if東方十能力   作:nite

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こちらkingさんからのリクエストです。


修学旅行

俺が家でゴロゴロしていたところ突然スキマが開き、中から紫が現れた。そのまま間髪入れず話始める。

 

「定晴!旅行行きましょう!」

「旅行?」

「ええ、そうよ。日頃頑張っている定晴も一緒に皆で旅行に行きたいのよ!外の世界の勉強にもなるし良いと思うのよ!いわゆる修学旅行ね。」

「それなら俺がいない方がいいと思うんだが?全員女子なんだし。」

 

プライベートな部分もあるだろうし、男性の俺が一人だけいたら色々と不便だろう。しかし、紫はそれに反論するかのように意見を言ってきた。

 

「外の世界の常識は貴方が一番知っているでしょう?それなら定晴がいた方が良いと思うのだけど。」

 

それを言われてしまうと困る。確かに外の世界を良く知っている俺がいた方が良いかもしれない。でもやっぱり女子だけなのは些か問題が…

 

「ちなみに参加することに拒否権は無いわよ。」

「ええ!?」

 

そんな馬鹿な。突然言われたのに選択肢は無しかよ。紫らしいけど。

 

「出発は明後日よ。それじゃあアデュー。」

「あ、おい紫!」

 

紫はそのままスキマに入ってしまった。これは行くしか無い。行かなかったらスキマ送りにされそうだし…

 

 

不可抗力ではあったが結局来てしまった。集合場所は博麗神社で、ここには霊夢・魔理沙・フラン・咲夜・射命丸・妖夢・早苗・俺の八人がいる。

 

「フランも行くのか?」

「うん!お姉様が行って良いと言っていたから。」

「だから付き添いに咲夜か。」

「はい。」

 

フランの背中にある翼はどうするつもりなのだろうか。もしかして消せたりするのか?

 

「ん?射命丸もか。」

「はい!外の世界の文化を新聞に書けば購読者数が増えるってもんですよ。」

「成る程な。」

 

そう言えば射命丸も翼が生えているよな。何か策があるのだろうか。

 

「妖夢は浮いている霊魂はどうするんだ?」

「歩くときは抱き締めておきます。そうすれば周りから見ても抱き枕にしか見えないって幽々子様が。」

 

なにそれ幽々子どんなアドバイスしているんだよ。外の世界で抱き枕持ちながら歩いている人なんて殆ど、というか全然いないのだが。

 

「それにしても紫は何処に行ったんだ?」

「少し待っててってさっき言っていたからもう少しで帰ってくると思うんだけど。」

 

俺の疑問に霊夢が答える。霊夢は暇しているからか境内を掃き掃除していた。

 

「なあ、皆荷物は?」

「紫に要らないって言われたわ。そう言う定晴さんは無いの?」

「俺は幻空に入れている。俺は紫にそんなこと言われなかったけどな…」

 

もしかしてこんなところでハブられたのだろうか。少し悲しい気分になる。

 

「はーい、お待たせ。」

「紫、遅かったじゃないか。」

「はーい、呼ばれてないけど時空神でーす。」

「お前は来るな。」

「酷いなー。」

「いえいえ、ミキは私が呼んだのよ。ミキ、よろしく。」

「今から、皆に外の世界の服をあげようと思います。翼がある奴は一時的に消してやる。さあ、並べー。」

 

霊夢達に一人一人服を渡していくミキ。フランと射命丸は翼が消えていく。俺は外の世界の服を元々持っているから

声を掛けられなかったらしい。ハブられてないと分かって安心するが、それなら俺も欲しかった。

 

「紫、これでいいか?」

「ええ、ありがとうミキ。お礼は後日。」

「ああ、そんじゃお前ら楽しんでこいよー。」

 

ミキは空間を歪ませてどっかに消えていってしまった。

 

「紫、行き先はどこなんだ?」

「温泉とか商業施設も色々あるところよ。」

「別府とか?」

「まあまあ、それは行ってからのお楽しみで。」

 

紫がスキマが開いて皆を中に入れていく。皆に続いて俺も続いて入った。

 

 

到着したのは温泉街の中だった。周囲に人払いの結界が張られているからこそこんなに堂々と現れても大丈夫なのだろう。

 

「ここが外の世界なのね。なんだか体が重いわ。」

「懐かしいです!ここに色々楽しいものがあるんですよ!」

「この服動きにくいぜ。定晴、どうすりゃいいんだ。」

「妹様、あまり動き回らないで下さい。」

「わーい!始めてみるものがいっぱーい!」

「成る程…ここで日頃の幽々子様からの疲れがとれるんですね。わくわくします。」

「おー!これは写真のとりがいがあります!」

「さあ、到着よ。先ずは宿に行くわよ。」

「紫、それより先にまず統制をとろうな。」

 

