本「真希の言う通りね。ちょっと感情的になりすぎてたかも。理由教えてくれる？」
小「はい。2番にヒットが期待できない以上、相手の作戦はスクイズしかありません。定位置じゃあ間違いなく決まります」
串「前進守備ならスクイズでも本塁で刺す可能性も有りますし、相手がスクイズを諦めることも考えられます」
本「でも、次がチャンスに強い武じゃ意味無くない？」
小「彼は敬遠です。さらに言うなら李もです」
串「満塁にはなりますが、打者としてのレオンは怖くないです。フォースプレーになるのでスクイズされても刺せる可能性は高くなります」
本「不確定要素が多すぎじゃない？」
白「なるほどね～。分かったよ～」
本「！真希？こんな不確定要素が多い作戦を信じるの？」
白「何言ってるの～。野球自体が筋書の無いドラマじゃない～。不確定要素しかないよ～」
本「はぁ。付き合い長いからこうなったら真希が折れないことは知ってるわ。もう好きにしなさい。その代わり作戦通りに行かなかったから次からは私の作戦に従うこと！良いわね？」
小「もちろんです」
串「約束します」
前進守備を敷き2番の佐藤
審「ストライクアウト！」
小「(ここまでは作戦通り)」
武「お願いします」
本「(さあ真希。敬遠よ)」
白「(オッケ～)」
審「(ボールフォア)」
李「くそっ。この俺をなめやがって」
本「別に舐めてはいないわよ。能書きは打ってからね」
白「(どうせ敬遠するけどね～)」
審「ボールフォア」
レ「舐めくさるのもいい加減にしろよ！」
本「なら打ってみなさい。(最初はこれで)」
白「(スローカーブだね～)」
シュッ
レ「っ！」ギン
小「オッケー」バシッシュッ
串「ナイス」シュッ
審「アウト」
山「明法学園見事ビンチをしのぎました！満塁策成功！」
小「上手くいったね！」
串「ああ！」
本「…凄いわね貴方たち。今回は素直にお礼を言うわ。」
串「先輩は１人で背負い込みなんですよ。確かに扇の要ですしキャプテンですけどだからって１人で何でも背負い込む必要はありません。今みたいに人に頼っても良いんですから」
本「そうね。肝に命じるわ」
回は進み6回表１死ランナー無し
マ「お願いします」
本「(3度目の対決ね)」
白「(今度はどうする～？)」
本「(最初はこれで)」
ビシュｯ
マ「！」
バシッ
マ「(今のはムービングかよ。組み立てがまた読みにくくなったな。2球目は緩急使うためにスローカーブか？)」
本「(2球目はこれで)」
ビシュッ
マ「！」
バシッ
マ「(またムービングかよ。次こそスローカーブだろ)」
本「(最後はこれで)」
ビシュッ
審「ストライクアウト！」
マ「最後もムービング…」
本「(考えるバッターにはこれが一番効果的よね)」
6回裏
レ「っ！」ビシュッ
審「ストライク！」
林「(なるほどな。第２の作戦の効果は出てきてるな。とりあえず2打席目でヒット打った串田と小山の前に塁にでないとな)」