ウマ娘 プリティーダービー 〜レース前には欠かせない存在〜   作:てこの原理こそ最強

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第18R

 

宝塚記念はグラスが2着のスペシャルウィークさんと5バ身ほど離して決着となった。聞くところによるとグラスはいろんな意味で異様なやる気に満ち溢れていたという。これはオレが悪いのか…?

 

レース前、スペシャルウィークさんに「君は何のために学園に来て、何のために走ってるんですか?」と聞いた。そしてら「スズカさんと走るためです!」と即答されそそくさと行ってしまった。スズカにかまけてオレの話なんか聞く耳持たずって感じだった。まぁでもスピカのトレーナーがなんとかするだろ。一応はトレーナーなんだし

 

「うっし、痛みはないな?」

 

「はい」

 

「ならもう大丈夫みたいだな」

 

「それって…」

 

「あぁ。遅くなってすまなかったが、これでようやく復帰できるぞ」

 

「そう、ですか…」

 

「どうした?気乗りしてないみたいだが」

 

「…先生、私ってチームにとって迷惑じゃないでしょうか」

 

「…なんでそう思う?」

 

「みんな私に合わせてくれて練習のペースが遅くなってるんです」

 

「そういうことか」

 

オレはスズカの前に立ってスズカの額に手を近づける

 

「こんのおバカ」

 

「あぅっ!」

 

そしてデコピンをくらわす

 

「迷惑かけてなんぼのチームだろ。誰かが困ってたらみんなで支える。支えられる方は違うもので返す。その繰り返しがチームでしょうが」

 

「でも…」

 

「でもじゃない。ならチーム全員に聞いてみろ、私いたら迷惑だよね?って」

 

「そんなの、みんな気を使って否定するに決まってます!」

 

「だろうな。でもそれは気を使ってるからじゃない。みんな本心で迷惑なんて思ってるわけないと思うぞ」

 

「先生…」

 

「チームに、特にあのトレーナーには大いに迷惑をかけろ。その代わりに誰かが困ってたら助けてやれ」

 

「…はい!」

 

まだ完全に不安が解消されたわけではないだろうがあとはスピカのトレーナーに任せるしかないな

 

そしてオレは海を飛び越えフランス、パリの地に降り立った

 

「あ、センセー!」

 

「おっと。ちょっと逞しくなったか?エル」

 

「ブゥ〜!ワタシは太ってなんていまセン!」

 

「そういうことじゃないさ。顔つきがな」

 

「エヘヘ〜。美人になりましたカ?」

 

「エルは最初から美人さんじゃないか」

 

「っ!」

 

「さっ、ホテルに案内頼むよ。英語ならともかくフランス語はさっぱりだ。ん?エル?」

 

「な、なんでもないデス!」

 

「お、おい!ちょっと待てよ!」

 

久々の出会い頭抱きついて来たと思いきや今度はスッと離れて走って行ってしまった。ホテルどっちだよ…

 

その後、戻ってきたエルと一緒に綺麗な街並みを見ながらホテルに向かった。さすがは「花の都」と呼ばれ世界一美しい街並みと言われているだけのことはあると実感した。日本とは違い道路も歩道も広いし多くの人で賑わっている

 

「センセー、美人に見とれちゃダメですヨ!」

 

「誤解を招くことを言うんじゃない。街並みを見てるだけだ」

 

「ならいいデス。今はワタシだけのセンセーですヨ!」

 

「だからそういう誤解を招く発言は…」

 

いつの間にかエルと手を繋ぎながら歩いている。まぁ逸れたりしたら面倒だしな。エルが

 

ホテルにチェックインしてすぐエルのトレーニングが始まった。オレはそれを見学し馴染みのない外の世界でエルがどんな風になってるか見させてもらった。そこから調整のプランを立てていった

 

「やっぱり慣れてない環境だから疲労がすごいな。ちゃんとストレッチしてたか?」

 

「ギクッ!」

 

「エルー…?出国する前に約束したよな?トレーニング後のストレッチは必ずしろよって」

 

「ハイ…」

 

「はぁ…横になんな」

 

「久しぶりのセンセーのマッサージデス!」

 

「現金な奴め…」

 

エルの部屋に行ってベッドにうつ伏せに寝かせまずは肩と背中にかけてほぐしていく

 

「日本にいたときに比べて少し硬くなってるぞ。何日サボった」

 

「サボってないデス!トレーニングがハードでシャワー浴びた後すぐに寝ちゃうんですヨ…」

 

「だったら朝にやるとかもあったろ」

 

「朝は寝てたいんデス!」

 

「威張って言うことじゃないだろ」

 

肩が少し硬くなっていた。これでは腕の振りも小さくなって走るスピードに影響が出る

 

「前より背筋はついたな」

 

「んっ…頑張り、マシタから…んぁっ!」

 

「わるい、痛かったか?」

 

「センセー…もっと…」

 

「よだれを拭きなさい」

 

エルは顔に出るからわかりやすいな〜

 

「次、足な」

 

「ふぁ〜い」

 

「う〜ん、ちょっと凝ってるかな」

 

「きゃんっ!センセー、そこはくすぐったいデス」

 

「少し我慢してくれ」

 

「ひゃん…ん〜…」

 

「よし、後は軽くやって終わりだな」

 

それから5分ほどして今日のところは終了した

 

「うっし、終わったぞ。あれま」

 

「すぅ…すぅ…」

 

「寝ちまったか」

 

途中から声が聞こえないと思ったら既に眠りの中に入ってたみたいだ。オレは布団をかけてエルのチャームポイントでもあるマスクを外してベッド横の机に置く

 

「頑張れよ」

 

最後にエルの頭を一撫でして自分の部屋に戻ってオレも就寝した

 

 

 

 

 

 

次の日の朝はエルの大声から始まった

 

「センセー!!!」

 

「おう、おはよう。よく眠れたか?」

 

「そんなことヨリ!昨日マスクを外したのって、センセーですカ!?」

 

「ん?そうだけど?」

 

「ッ〜〜〜〜〜〜!!!!!」

 

「ど、どうした!?」

 

「センセーに素顔を見られたデス!恥ずかしいヨ〜!」

 

自分の顔を手で隠して頭をブンブン振っているエル

 

「す、すまん!寝るときは外すものかとばかり…」

 

「確かに外しますケド!マスクなしの顔を見られるのは恥ずかしいんデス!しかもセンセーに…」

 

「えっと、その…か、カワイかったぞ…」

 

「っ!バカーーー!!!」

 

えー…

 

 

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