ウマ娘 プリティーダービー 〜レース前には欠かせない存在〜   作:てこの原理こそ最強

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番外編
BNWの誓い1


「それじゃあなスズカ。くれぐれも体調にはきをつけるように」

 

「はい」

 

オレはアメリカ遠征に出ていたスズカの元を訪れ何日か滞在し今日日本に帰る便に乗るところだ。見送りはいいと言ったのだがスズカは律儀にも空港にまで来てくれた

 

「先生。本当に行っちゃうんですか...」

 

「もう何回も説明しただろ。学園で感謝祭が始まるから帰ってきてほしいと学園長直々の頼みだって」

 

「ですが...」

 

「そんな今生の別れみたいに。どうせ感謝祭が終わればまた来ることになるんだろうからな」

 

「そんなのわからないじゃないですか」

 

「確かにな」

 

「私、先生がいないと不安です」

 

「そんな子供みたいなことを言うな」

 

凱旋門賞のときのエル程でないにしてもここまで駄々をこねるスズカは初めて見る。しかし時間は来るもので搭乗案内のアナウンスが流れてきた

 

「手紙でも電話でも話せるから。な?だからそろそろ離してくれ」

 

「...はい」

 

さすがのスズカでも空港についてからずっと掴んでいたジャケットの裾を離してくれた

 

「いつになるかわからんが一度はまたこっち来るから」

 

「はい、お待ちしてます」

 

そしてオレは日本へ帰国した

 

「お帰りなさい、せんせ♪」

 

「おースキー。出迎えありがとう」

 

「いいのよ〜。トレーナーからお願いされたんだから」

 

「お願いされたのは私なんだがな」

 

「ルドルフもありがと」

 

学園長からリギルのトレーナーへ迎えの要請があったようだが彼女は別件で用事があったためリギルのメンバーでもあり学園の生徒会長でもあるルドルフに白羽の矢が立ったらしい。しかし運が良いのか悪いのかその場をスキーにも聞かれてしまい今に至るらしい

 

「スズカはどうだった?」

 

「元気だったよ。そっちこそ感謝祭の準備はどうなんだ?」

 

「順調よ〜」

 

「ただ目玉企画を決めかねていてな。先生の助言が聞きたかったのだ」

 

「なんでオレなんだ?生徒にアンケートでも取ればいいじゃないか」

 

「それではサプライズ発表ができないではないか」

 

「意外とそういうの気にするよなルドルフって。それで?どんな案が出てるんだ」

 

「私が考えたのはビワハヤヒデ、ナリタタイシン、ウィニングチケットのBNWによる駅伝だ」

 

「駅伝かー。いいんじゃないか?普通のならともかく本来ならレースでしか見られないウマ娘達の走りを間近で見られるんだ。それに出走がBNWとなれば盛り上がるだろ」

 

「さすがは先生だ。しかし本来の理由は別にあるんだ」

 

「最近、3人の様子が変でな」

 

「そうか。ま、ルドルフの考えに反対する娘なんていないだろ。んで?他の案は?」

 

「オグリキャップ、スペシャルウィークなどのウマ娘による大食い大会。学園内宝探し。鬼ごっこならぬ鬼追いかけっこなどなど」

 

「ほー全部面白そうじゃないか」

 

「そして先生による耳かき、マッサージ、デート...」

 

「おいちょっと待てなんだそれは」

 

「全生徒から強い要望があってな。今回は先生から何かして欲しいらしい」

 

「なんでそんなことに」

 

「もぅ、先生がそこかしこで女の娘引っかけるから〜」

 

「酷い言いがかりはよせ。オレはそんなことしていない」

 

「している」「してるのよ〜」

 

なんだこの酷い言われようは。オレが一体何をしたというのだ

 

そうこうしているうちにオレ達の乗った車は学園に到着した。校門前にはたくさんの生徒が集まっていた

 

『先生!おかえりなさーい!!』

 

「なんじゃこりゃ...」

 

「先生の人気は年々増えているからな」

 

「むぅ、先生は私のなのに〜」

 

「いつスキーのものになったんだ」

 

「おかえり、先生」

 

「おぉ。挨拶よりもこれをなんとかしてくれブライアン」

 

「それは私の仕事ではない」

 

目の前の生徒の数と声援にも劣らない大音声に圧倒されているとメガホンを持ったブライアンが近づいてきた。そして持っていたメガホンをルドルフに渡す

 

「全員静かに。戻られた先生を迎えるのは大変素晴らしいことだが限度というものがある。迎えられるべき先生もこのように困っている。直ちに解散!」

 

さすが生徒会長というべきかルドルフの注意で大勢いた生徒達は雲散霧消のごとく解散していった

 

「すまないな先生」

 

「まぁ帰りを歓迎されるってのは嬉しいものだ。さすがに驚いたが」

 

「みんな先生の帰りを待っていたんだ」

 

「そうは言うがなブライアン。空けたのだって四日かそこらじゃないか」

 

