ウマ娘 プリティーダービー 〜レース前には欠かせない存在〜   作:てこの原理こそ最強

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第24R &第24.5R(上)

日本中が歓喜に湧いたであろうジャパンカップ。日本の総大将たるスペシャルウィークが最強ウマ娘とも呼ばれたブロワイエを倒したあのレース。人々の記憶からなくなることはないであろう

 

そのレースの直後には有マ記念がありスペシャルウィークとグラスワンダーが激突。一着の判定はその二人の写真判定までもつれ最後にはグラスワンダーが勝利となった。その日の夕方、学園では一人の教師がとあるウマ娘に勢いよく抱きつかれバランスを崩し、机の脚に頭をぶつけて意識を失ったとか...

 

あの感動から三年、ついにスピカのメンバーが全員出走するという夢だったレース、ドリームトロフィーの開催が決まったのである。しかしこの三年、いいこともあれば当然よくないこともあった

 

チームスピカはスペシャルウィークのあのレースに感化されたのか絶好調であった。しかしそんなイケイケ状態の中GⅠを4戦4勝で皐月賞と日本ダービーを勝利し、無敗の二冠を達成したトウカイテイオーがダービー後に怪我が発見。菊花賞を制して新たな三冠ウマ娘になることを期待されていたものの休養を余儀なくされてしまう

 

本人も憧れであるシンボリルドルフと同じ無敗の三冠ウマ娘を目指していたこともあり落ち込んでしまう。そこから心の治療に時間はかかったものの大きな怪我を経験したサイレンススズカや憧れのシンボリルドルフの励ましと先生の手厚い治療と調整により一年近い休養から復帰。復帰戦となった有馬記念には着々と調子を上げてきていたビワハヤヒデやウイニングチケットなどを押さえて堂々の一位。アナウンサーも『奇跡の復活!』と叫んだのも記憶に新しい

 

他にチームスピカ内で言うと、ウオッカとダイワスカーレットのライバル対決はいつも白熱し未だに決着する気配はない

 

メジロ家の御令嬢、メジロマックイーンは春の天皇賞を連覇。自慢の長距離では敵なしの様子

 

ゴールドシップは得意のラストスパートを駆使し宝塚記念を連覇。凱旋門賞にも出走はしたものの実力が発揮されず無念の十四位。しかしそんなゴールドシップでも人気の上昇が止まらないようだ

 

そしてサイレンススズカは見事GⅠを制覇しアメリカへ遠征に出た。最初は不安だったもののアメリカではサイレンススズカの得意な中距離路線のレースが多く試行されていたのが功をそうし想定していたよりもいい結果を残せていた。しかしそれには時々サイレンススズカの元を訪れたとある人物も深く関わっているとか...

 

さて、そんな三年の時を超えて今日はドリームトロフィーに出走するウマ娘や関係者が集まったパーティーが催れている。今日レースの枠番も発表される

 

「もぅ、なんで先生来ないのよ〜」

 

「そうぼやくなマルゼンスキー」

 

「仕方ないだろう。先生はあまりテレビとか雑誌の取材とかが好きではないのはお前でも知っているだろう」

 

「それは知ってるけど〜。せっかく綺麗な衣装着たのに」

 

先生がいないとぼやくマルゼンスキーをナリタブライアンとビワハヤヒデの姉妹が宥めていた

 

「おい、食べ過ぎじゃないか?」

 

「それは私でなく、あいつに言うべきことじゃないのか?」

 

「ん?どうかしたのか?」

 

「まったく...また先生に注意されるぞ」

 

「うっ!」

 

エアグルーヴに注意するフジキセキであったがオグリキャップの量は次元が違っていた。先生のことを出されたオグリキャップは顔を顰めながらも人参をトレーに戻すのであった。でも山盛りの中から一本だけだが...

