ウマ娘 プリティーダービー 〜レース前には欠かせない存在〜   作:てこの原理こそ最強

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第19R

 

フランスでエルと合流して次の日の日中はエルの練習を見学していた。そこには各国の競合ウマ娘と呼ばれる娘達がたくさんいた

 

「センセー!」

 

「ん?」

 

「コーチからデス!」

 

エルが自分の携帯の画面をこちらに向けた。そこにはリギルのトレーナーとルドルフもいた

 

「これはこれはお二人とも、こんにちは。あ、そちらの時間帯ではこんばんはですね」

 

「ふっどちらでもかまわんさ。エルのこと改めてありがとう」

 

「いえ、元はと言えばエルが駄々っ娘なのが原因でしょうから」

 

「あ!先生ひどいデス!」

 

「事実だろ」

 

『エル、先生に迷惑をかけていないだろうな』

 

「会長!私がセンセーに迷惑なんてかけるわけないデス!」

 

「言いつけを守らなかったのはどこの誰だっけ?」

 

「うぐっ!」

 

エルは指摘に対して顔をしかめる

 

『ところで、エルの状態はどうだ?』

 

「その辺はご心配なく。エル自身すごく努力していることが見受けられます」

 

『そうか。君がそういうなら問題はなさそうだな』

 

「はい。あとは体調管理ですが腹でも出して寝なければ大丈夫でしょう」

 

『ふふっ、エルならあり得そうだ。頼んだぞ?先生』

 

「あぁ任された」

 

「もぅ!センセーも会長もイジワルばっかり!」

 

プクーっと頬を膨らませるエル。こういうところも末っ子と評される所以なのかな。でもエルだけじゃかわいそうだな。ふむ...

 

「ところでルドルフ」

 

『ん?何だ先生』

 

「いつだかにあげたあの人参抱き枕がないとまだ眠れないのか?」

 

『なっ!』

 

その発言にいつも冷静な生徒会長様は驚きを隠せなかった

 

『先生!』

 

「センセー!その話詳しく教えてくだサイ!」

 

『ほぉ...ルドルフにもそのような一面があったとは』

 

『トレーナー!今はそんなもの使っていません!』

 

「そうか、もうあれは捨てられてしまったのか」

 

『そんなわけがないだろう!先生からもらった大切なものなのだ!今でもきちんと取って...はっ!』

 

「ははっ、そんなに喜んでもらえてるとはな。ありがとう」

 

「こんな取り乱す会長初めて見ました!会長かわいいデス!」

 

『いい話も聞けたところで我々はもう退散するとしよう。エルのことよろしく頼む。エル、頑張れよ』

 

「了解です」

 

「ありがとうございますコーチ!」

 

『いいかエル。先程のことは他言しないように。先生はこっちに戻って来たときは私の元へ来るように!』

 

「はいはい。おやすみ」

 

からかいすぎたか。まぁあんなルドルフ滅多に見られるものではないだろうし良しとしよう

 

その夜、今度はオレの携帯が鳴り画面には“兄”と表示されていた

 

「もしもし」

 

『あー俺だ。すまんなこんな時間に』

 

「まだ寝る前だったから大丈夫だ。珍しいじゃないか電話なんて」

 

『ちょっと相談がな』

 

「どうしたそんな覇気のない声で。確かスピカは今合宿で海に行ってるんじゃなかったか?」

 

『そうだがよく知ってるな』

 

「マックイーンから手紙でな」

 

『そうか。実はスズカとスペなんだが』

 

兄によるとスズカは怪我の再発が足枷となって前のように全力で走れないそうだ。そしてそんなスズカを心配するスペシャルウィークさんも練習に身が入っていないらしい

 

『どうしたらいいのか』

 

「それを考えるのがトレーナーとしての仕事じゃないのか?」

 

『わかってる。だが俺が考えつくのはどれも荒療治な方法ばかりだ。もしかしたらそれがトラウマになるんじゃないかと思ったらな』

 

「スズカの足は完全に治ってるしあとは気持ちの問題だ。自身でできないのなら他の人がやってやるしかない。それに、二人とも荒療治なことなんかで心折れることはないだろう。それはあんたが一番わかってるんじゃないのか?」

 

『...そうだな』

 

「それと、あんたの気持ちをそのままぶつけてみろよ。案外感化されるんじゃないのか?」

 

『そんなもんか?』

 

「心なんて些細なことに揺さぶられるもんだ。プラスのことにしろマイナスなことにしろな。頑張れよチームスピカのトレーナーさん」

 

『おう!ありがとな!』

 

通話はそこで終了した。まったく...こちとらどっかのチームに片寄ってのができないってのに

 

「さて、続き続き」

 

オレは携帯を机に置きオレ宛に届いた大量の手紙を開封していた

 

「スキー、グラス、ハヤヒデ、シャル。へーオグリが手紙なんて珍しいな。んでブライアンと、スキーまたかよ...グラスまで。はぁ...あいつらは何通送ってくるつもりだ?」

 

スキーに関しては手紙と一緒に婚姻届まで入っている。ちょっと恐怖すら感じるぞ

 

「シャルは相変わらず字が下手だなー。『センセー!!!』...内容を書け」

 

「オグリは『お腹減りました』いつも減ってんだろうが」

 

「ブライアンは、『先生がいなくて寂しい。鍛錬に身が入らない』か。こんな感じで他の娘の前でも素直になればいいのに」

 

とこんな感じで何十通も来ていた手紙を一つ一つ読んでいって返答が必要なもののみを送るための準備で夜は更けていった

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