「先生にとってはたったの四日かもしれないが私達にとっては四日もなのよ」

 

「先生。帰り早々で申し訳ないのだが後ほど生徒会室へ頼む。先程の話の続きがしたい」

 

「わかった」

 

学園内は既に感謝祭の準備でウマ娘達がてんやわんやだった。今年はそれぞれのクラスがどんな出し物をするのか気になるな

 

「先生」

 

「ゴールドシチーさん。こんにちは」

 

“尾花栗毛”と呼ばれるプラチナブロンドの髪色を持つウマ娘。その美貌から“100年にひとりの美少女ウマ娘“として注目を浴びているが性格はかなり難ありらしい。他人に心を開くことはほとんどないという...のだが、なぜか懐かれている

 

「今日先生に会えるとは思わなかった」

 

「そうですか」

 

「会えるんだったらもっとちゃんとセットしてきたのに」

 

そう言いながら髪をイジイジするゴールドシチー

 

「そうですか?いつも通り綺麗だと思いますが」

 

「そ、そうか...先生にそう言われるのは嬉しいな」

 

「自分に限らず皆さん思ってますよ」

 

「それも悪くはないんだがな...」

 

ゴールドシチーは髪をイジイジをしながらチラチラとこちらを見てくる。何を恥ずかしがっているのか

 

「ゴールドシチーさんは今年も美容室を?」

 

「あぁ。私の特技だし、みんなからもやってくれって」

 

「確かに人気ですもんね。当日は予約でいっぱいとか」

 

「先生の髪もやろうか?私は構わないぞ?」

 

「申し訳ない。生徒会長に呼ばれていまして。今から行かないといけないんです」

 

「そうか...」

 

「機会があればお願いしますね」

 

「あぁ、待っている♪」

 

相変わらず綺麗なプラチナブロンドだなと思いながらゴールドシチーと別れ生徒会室につきドアをノックした

 

『どうぞ』

 

「失礼します」

 

「あれ先生じゃん。どした?」

 

部屋の中には生徒会長であるルドルフと生徒会役員であるエアグルーヴ、同じリギルのメンバーであるブライアン。そしてスズカを除いたチームスピカのメンバーが勢揃いしていた

 

「こんにちは、スピカの皆さん」

 

「ごきげんよう、先生♪」

 

「おっす、せn「こんにちは先生!どうしてここに?」お前な!」

 

「私が呼んだのだ。ブライアン、例の企画を発表してくれ」

 

ルドルフの呼びかけにブライアンは持っていた紙を広げて見せた。そこに描かれていた絵は、お世辞にも上手いとは言えるものではなかった

 

「あの、これなんですか...?」

 

「ビワハヤヒデ、ナリタタイシン、ウィニングチケットの各チームが競う駅伝だ」

 

『駅伝!?』

 

「こ、これが!?」

 

「えー駅伝が目玉ってイマイチじゃない?ねぇーかいちょっ!」

 

「駅伝の何が悪い?これは私の案だ」

 

「えぇー!さ、さすが会長!目の付け所が違う!」

 

『おい...』

 

「みんなに頼みたいことはこの企画の実行だ。まずはBNWの3人に駅伝のことを伝えてメンバーを集めてほしい」

 

「伝える?BNWの皆さんは?」

 

「まだ知らない」

 

『えー!!!』

 

「あの、本人も知らないのに目玉企画ってどういうことですか!」

 

「横暴な生徒会を許すなー!」

 

「優勝チームには全国お取り寄せ高級スイーツ一年分」

 

『っ!』

 

「高級スイーツ!」

 

「一年分ですって!」

 

「いろいろ聞きたいこともあるだろうが実行委員としてこの企画実現させてほしい。私ならスピカの面々ならできると信じている」

 

「会長...出て行きました...」

 

「ふっ」

 

「もしかしてメンバーに加わるつもりなのでは?」

 

「上手くいけばいいんだがな」

 

あれ?オレ置いてきぼり...

 

「すいません生徒会長さん。目玉企画が決まったのならなぜ自分は呼ばれたのでしょうか」

 

「先生にはスピカのフォローをお願いしたいのだ」

 

「と、言いますと?」

 

「スピカが実行委員をするのは今回が初めてだ。無論我々も助力するが先生からも気にかけてほしい」

 

「それは構いませんが、自分に出来ることなど限られますよ」

 

「それでいいんだ。いずれにせよ必ず先生の力が必要なときがくるはずだ。よろしく頼む」

 

「まぁ、承知しました」

 

「先生」

 

「はい」

 

「姉さんのこと、よろしく頼む」

 

「なんだか父が娘を嫁に出すときのような言い回しですね」

 

「なっ!違うぞ!そう言うつもりでは!」

 

「ふふっ冗談ですよ。実際自分のところにお嫁に出すなんてあるはずないことです」

 

「「...」」

 

(先生、先程の校門のことがあってもそのような考えが...)

 

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