ウマ娘 プリティーダービー 〜レース前には欠かせない存在〜 作:てこの原理こそ最強
日本ダービーが終わって次の宝塚記念。期待されていた「チームリギル」である“エアグルーヴ”さん。容姿端麗、学業優秀。何でも完璧にこなす才媛。まさしく高嶺の華と学園では呼び声が高いウマ娘。そしてその能力にふさわしい高すぎるプライドを持つウマ娘。しかし1着は最後まで逃げ切ったスズカ。エアグルーヴさんは最後に追い上げを見せるもの届かず3着だった
そしてそんな絶好調な「チームスピカ」に“メジロマックイーン”さんが入ったと聞かされた。名門メジロ家に生まれたお嬢様であり落ち着いた淑女的な物腰と気品から、周りから羨望の的となっている。自身の血筋に強い誇りを持っており、母と祖母が獲得した「天皇賞」で3世代勝利を目指しているらしい。入学当初からメディカルルームに来ては特に会話もせずに本を読んでいた。なんでメディカルルームなのか一度聞いてみたら「図書室よりもここの方が静かですし落ち着けますので」と言われた。オレとしては結構騒がしいと思うのだが…
「と、また来てるんですね」
「あら、先生はわたくしがいてはご不満ですか?」
「いや不満云々というわけではないんですがね?」
「ならいいではありませんか」
「まぁいいですけどね。お茶でも淹れますね」
「ふふっ、さすが先生。ありがとうございます」
「先生!私も飲みたい!」
「あなたはいつの間に来たんですか、ゴールドシップさん」
ゴールドシップさんが部屋に入ってきたことさえ全く気がつかなかった。いつものメンツだったらすぐわかるんだけどな。危機察知的な感じで
「マックイーン迎えにきた。ほら明日の祭りの準備あんだから!」
「その準備とやらにわたくしを巻き込まないでください」
「私にはお前が必要なんだよー」
「うっ…も、もうその手には引っかかりませんよ」
もしかしてメジロマックイーンさんって押しに弱いタイプかな
「そんなー。頼むよーマックイーン」
「ちょっと!どさくさに紛れてスカート触らないでいただけます!?殿方がおりますのよ!?」
腰と背中を曲げながらメジロマックイーンさんのスカートをヒラヒラと揺さぶるゴールドシップさん。オレはスッと目をそらす
「さ、もういい時間ですので寮に戻りましょう」
「えっ…」
「おっ、もうこんな時間だったのか。ほら帰ろうぜ、マックイーン」
「…」
持っていた本をカバンにしまうメジロマックイーンさん。その姿はどこかさっきまでの元気はなくなった感じがした
「お茶はまた今度にしましょう」
「っ!はい!」
「???」
明日はトレセン学園のファン大感謝祭でお祭りが開催される。去年と一昨年もこれを経験したがそれはそれはたくさんの人が参加する。いろんな出店も出店予定らしく今年も盛り上がるだろう
一方でそのお祭りをチャンスと思っているウマ娘達はどうなっているのか
ーサイレンススズカの場合ー
「ふふふん」
「スズカさん、なんかご機嫌ですね」
「えぇ、明日はお祭りだもん」
「そうですよね!明日は
「え…」
「えっ、スズカさんは一緒に回らないんですか…?」
「……そ、そうね。みんなで楽しみましょ」
「はい!」
「…先生」
ーシンボリルドルフの場合ー
「明日はいよいよ祭りだな」
「そうですね」
「…なぁフジキセキ」
「はい、なんでしょう会長」
「明日の休憩時間、先生は私と一緒に回ってくれると思うか…?」
「先生は多忙な方です。でも会長が直々にお願いすれば大丈夫でしょう」
「そ、そうか。うん、そうだな。ふふっ、ふふふ」
(先生の話をしてるときの会長は本当に乙女だな)
ーマルゼンスキーとタイキシャトルの場合ー
「ふふふ〜ん」
「…」
「タイキは寝るの早いわね〜」
「…」
「あんな笑顔で。楽しい夢でも見てるのかしら」
「…エヘヘ、センセー」
「っ!」
「センセー、ワタシのキャロット取っちゃノーデス」
「…絶対負けないわ。明日は絶対私が先生をゲットするんだから」
ーエルコンドルパサーとグラスワンダーの場合ー
「…エル、同じチームの仲間同士争いはよくないと思うの」
「同感デース。競争以外のところで争い事はよくないデス…」
「なら今回は引いてくれないかな…?」
「それはできない相談デス…」
「そうよね…私だってそうだもの…」
「わかってマス…だから明日は…」
「「絶対私(ワタシ)が先生(センセー)と一緒に回る(りマス)!!!」」
ーダイワスカーレットの場合ー
「先生は明日どこにいるのかしら」
「なぁー、もう寝かせてくれよー」
「うっさいわね!寝るなら早く寝なさいよ!」
「電気消さないと寝れないの知ってんだろー!」
「こっちだって明日のことで寝れないのよ!」
「なら今日先生のとこ行けばよかったろ」
「そ、そんな!急に行ったら失礼かもしれないじゃない…」
(めんどくさいなー)
ーメジロマックイーンの場合ー
「…次はお茶請けのお菓子でも作ってさしあげましょうか」
みんな違ってみんないい
そしてお祭り当日、まだ始まっていないのにスゴい人数が集まっている
『これより秋のトゥインクル・シリーズ、ファン大感謝祭を開始します。心ゆくまでお楽しみください』
生徒会長さんのアナウンスで祭りが開始された。どこかの会長ファンのウマ娘はこのアナウンスだけで興奮がMAXになりそうだな
「あ、先生ー!」
「こんにちはー!」
「先生!人参焼き食べなーい?」
「また後で伺いますねー!」
「言いましたねー!」
「言質取りましたよー!」
出店の中を歩いているといろんな娘が声をかけてくれる。これだけでも先生冥利に尽きるってものだな
「せーんせ」
「マルゼンスキーさん。お祭り楽しんでますか?」
「えぇ。先生に会えたから最高よ!」
「それはよかったですね」
「ぶぅ〜。先生はもう少しドキドキしてくれてもいいと思うんだけどな〜」
「こんな美人さんと会えたんです。ドキドキしないわけないでしょう」
「っ!ど、どうせみんなに言ってるんでしょ…もう、ズルいわよ…」
「…似合わないことしました、忘れてください」
「やーよ」
舌をペロッと出してあざとく笑うマルゼンスキーさん
「ねぇ、私以外に誰か来た?」
「?誰かとは?」
「いつものメンツよ。ウチの会長やスズカとか」
「あぁ、そういえば今日はまだ会っていませんね」
「ということは私が一番乗りのようね」
影で小さくガッツポーズしてる姿を見たことは言わないでおこう…
それからお祭りを楽しんでいく内に1人、また1人と集まってきて最後には大所帯になって周りからめちゃくちゃ見られた