ウマ娘 プリティーダービー 〜レース前には欠かせない存在〜 作:てこの原理こそ最強
ー二日目ー
<ゴールドシップ>
「うーん」
「さてさてどうしますか?」
「ここだっ!」
「ふっそうくると思ってましたよ。はい、これで詰みですね」
「んなっ!だぁー勝てねぇー!」
ゴールドシップさんの調整は早めに終わりそれから二人でひたすら将棋と花札を繰り返していた
「先生強えな!」
「それほどでも」
「トレーナーは弱すぎてよ。でも先生は強すぎだな!」
「あの人は頭を使うの苦手でしたからね。将棋やチェスは向かなかったようです」
「あいつリバーシも弱いぞ」
「あれま。何か一つぐらい取り柄があってもいいのですがね」
「だからトレーナーやってるんかな」
「かもしれませんね。ゴールドシップさん」
「ん?何だ先生?」
「スピカを抜けないで、兄を見捨てないでくれて本当にありがとうございました」
「おいおい先生がそんなこと言う必要はないぜ。人生楽しくなきゃ意味がないからな。その分スピカは楽しくなりそうだったんだ。それだけだよ」
「そうですか。それで、今は楽しいですか?」
「最高だよ!」
「それはよかった」
「うっし、今度は花札だな」
「あと一戦くらいはできるかもですね」
<オグリキャップ>
グルルルルルル〜
今日もオグリの腹は鳴りっぱなしであった
「お腹が」
「ダメですよ。夕食はもう済ませたでしょう。ただでさえ普段から想定以上のカロリーを摂取しているんですから、レース後まで我慢です」
「先生は鬼だ」
「自分は人間なので安心していいですよ」
「ならばご飯を」
「しつこいですよ。このくだりもう四度目です」
「むむむ...」
オグリは大食らいで有名で暇があれば食堂にいる。なので学園で一番探しやすいウマ娘だと言われている
しかし今回のドリームカップでリギルとスピカ以外から選ばれたのはオグリのみであるためその実力は本物である
「ちょっとだけなら」
「水なら許可します」
「くっ...」
「あんなに食べたものは一体どこに行くのやら」
「ちゃんと消化して栄養となっている」
「それはそれですごいことですが、体重が増えないのがすごいと学園の七不思議の一つとなっているとも聞いたことがありますよ」
「そうか。残念ながら私自身もわからない」
この娘は腹の中でブラックホールでも飼っているのか、ってくらいよく食べる
「先生。今度のレース、勝ってみせる」
「お、いつにも増してやる気ですね」
「だから、私が勝ったらご飯を作ってくれ」
「結局そこかい」
<メジロマックイーン>
「先生、ご機嫌よう」
「いらっしゃいませお嬢様」
「あら、先生もようやく
「そりゃあれだけ練習させられれば嫌でもこうなりますよ」
「ふふっ、そのような弱音を吐かないのができる殿方ですことよ?」
「それはそれは。まだまだ道は長そうですね」
「よろしければ私の実家で手取り足取りお教えしましょうか?」
「仕事がありますからね、今回はご遠慮します」
「あらそれは残念。私はいつでも歓迎致しますわよ」
最近マックイーンからの勧誘がすごい。まぁまだ当分はこの仕事を続けるつもりだから断ってるけど
「ではベッドに寝てください」
「よろしくお願いします。それと口調もいつも通りで構いませんよ」
「自分としてはこの話し方が普段通り何ですが?」
「ではそちらでない方で」
「まったく。こっちは仕事として立場てものがな」
「私はそっちの方がいいです」
「わかったよ。そういえばこの前ドーベルとライアンが一緒に来たよ。マックイーンの自慢話ばかりされたがな」
「なっ!あの二人余計なことは言ってませんわよね!?」
「んーどれが余計な話に当てはまるのかわからんが大丈夫だと思うぞ」
「そうですか」
「二人ともマックイーンの天皇賞連覇を自分のことの様に嬉しがっていたからな。いい関係じゃないか」
「と、当然ですわ。二人も誇り高いメジロ家の一員ですもの!」
「あ、でも未だに甘いものには目がないお子ちゃまなとこもあるって言ってたわ」
「なっ!それが余計なことだと言うんです!」
「マックイーンもカワイイとこがあるじゃないか」
「かわっ!」
「それにオレは既に知ってたしな」
「なぜ!?」
「マックイーンのトレーナーから聞いた」
「あんの方は...!」
背後には気をつけた方がいいかもな。絶対伝えないけど
「そうだマックイーン」
「はい?」
「過度なダイエットは抑えろよ?」
「な、なぜ先生がそのことを...?」
「見てればわかる。ライアン達も時々食べる量が明らかに減るって」
「私としたことが...」
「別にマックイーンは標準なんだから」
