目の前に現れた狼には角が生えていた。角の生えた狼を見ていると狼の上の方にはホーン・ウルフと表示されているのを発見する。
「ホーン・ウルフ?」
呟いた疑問に答えるかのようにNPCのボイドが教えてくれる。
「はい。ホーン・ウルフと言ってプレイヤー目掛けて一直線に走ってきて噛み付いてきます。攻撃は直線上にしてくるだけですので側面に躱しながら移動しこちらの攻撃を当てて倒してください。」
「なるほど、やってみます。」
ボイドからの説明を受け実際にホーン・ウルフが動き出す。確かに説明された通り一直線に走ってくる。
「セイッ!」
走ってくるホーン・ウルフに向かって選択した武器の槍を突き出しながら体を横にずらしてホーン・ウルフの攻撃範囲から逃れる。槍のダメージにより名前の下にあった長方形が短くなってくる。
(なるほど、あれがHPバーか。)
その後も襲いくるホーン・ウルフを躱しながら攻撃を当ててHPバーを削りきるとホーン・ウルフは煙のように消えた。
目の前には先程の戦闘で獲得した経験値や所持金、希にあると言われるドロップアイテムの書かれたウィンドウが表示される。
「お見事です。これにてチュートリアルは終了し始まりの街へと転送されますが最後に質問はありますか?」
ホーン・ウルフを倒したコボルに向かってボイドが最後のまとめに入る。
「じゃあ1つ。この槍はどうなるの?」
コボルの手には先程の戦闘でレンタルした木でできた槍が装備されていた。
「そちらはチュートリアル突破としまして正式にログイン後プレゼントボックスへと送られます。」
「なるほど。」
「他にご質問はございますか?」
「いえ、特には。」
最後の確認を終えいよいよと《シャングリラ》のプレイ開始となる。
「それでは以上をもちましてチュートリアルを終了させていただきます。ゲーム《シャングリラ》をお楽しみください。」
ボイドからの最後のセリフを聞くと体が光と浮遊感に包まれ次の瞬間には街の中の景色が目の前に広がっていた。
街にはそれなりに人が居たがそれでもまだ街にはスペースに余裕がありその広さを実感する。
「すっげぇ〜。これが仮想世界か〜。」
まるで現実世界で外国に来たような感じになるが周りに武器や鎧などを身につける人を見てそれが外国ではなく仮想世界だと知らされる。
早速チュートリアルで学んだウィンドウを開きプレゼントボックスを確認する。プレゼントボックスの中には先程の槍に加えこの世界のお金や回復系のポーション等が少しずつ配布されていた。
「おお、これはありがたいな。」
そこで改めて今現在自分が何も装備してないのを確認し槍を装備し背中に確かな重みを感じながらこれからどうするのかを考えるのであった。