「すー、すー。」
「ふふ、可愛い。」
今私の膝の上には定晴の頭が乗っている。というのも、家のソファーで寝ていたのを見つけたの。まあスキマを使って定晴の頭を私の膝の上に移動させただけの簡単なものだけど。
「可愛い。」
さっきからそればっかり呟いている気がする。それでもやっぱり可愛いのは事実。元々は友達として外の世界で仲良くしていたのにいつの間にか惹かれていた。妖怪が人間に恋をするなんて馬鹿馬鹿しいと思うかも知れないけど、私としてはそんな事はどうでもいいの。
「うーん。」
「あら?」
定晴が目覚めた。まだ少し眠そうね。最近頑張ってたから眠いのでしょうね。さーて、私を見てどんな反応をするかしら。
「ん?んー。」
「おはよう、定晴。」
「だぁれだ。」
欠伸をしながら話す。闘っているときはとても格好いいのだけど、こういうときってちょっと子供っぽいのよね。まあ定晴らしいけど。
「ゆか、り?」
「ええ、そうよ。」
「何でこんなところに…ってえ!?紫!?!」
一気に覚醒したのか私の膝から飛び出した。私としては定晴が離れちゃったのはとても残念ね。
「何でこんなところに居るんだよ!」
「貴方が寝ているところを見つけたから膝枕をしてあげていただけよ。」
「そんな事せんでよろしい!」
怒られちゃった。私がこんな風に素で話してあげるのは霊夢と藍と橙と定晴の四人位なのに。時空神?そんなやつもいたわね。
「ふ、不法侵入だぞ!」
「守矢の巫女も言ってたでしょ?幻想郷じゃ常識に囚われちゃいけないって。」
「これは常識、非常識とかの問題じゃない!マナーの問題だ!」
「何をそんなに慌ててるの?もしかしてドキドキしちゃった?」
「いい加減にしろ!」
「痛ー!」
輝剣で叩かれた。それ切れ味いいんだから取り扱いは注意してほしいわ。そもそも剣はそんな風に使わない!貴方の能力はこんな風に使うものじゃないと思うんだけど。
「はぁ、取り敢えず出ていけよ。」
「何で?」
「何でと問いますか。そりゃここが俺の家だからだよ。」
「いいじゃない別に、きっと将来私達の家になっているから。」
「俺の家を占拠する気か?」
「違うわよ、本当に鈍感。」
「早く出ていけ。」
もう、そんな言い方は酷いわね。こうなったらまたタイミングを図って膝枕してやるんだから。
なんだかんだ定晴に追い出されちゃったけど帰ったらまたスキマで覗いとく事にしましょう。
これで私の至福の一時が終わりを告げた。