ウマ娘 プリティーダービー 〜レース前には欠かせない存在〜   作:てこの原理こそ最強

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第7R

 

いよいよ皐月賞の日がやってきた。どうやら弥生賞を制したスペシャルウィークさんが1番人気だそうだ。他にもセイウンスカイさんやキングヘイローさんなど強者も揃っている

 

レース前の調整でわかったことだが“セイウンスカイ”さんはのほほんとしていておそらく練習や特訓を自ら頑張る方ではないと失礼ながら思ってしまった。レースに賭ける思いなどはわからないがこの気の持ちようのままでいいのか心配になるレベルだ

 

“キングヘイロー”さんはその話し方や姿勢からプライドが高いウマ娘だと思った。過剰な自信は身を滅ぼすと伝えたが「キングには何の心配もないです」と言っていた。この自信が試合に吉と出るか凶と出るかは不安なところである

 

さて、結果から言うと1位:セイウンスカイさん、2位:キングヘイローさん、3位:スペシャルウィークさん、という結果に終わったらしい。弥生賞では2位に敗れたセイウンスカイさんがリベンジを果たしたという形になった

 

その日、夕方メディカルルームを締めてから外に出ると柱からどこかの様子を伺っているウマ娘が目に入った。バレないようにそっと背後へ忍び寄った

 

「なにやってんだ?スズカ」

 

「ひゃっ!先生!」

 

いきなり背後から話しかけられて驚きはしたものの大声を出すことはしなかった

 

「なに見てたんだ?」

 

「それは…」

 

『日本ダービーでセイウンスカイにリベンジだ!』

 

柱の向こう、声のする方向には「チームスピカ」のトレーナーとスペシャルウィークさんがいた

 

「なるほどね。スズカはあの娘が心配だったと」

 

「…さっきまでスペちゃんは悔しいのを我慢して笑ってたんです」

 

「そっか。ん?()()()()()?」

 

「っ!」

 

「はは〜ん。随分とあの娘に心開いたみたいじゃん」

 

「〜っ!!」

 

「ま、これでようやくオレから卒業できるな。な?甘えん坊のスズカさん」

 

「…それは、ムリです」

 

ちょっとからかうつもりで頭も撫でてやると速攻返事が返ってきた。これからも離れることはないということか…

 

「さ、スペシャルウィークさんと一緒に帰りな」

 

「…先生は私といるのはイヤなんですか?」

 

「そんなこと言ってないだろ。スペシャルウィークさんと一緒に帰るとこだったんじゃないのか?」

 

「そうですが…」

 

「また明日な」

 

「っ!はい!」

 

スズカはゆっくりと校門の方に歩いて行った

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝から「チームスピカ」に動きがあった。体育館ではウオッカさんが竹刀を持ちながらスペシャルウィークさんが筋トレを、プールではセイウンスカイさんとスペシャルウィークさんが高台からの飛び込みをしていた、という情報を聞いた。正直なにがなんだかわからんかった

 

そしてスピカに関して驚くことがあった。トウカイテイオーさんがスピカに入ったらしい。詳しい事情などは聞いていないがようやくルドルフのように無敗の三冠ウマ娘を目指すべく動き出したのだろう

 

今日の放課後に調整するウマ娘はスペシャルウィークさんとタイキシャトルさん。2人とも急遽の依頼となった。最初はスペシャルウィークさんだ

 

「痛くはないですか?」

 

「はい!大丈夫です!」

 

「そうですか。スペシャルウィークさん、大分筋肉がついてきましたね」

 

「やっぱり先生もわかっちゃいますか…?」

 

「もうずっとこの仕事をしていますのでね。でもやっぱりとは?」

 

「トレーナーさんが私の体重が増えたのわかってたみたいで」

 

「あれでも立派なトレーナーですので。みなさんのちょっとした変化もわかるようになってるんです」

 

「そうなんですか」

 

「今日スペシャルウィークさんがいろいろしてることを耳にしたんですが、なにかあったんですか?」

 

「実は…皐月賞のとき勝負服のフックが閉まらなくて…」

 

「あー。というとダイエット的な感じですね。まぁ女の娘ですからね。わからなくはないですが」

 

「はい?」

 

「もしかしたらトレーナーから言われてるかもしれませんが、体重が増えることは決して悪いことじゃありません。むしろ筋肉がついて体重が増えることによって速く走れるようになりますよ」

 

「そうですが。ですけど!やれることは全部やりたいんです!」

 

「…そうですか。なら、もうなにも言いません。頑張ってください」

 

「はい!」

 

ダイエットね。女の娘はいろいろ大変だな

 

続いてタイキシャトルさん

 

「センセー!くすぐったいデース!」

 

「タイキシャトルさん!暴れないでください!」

 

「ンッ!デモー!」

 

「すぐ終わらせますから!」

 

「アンッ!」

 

いつも思うがタイキシャトルさんの調整は大変だ…

 

「はい、終わりです」

 

「ンー!ありがとうございマース!センセー!」

 

「こら!抱き着かない!」

 

「これくらいただのスキンシップデス!」

 

「ダメです!」

 

抱き着いてこようとするタイキシャトルさんを寸前で止める

 

「ム〜、ワタシはもっとセンセーと仲良くなりたいのにー…」

 

「もっと他の方法もあるでしょうに」

 

「これが1番手っ取り早いデス!」

 

「タイキシャトルさんがただしたいからの間違いでは?」

 

「Oh!センセーは鋭いネ!」

 

まったくこの娘は…

 

「それより、今日は急な調整でしたけど明日なにかあるんですか?」

 

「センセーは知らないんですカ?明日ワタシとスピカのスペシャルウィークさんの模擬レースがあるんデス!」

 

「へぇ〜、だからですか」

 

「ハイ!センセーも明日見に来てください!」

 

「いや、でも…」

 

「センセー…ダメ、ですか…」

 

「うぐっ!」

 

やっぱり女の娘のこの顔には弱いな〜

 

「なら、見に行かせてもらおうかな。このごろ見れてなかったし、久しぶりにシャルの走りを見させてもらうよ」

 

「ッ!やっぱりこっちのセンセーの方がカッコいいデース!」

 

「おわっ!だから抱き着くなっての!」

 

「エヘヘ〜。イヤデース!」

 

ホントこの娘は精神年齢が低いっていうか、子どもっぽいというか…

 

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