皆が思い思いに動いていたので纏めた後に宿に向かった。

それにしても宿か…俺が泊まっていたのは仕事の都合上ホテルの方が断然多かったので、新鮮な気持ちである。

 

 

紫がぱぱっと手続きを済ませたら中居さんに大きめの部屋に案内された。

 

「はい、ここが私達の部屋よ。定晴も一緒に泊まるからね。」

「待て待て。流石に同じ部屋は…皆も嫌だろ?」

 

それは聞いてない。同意を求めるために皆に聞いたのだが、返ってきたのは予想とは違うものだった。

 

「別に構わないわ。」

「定晴なら問題ないぜ!」

「お兄様となら大丈夫だよ。」

「定晴様でしたら特に…」

「わ、私も定晴さんとなら…」

「私も構いませんよ!取材するときに手伝ってもらいますし。」

「私も大丈夫です。」

「ほらー。」

 

そんな馬鹿な。皆年頃の女子達のはずなのに抵抗がないなんて。

 

「満場一致なんだから変な抵抗は止めなさい。」

「分かったから。で?何処に行くんだ?」

「近くにある遊園地にでも行こうと思っているの。」

「遊園地なー、分かった。」

 

遊園地か。随分前に一回友達と行ったのは覚えているんだがその後行ったかな?

俺が準備しようとしたら魔理沙が口を開いた。

 

「その前に紫、この服動きにくいぜ。なんとかならないのか?」

「その服?えーとね…」

 

どうやら服が動きにくいらしい。さっきから歩き方がぎこちなかったのはそのせいか。俺はそんな事知らなかった。だから狂気の『ずっと言っていたぞ』って言葉も聞こえないったら聞こえないのだ。

 

「はい、これでいいはずよ。」

「おお、ありがとな紫。」

「よーし!遊園地行くわよ!」

 

かくして俺らは遊園地に向かった。

 

 

到着。なかなか大きめの遊園地なので皆も楽しめるはずだ。早速早苗が興奮しているし。

 

「久し振りに見ましたよー!楽しみです!」

 

チケットを買って入場。紫がジェットコースターに乗りたいと言ったので並ぶ事に。

 

「これの何が良いんだぜ?」

「まあ魔理沙、一回乗ってみ?」

 

俺達は列に並んで順番を待った。その後全員が席に座る。俺の隣は霊夢。前は早苗で後ろが魔理沙だ。

そしてとうとうジェットコースターが動き出した。少しずつカタカタと上昇していくのは恐怖感を誘う。魔理沙が変な声を出した。

 

「ま、まだ登るのかだぜ?」

「鈍ってるぞ。つか怖いのか?」

「いやー、ただの確認だぜ。」

 

後ろは向くことが出来ないが、魔理沙の隣にいる射命丸の反応でなんとなく想像が出来る。

頂点に達して…降下。

 

「ふにゃー!!!」

 

後ろで響く魔理沙の声が面白かったのが印象に残っている。

 

 

 

「これはもう乗りたくないぜ…」

「いっつもこんくらいのスピード出してるじゃないか。」

「こんな風に他者からされるのは苦手なんだぜ…」

 

魔理沙の元気が無い。どうやら怖かった原因は他者から早いスピードで動かされたせいらしい。

 

「なあ、紫。妖夢が怖がりそうなものって無いのか?」

「何で私!?」

「あるわよ。お化け屋敷って言うやつよ。」

「お化けならぜんぜ…「吃驚形の」…無理ですお願いします。」

「だーめ。もう決めたの。」

 

次はお化け屋敷か…妖夢は怖いものが嫌いだと幽々子が言っていたがはてさてどうだか。

 

 

「きゃー!!」

「ぬはははは!」

 

妖夢は凄い涙目になっているが魔理沙の元気は戻ったようだ。しかし俺は紫達から凄い目で見られている。妖夢が腕に引っ付いているからだろうか。確かに女子に簡単に触れるのは如何なものかと思うが、可哀想だから引き剥がせない。

結局お化け屋敷から出るまでずっと妖夢は泣いていた。

 

 

お昼の時間になる。折角外の世界に来たのなら幻想郷で食べられないものが良いと思うが…

 

「ハンバーガーよ?食べて食べて。」

 

紫に連れられてきたのは遊園地内のジャンクフードの店だった。早速皆にハンバーガーが配られる。

 

「食べにくいぜ。」

「あまりはしたない真似は…」

 

皆苦労しながらも食べれていたのでよかったと思う。フランの周りが凄い汚れたのはいつもの事だ。

 

 

フランはメリーゴーランドを気に入ったみたいだったし、フリーフォールは皆怖がっていたが、全体的に楽しかったらしく皆笑顔で宿に戻ってきた。帰ってきたのは夕食頃、風呂はどうするのかと聞いたら食事の後に入るらしい。

 

