スマートブレイン社設立から約1年。
既に社会に浸透した社名は、だいたいの人に聞けば「あぁ、あの会社でしょ!」となるレベルまで到達した。
壊れにくく、程よく高い性能が人々に好感を生んだのだろう。
初期の方に販売していたのは家電がメインだったが、現在は食品類の方向へ事業拡大しようと考えている。
そしてその裏で、拓海は戦闘訓練を積んでいた。やはり前世はただの一般人なので、訓練はしっかり積むべきだと考えている。
内容は高速移動する的の射撃、超硬質素材を蹴りで破壊、大量の的をファイズエッジで斬るタイムアタックなどだ。
そんな事をしているので、表側の社長を村上という青年に任せている。
現在は学校経営も視野に入れているという事だ。
食品分野と学校経営が同時に行えれば、給食などで使う食材も確保できたりするので、低コストで済むそうだ。
こうして会社経営もしっかりと進めてもらいつつ、こちらの戦闘サポートや新たな武器開発などを円滑に進めてくれていた。
そんなある日。
主要都市の監視カメラはスマートブレイン製へと切り替わり、突然の怪人・怪物出現に備えていた。もちろん、復活まであと1年はある。対策をして、アイツを……映司を戦いに巻き込まないようにしないといけない。
本題に入ろう。まだ復活しないはずのグリードが復活したようだ。
俺というイレギュラーが存在したせいなのか、一体復活したようだった。
俺はスマートブレイン社から緊急出動した。
オードバジンを走らせ、グリードの居る場所へと向かう。数十分程で目的地に着いた。
「お前……オルフェノクなのか?」
その怪人の体は灰色一色だった。
「いかにも。我はオルフェノクグリード、ガーラ。死者蘇生と進化への欲望により、死体から作られたコアメダルのグリード。」
「そんな情報、漏らしていいのか?」
「構わん。なぜなら、今ここでお前が死ぬからだ。」
「なるほど、冥土の土産にってか!そうはいくか!」
ファイズギアを装着し、ファイズフォンにコードを入力する。
〈 5 5 5 〉
『standing by…』
「変身!」
『complete!』
フォトンブラッドが拓海の体を包み込み、その体を仮面ライダーファイズへと変身させる。
オードバジンのハンドルを抜き取り、ファイズエッジを構える。ガーラと向き合う。
「ってか、今気づいたが……なんでオルフェノクがこの世界にいるんだよ。」
早々に片付けるため、ファイズエッジでオルフェノクグリードを斬り伏せようとする。
が、スレスレで避けて来る。余裕だと言わんばかりに。
「チッ、流石はグリードか…。」
グリードの厄介さを確認しつつ、ファイズフォンを銃モードに変えて、構えるのだった。