものと比べてもかなり大きいオレンジ型の鎧が召喚される

(ようやくあのアームズの分析ができそうだ…)

《ソイヤッ‼︎》

《カチドキアームズ‼︎ いざ出陣‼︎エイ、エイ、オー‼︎》

ベルトに装着されたロックシードが解放されると同時に重量級の鎧が鎧武へと被さりカチドキアームズへの変身が完了する

背中に二本の旗を背負ったその姿はまさに将軍といった趣きである

「風、夏凛、園っち、下がれ‼︎」

鎧武の号令に従い、三人がインベスの前から下がり、樹の拘束も一旦解かれるとすかさず鎧武は大砲ー火縄大橙DJ銃を腰だめに構え、セイリュウインベスを撃ち抜く

ズドォン‼︎

《ガロッ⁉︎》

まさに大砲そのものな轟音と共に放たれた弾丸はセイリュウインベスに直撃、爆発し、今まで身じろぎすらしなかったセイリュウインベスにを大きく仰け反らせた。確実にダメージが入っている

「やった‼︎」

「すごい力……正に切り札って感じね‼︎」

友奈と風が歓喜の声を上げる中、鎧武は冷や汗をかいていた

(カチドキでもあんなダメージだけかよ……‼︎)

カチドキアームズの武器、火縄大橙DJ銃は元々進化インベスすらも一撃で爆砕する威力がある。そんなDJ銃ですら仰け反る程度、今のセイリュウインベスは規格外に進化しているのが嫌でもわかる

「でも効いたなら、あとはやるだけだ‼︎」

DJ銃を無双セイバーと合体させて鎧武が突撃する。その重い一撃はたしかにセイリュウインベスを押し返す

「よーし‼︎私も‼︎」

「待ちたまえ、結城友奈」

鎧武に加勢しようとする友奈をデュークが制止する

「キミが今行ってもあのインベスには恐らく有効打は与えられまい。下手をすれば葛葉絋汰の足手まといだ」

「あう……そうだけど……」

「そこでキミにこれを進呈しよう」

とデュークが友奈に差し出したのは、イチゴの形をしたロックシードだった

「これって、絋汰さんたちが使ってる……」

「私たちと似ている特別な力を持つキミたちなら、理論上はアーマーの召喚が可能なはずだ。これでならあのインベスにも有効だろう」

「‼︎ありがとう、凌馬さん‼︎」

元気いっぱいに深々と頭を下げてデュークに礼を言うがはやいか、友奈が鎧武の援護に向かう

(ふふ、クロステストといこうじゃないか。勇者システムとやら、たっぷりとデータをとらせてもらうよ?)

その後ろで邪悪な笑みと眼差しを向けるデューク、戦極凌馬に気づかないままに

 

 

ヘルヘイムの森・深部

『待たせたね、ディエヴオ』

クラックからゆっくりと歩み出てきたのは鎧武やデューク、友奈たちを観察していたオッドアイの女性

『ジェイ、目当てのものは得られたのか?』

『あぁ、人間の発明も捨てたものじゃないね。戦極ドライバー、ゲネシスドライバー、ロックシード、どれも面白い』

ディエヴオの問いにジェイと呼ばれた女性はくっくっと笑みをこぼしながら答える

『まぁ、どれも僕には単純すぎたがね……先にキミたちに必要なロックシードの方を仕上げよう』

『助かる。これでまた、救済へ一歩近づいた』

ディエヴオはどこか満足気に背後を見上げる

ディエヴオの視線の先には、ヘルヘイム植物に覆われてもがく巨体ーバーテックスの姿があった

『利用させてもらおう、そちらの神の遣いよ』




はいちょっと遅れてやっと5話です
やっとクロスオーバーらしくなってきましたw

個人的推しの鷲尾須美、三ノ輪銀、乃木園子(小)のわすゆ組と凰蓮、城乃内のシャルモン組が出せてテンション爆上がり中ですw

ディエヴオに協力してる謎の女性、ジェイやら囚われのバーテックスやら、凌馬やら気になる展開がいよいよ始まりましたよ……
次回もお楽しみに!
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