「ですが!淑女たるもの外見も見本となるべく努力するのは!」
「マックイーンはそのままでも十分美人さんだから大丈夫だって」
「美人!?」
「おっとしまったな。忘れてくれ」
「いやですわ。絶対に忘れませんわ♡」
<ナリタブライアン>
「なぁブライアン。頼むから普通に座ってくれないか?」
「先生は私にこうされるのは嫌か?」
「嫌ではないんだが」
「ならばいいではないか。私はこの方が落ち着くんだ」
「そうか」
ブライアンは他の娘よりもストレッチなどの柔軟をきちんとしていたため調整もほとんどいらない状態だった。こう言っては他の娘に悪い気もするがブライアンほど忠実にオレの言ったケアをしてくれる娘はいないと思う
調整が終わって机で報告用の用紙を書いているとブライアンが椅子を持ってきてオレと背中合わせの状態で座ったのだ
「なぁ先生。ようやく私は姉さんと走れるよ」
「そうだな。ブライアンの夢の一つだったもんな」
「あぁ。私と先生だけが敷いている夢の一つでもある」
「ハヤヒデもそう思ってるだろ」
「姉さんのは姉さんの夢であって私のではない」
「ははっ確かにそうだ」
「最近は他の娘がよくここにいるからかこうして時間を共にする時間も少なくなった」
「まぁな。レース前にこうしてたもんだ。懐かしい」
「あぁ。今となっては恥ずかしくて誰にも言えんよ」
「そうか?」
「私にそんなしんみりしたエピソードはイメージに合わないだろ」
「逆に今流行りのギャップ萌えというやつで人気が上がるかもな」
「私に人気などいらないさ」
「またそういうことを」
「いいんだ。私には分かり合える仲間と数人の友達さえいれば」
「そういうもんか?」
「それに...」
「それに。ちょっ!ブライアン!?」
背中の感触がなくなったと思ったらブライアンに抱きつかれた
「先生はずっと見てくれているんだろ?」
「ま、まぁ...」
「なら私にはそれで十分だよ。時間だな。私はこれで失礼する」
ブライアンはそのまま出て行った
「これからも見ていてくれ、先生♡」
<ウオッカ>
「聞いてくれよ先生!またスカーレットのやつが!」
「あれまそれはそれは」
事情を深くは知らないため生半可な返事しかできなかった
「ウオッカさんは自分のレースを見たことありますか?」
「トレーナーさんに言われてその日の反省をするために見ますけど」
「じゃああなたのレースでタイムの差を比較したことありますか?」
「タイムの差?」
「そうです。トレーナーさんから聞きましたが、ウオッカさんが走るレースはダイワスカーレットさんがいるレースの方がいいタイムが出てるそうです」
「え...」
「切磋琢磨という言葉を知っていますか?」
「互いに高め合う、みたいな?」
「まぁそんな感じです。ウオッカさんとダイワスカーレットさんは切磋琢磨しているんですよ。それは同じチームの仲間として、そしてライバルとして」
「仲間、ライバル」
「二人のライバル対決は今大人気ですよ。実を言うと自分も毎回楽しみにしてるんです」
「先生も?」
「えぇ。どんなレースでも一着を獲るために頑張っている君達には悪いんですが一番人気のウマ娘が楽々一位のレースなんて面白くありません。その点でいえばウオッカさんダイワスカーレットさんの二人の出るレースは最後までどっちが勝つかわからない展開が待っているとみんな知っている。だから毎回ワクワクして観られるんです」
「そっか」
「ライバル同士大いに結構なことです。これからもお互いに高め合って頑張ってくださいね」
「おう!任せろよ先生!」
<エルコンドルパサー>
「センセー!センセーセンセー!!」
「こらエル!抱きつくな!」
そろそろ来る頃だなと思って待っていたらエルがバーンと扉を開けて勢いよく抱きついてきた
「だってセンセーに会えたんデス!抱きつかないと損しマス!」
「何だそりゃ!いいから!とっととベッドに寝ろい!」
「わふっ。もう、センセーは強引デス♡」
「どこでそんな言葉を覚えたんだ,,,」
「グラスが寝言で言ってましタ」
「あの娘はどんな夢を見てるんだ...」
本当に末っ子気質よなー
「お、ちゃんと練習後のアフターケアできてるみたいだな。えらいえらい」
「エヘヘ、先生に褒められちゃいまシタ♪」
「エルはいつも元気だな」
「それがワタシデスから!」
「エルを見てるとこっちも元気になるよ」
「ワタシセンセーの力になってますカ?」
「あぁ。いつも元気をもらってるよ」
「それはよかったデス!ならセンセーを元気にできるように頑張りマス!♡」
「頑張りすぎないように注意な」
「ハイ♡」