 

そしていよいよレースの出走枠の番号決めが実施されその結果に場内は盛り上がった

 

 

【挿絵表示】

 

 

スタートから一番に出やすい一枠一番にサイレンススズカであったりスペシャルウィークがあのジャパンカップを制したときと同じ七枠十三番に入ったりと盛り上がりどころがたくさんであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドリームカップが始まるまでの3日の間にオレは出走する予定の娘達の調整を行うようになった

 

ー初日ー

 

<ビワハヤヒデ>

「まさか私が一番最初になるとはな」

 

「それは仕方ないじゃないですか」

 

「まぁくじ引きの結果であるからな。甘んじて受け入れよう」

 

「そこまでですか」

 

「んっ、しかしやはりこれはいいものだな」

 

「それはよかった。ちなみに戦略考えすぎて寝不足になってたりしませんよね?」

 

「ふっ当たり前だ。先生からの言いつけはしっかりと守っているさ」

 

「ならいいです」

 

昔ハヤヒデはレースの戦略や他の選手の分析をしすぎて寝不足で登校したことがあった。そのときはブライアンと一緒に叱ったものだ

 

「先生、こっちもお願いしてもいいか?あと、その口調も止めてほしい。何だか寂しいんだ」

 

「そっか。櫛?毛繕いか?構わんが風呂はこれからじゃないのか?」

 

「心配するな。先生なら承諾してくれると思い既に済ませている」

 

「さすがだな」

 

オレはハヤヒデから櫛を受け取りベッドに座らせ後ろに周り梳いていく

 

「知ってるか先生。これもみんな人気なのだぞ?」

 

「そうなんか?ゴールドシチーの方が上手いと思うんだが」

 

「あいつは散髪が上手いのであってこっち方面はやらないんだ」

 

「あー納得。ま、下手と言われるよりはいっか」

 

「これからもよろしく頼むぞ?先生♡」

 

「時間があれば、だな」

 

<トウカイテイオー>

「先生!くすぐったい!」

 

「あなたは未だになれませんね。我慢してください」

 

「そんなこと言ったって〜」

 

「そんなんじゃ尊敬する生徒会長のようにはなれませんよ?」

 

「む〜、先生はいつも会長のこと言えばいいって思ってない?」

 

「おやバレてましたか」

 

「やっぱりそうなんだ!まったく!会長のこと出せばボクが何でもするわけじゃないんだからね」

 

「そうですね。失礼しました」

 

でもよく戻ってきたな、テイオー

 

「ねぇ先生」

 

「はい?」

 

「いつもみたいに呼んでよ。敬語もいらないし」

 

「別にいいが、そんなにテイオーって呼ばれたかったのか?」

 

「なっ!別にそんなんじゃないよ!」

 

「照れるなテイオー。テイオーほら、いくらでも呼んでやるぞテイオー」

 

「やめろぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

<シンボリルドルフ>

「先生、あまりテイオーをいじめないでくれ」

 

「そんなつもりじゃなかったんだけどな。反応が良くてついな」

 

「それはわからんでもないが」

 

ルドルフはテイオーを擁護してはいるがその顔は少し羨ましいと言いたげな表情を出していた。だからなのか入りざまにに「口調はいつも通りで頼む」と

 

「さすがに緊張はしてなさそうだな」

 

「まぁ何度も出走しているからな」

 

「そうだな。ルドルフ的に注目はやっぱりテイオーか?」

 

「それはあるが全員注目している。しかしそれよりも皆と一緒に走れることが嬉しいのだ」

 

「それ皆には伝えてるのか?」

 

「そんなわけないだろう」

 

「ルドルフも素直じゃないよな」

 

「別にわざわざ伝えることもなかろう」

 

「全員喜ぶと思うけどな。特にテイオーは」

 

「...先生」

 

「わかってる。勝手に言ったりしないよ」

 

「やはり先生だけだな、こうして自分に素直に話せるのは」

 

「同室のフジキセキとかにもダメなのか?」

 

「そうだな。友人として話せなくもないが、やはり先生にほどではないんだ」

 

「そうか。抱え込むのはよくないからな」

 