「食事よ!豪華なものがくるんだから。」

「お夕食でございます。」

「きたー!」

 

目の前に並べられたのは肉や山菜料理、そして幻想郷ではなかなかお目にかかれない海の魚だ。皆魚を見るのは初めてらしく、珍しそうに見ていた。お酒もきたため紫や俺は飲んだ。魔理沙達は羨ましそうに見ているが、生憎外の世界じゃ飲ませると俺達が捕まってしまうから諦めてくれ。

 

「外の世界の料理は綺麗ですねー。写真映えします!」

「結構美味しいじゃない。定晴さんの料理の方が美味しいけど。」

「俺は作り方を知らないから作れないし、技術面ではこっちの方が断然上だ。」

 

俺達は料理を楽しんで風呂に入ることにした。

ここは温泉の源泉にとても近い所に建っているらしく、効能が効きやすいらしいと聞いている。

 

「そうそう、ここは温泉で白く濁っているのよ。温泉の成分だから気にしないでね。」

「んじゃ俺はこっちだから。」

「ええ、また後で。」

 

温泉は気持ち良くて、効能も色々あるらしい。肩こり、冷え性、疲労回復等々。俺はあまり気にしていないが、紫達が喜びそうな(実際喜んだ)温泉だった。

 

 

風呂上がり、俺は買ったコーヒー牛乳を飲みながら部屋に戻ると、既に紫達が布団を敷いていた。

 

「私、定晴の隣で寝るわ!」

「私もお兄様の隣で寝るー!」

「わ、私も隣で寝たいです。」

 

遠くて話はよく聞こえないが、何人かが部屋の奥で言い争いしていた。すると隙をついてか射命丸が隣にやって来た。

 

「今の内にもっと深く掘り下げて取材をしたいのですが…」

「ん?まあいいけど。」

「おお!それでしたら早速…」

 

俺も暇なので射命丸の取材に付き合ってあげる事にした。どうやら外の世界での俺の振る舞いに色々疑問が湧いたらしい。例えば俺は本当は何歳なのか。どうもさっきの夕食の時に俺が外の世界でも酒を普通に飲んでいたのが原因らしい。俺は何歳かは分からないが、前に記録を一度見たところ二十歳は越えているらしいことが分かった。他にもエトセトラ。

 

「ありがとうございました!」

 

取材が終わると同時に奥で言い争いをしていた奴等がこっちに向かってきた。そして、同時に一言。

 

「「「誰と一緒に寝たい?」」」

「え?」

 

どうやら誰が俺の隣で寝るかで言い争っていたらしい。俺はどうでもいいのだが、こいつらは違うようで危機迫る様子でこちらを見ている。俺は迷惑が掛からないように端で寝ようと思っていたのだが…

 

「誰が良いの?」

「私、お兄様と一緒に寝たい!」

「私も定晴さんと寝たいです。」

「え、えーと…俺には決められないからジャンケンでもしてくれ。」

皆にジャンケンを促す。ジャンケンの結果フランが隣になった。因みに俺は壁際で寝るためフランと反対のところには誰もいない。

その後も色々楽しんで就寝時間。

 

「お兄様ー♪」

「うわ!」

 

フランが早速抱き締めてきた。これはなんとなく予想していたので問題無い。しかしてフランよ、それをするとジャンケンで負けた奴等の反感を買うことを分かっているのだろうか。紫とか凄い形相で見てるぞ。

 

「何か話しましょうよ!」

「うるさい!」

 

早苗の言葉が霊夢によって一蹴される。早苗は修学旅行で定番のアレをしたかったらしいが霊夢は寝たいらしい。霊夢はなんだかんだ規則正しい生活を基本的に送っているので、早苗の願いは叶いそうにない。

その後俺達は直ぐに寝たようで、気付いたら朝になっていた。

 

「むにゅー。」

 

そして俺の上にはフランが乗っていた。どんな寝方をすればこうなるのかと聞きたいが、生憎彼女は夢の中だ。

 

『狂気、今何時?』

『朝の七時半だ。霊夢や早苗はもう起きて朝風呂に行ったぞ。』

『サンキュー。』

 

俺はいつも通りに起きたらしい。しかしフランがいて起きれない。どうしたもんかと思っていたら思いの外早くフランが起きた。

 

「お、はよう。お兄様。」

「ああ、おはよう、降りてくれ。」

「うん。」

 

そう言ってフランは降りた。どうやら自覚があるらしく直ぐに退いてくれた。

射命丸や紫、魔理沙を起こして布団を片付けようとしたところ咲夜が直ぐに畳んでくれた。そして朝ごはんを食べたら宿から出る。これでとうとう俺達の一泊二日の旅行が終了した。

 

 

博麗神社の前。皆は感想を言っていた。

 

「なかなか体験出来ないことが出来て楽しかったわ。」

「私も色々出来て楽しかったