「なあ紫。今日はどこ行く?」
「ふふ、貴方がいきたいところで良いわよ。」
ここは俺の家。そして目の前にいるのは幻想郷の賢者。
端から見れば特に珍しい組み合わせでもない。しかし紫は…
「特に行きたいところは俺にはないし…」
「ならデートでどこか眺めの良いところに行きましょ?」
「デートか、紫の頼みなら喜んで。」
兎も角俺は紫と一緒に出掛けることとなった。
前はそこまで紫を気にかけてはいなかったが、こんな風に一緒に生活するとこんなにも幸せになるんだな。
「でも眺めが良いところって何処だ?」
「そうね…妖怪の山の山頂とか?」
「まあ行くか。考えても仕方ないし、」
たまには途中で藍達にも会っていこうと思った。
妖怪の山を登山しているなか、俺達は楽しそうに話す。
「ねえ。今日の夜ご飯は何?」
「お前が好きなものだ。」
「やった!」
「ほら、ここに寄ってくぞ。」
「ええ、分かったわ。」
八雲の家。ここには藍達が住んでいる。
「らーん!いるー?」
紫が呼び掛ける。
どうも俺は一度好きになってしまうとそれが何をしてても可愛く見えてしまうらしい。
紫が呼び掛けてから十秒。奥の方からとたとたと足音が聞こえてきた。
「はい。こちらに。」
「あら?橙は?」
「橙は八雲として少しばかり見回りに行っています。」
「私が八雲じゃ無くなったから橙も大変ね。」
「いえいえ。私たちは紫さまが順風満帆な生活を謳歌出来るように支えるのも仕事ですから。」
「優しい式神を持ったな。」
「ええ、ありがたいわ。」
「今からどちら…いえ、これを聞くのは野暮ですね。二人で楽しんできてください。紫さまも定晴さまも。」
「ええ。」
「ああ、またな。」
「はい、それでは。」
そう言うと藍はまた奥の方にいってしまった。
「ふふ、本当に今幸せだわ。」
「よし、行くか。」
俺達はまた歩き出す。
「着いたー!」
「お疲れ。」
「あなたもね」
山頂。遠くまで見渡せて良いところだ。元々出たのが昼食を食べてからだったので、もう夕陽が沈もうとしているところだった。
「ねえ、定晴?」
「どうした?」
「私達って元はただの友達だったじゃない?それでも今ではこんなに幸せってことは実は最初っから決まってたんじゃない?」
「この事をミキに言った時、めっちゃ驚いてたからな。」
「今は彼のことは良いの。私を見て?」
「ああ。」
夕日に照らされて俺達は向かい合う。
そして紫と俺の唇が…
「ふふ。」
「はは。」
やっぱり俺は幸せだ。もう一度言うが特に珍しい組み合わせでもない。
だって紫は…
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「成る程、この時空は二人が結び付くのか。面白い運命だ。それじゃあこっちは…」