ゴブリンの討伐を終え街に戻り報告を済ませるコボル。
「ありがとうございました。こちらが今回の報酬になります。」
ウィンドウに報酬のGとアイテムである鍋の蓋を確認し受け取る。
初のクエストも無事に達成し新たに街を探索する。街の中には先程寄った防具店の他に武器店や雑貨屋、飲食店や屋台などが存在している。他には宿屋や教会等の施設も存在し仮想世界の生活に馴染んでいる。
屋台で買い食いをしながら歩いていると広場のような開けた場所に着き目の前の大きなボードに視線が釘付けになる。
ボードにはパーティーの募集が書かれた紙らしき物が貼られていた。
(パーティーだと集団を相手にしても余裕を持って戦えそうだな。)
先程のゴブリンの集団を思い出しながらボードを眺めていると背後から声がかかる。
「どこのパーティーに入ろうか悩んでるならウチに入らない?」
振り向くとそこには赤い髪の少年が立って話しかけていた。
「いや、悪いがそんなつもりで見てたんじゃないんだ。済まないな。」
「そっか。こっちも入ってくれたらラッキーぐらいで話しかけてるからそんな気にしなくてもいいぜ。」
それから少し軽く世間話をしたが話を聞くと友人とレベリングを兼ねてパーティーを組んで戦ってみたもののもう1人ぐらいメンバーが欲しいとなり集まるのを待っていたそうだ。
まだパーティーを組むつもりは無かったが折角と誘われその日は一緒にパーティーを組み狩りをする事にした。
「改めて俺はバールだ。よろしくな。それでこっちのが...。」
「ジルです。今回は宜しくお願いしますね。」
背中まである白髪に赤い目、そして白い肌は思わずうさぎを連想させるかのような少女であった。
バールとジルとパーティーを組み再び草原へと向かう。今回はクエスト等ではなく自由にポップするモンスターを討伐する狩りとなる。
バールは剣を装備し近接型でジルは杖を装備し後衛型だったので自分の槍である中衛型とバランスよくパーティーを組む事が出来た。
実際にモンスターと戦ってみたが、安定して多くの数を倒せるのでソロと比べ経験値、G、ドロップアイテム全てにおいて効率が良かった。
明日の朝から現実世界で用があったので途中で解散となったがバールとジルとフレンド登録し、レベルも1から4へと上がったところでその日は宿に泊まりログアウトする。
次の日、用を済ませ再び仮想世界へとログインをする。ログインすると前回最後にログアウトした宿屋の部屋の中だった。寝起きのような空腹感に襲われ購入していたパン等を食べる。
(仮想世界なのにお腹は空くんだよな〜。それに匂いや味もあって凄いな。)
仮想世界では何度目かの食事だったが未だにその再現度の高さに感心するコボル。
「さてと、朝食もとったし行きますか。」
誰に言うでもなくぼそりと呟き宿屋を後にする。途中チカチカと光り気になったのでプレゼントボックスから配布されていた物を一括で受け取り閉じる。
街を歩いていると雑貨屋のNPCから話かけられた。
「暫く入荷の予定なし、残り1セットのみ料理人セット(初級)は早い者勝ちだよ!」
つい残り1個や限定販売の言葉に弱い気質なせいで買う予定は無かったが買ってしまう。
「しかし料理か〜。そもそも材料とかも無いしなんか狩りに行くか。」
新たなアイテムを手に入れ今日も草原へと向かうのであった。