「承知している。その度にここに来て話を聞いてもらっているからな」

 

「まぁそれも仕事だからな」

 

「こらからも頼りにしているぞ♡」

 

「善処しよう」

 

<グラスワンダー>

「先生♡」

 

「何ですか?」

 

「むぅ、先生はイジワルです...」

 

「...なんだグラス」

 

「ふふっ何でもありません♡」

 

「じゃあ呼ぶな」

 

「それはできません」

 

「何でだ」

 

「先生呼べば絶対に反応してくれるじゃないですか♡」

 

「そりゃな」

 

「だから無理です。んっ...」

 

グラスの調整始めて何回呼ばれたかな、はぁ...

 

「先生♡」

 

「...」

 

「?先生」

 

「...」

 

「せ、先生...」

 

「...」

 

「...」

 

「...」

 

ちょっと反応しないでみるとグラスの耳と尻尾がシュンってしまった

 

「まったく。何でそんな上がり下がりが激しいんだよ」

 

「だって...」

 

「はい、とりあえず終わったから座りな」

 

「はい...」

 

グラスはベッドに座りなおすも変わらずシュンっとしてしまっている

 

「はぁ、悪かったよ」

 

「あっ」

 

そんなグラスの頭に手を置くとこちらを見上げ耳はピンとなり尻尾はゆっくりと左右に揺れだした

 

「でも何の用もなく呼ばれる身にもなってほしいな」

 

「はい♪すみません♡」

 

「謝ってるような顔じゃないんだよなー」

 

<スペシャルウィーク>

「先生!やっとスズカさんと一緒に走れます!」

 

「そうですね。頑張ってください」

 

「はい!それにスピカのみんなとも走れるんです!」

 

「あなたのトレーナーから散々聞かされました」

 

「そうだったんですね」

 

「えぇ。発表があったその日にリギルのトレーナーさんも一緒に三人でご飯に行きましてね。酔っ払った勢いで何度もその話をされました」

 

「あはは...」

 

あんときはマジでめんどくさかったなー。今度何か奢らせよう。あ、あの人金欠なんだった

 

「まぁそれほど嬉しかったんでしょう。スピカのトレーナーとしてもあの人自身としても」

 

「はい。前、合宿に行ったときに言ってました。スピカの全員が走るレースが見たいって」

 

「あの人から離れていった娘も多かったですからね」

 

「そうですか」

 

「ま、この先は本人から聞いた方がいいですね。自分からは楽しんできてくださいということだけですね」

 

「はい!」

 

<サイレンススズカ>

「先生」

 

「ん?」

 

「スペちゃんはなんて言ってましたか?んっ!」

 

「すまん、痛かったか?」

 

「だ、大丈夫です」

 

「そうか。スズカと走れるのが楽しみだって言ってたよ、スペシャルウィークさん」

 

「そうですか。はんっ!」

 

「おい、変な声を出すな」

 

「だ、だって。気持ちいいので...」

 

テイオーもそうだがスズカも全然慣れないな、これ

 

「アメリカはどうだった?」

 

「はい、いい経験ができました。でも芝コースはこっちの方が走りやすいです」

 

「向こうは芝レースにあまり重きを置いてないそうだからな」

 

「はい。ひゃっ!」

 

「ということは向こうのウマ娘達は芝よりもダート用に調整しているのだろうか」

 

「せ、先生...そこは、ひゃうっ!」

 

「でもそれだと偏りが出てしまうし」

 

「せ、んせい...もぅ...私...」

 

「オレもまた留学していろんな場所に行ってみるべきかな」

 

「先生!」

 

「ん?どうしたスズ、カぁぁぁぁぁ!!?」

 

「はぁ...はぁ...はぁ...」

 

「うわぁすまん!考え事してしまった!だ、大丈夫か...」

 

「先生...」

 

「はい!」

 

「こんなことされて私、もう...」

 

「す、すまん...」

 

「なので責任、取ってくださいね♡」

 

や、ヤベェ...

 

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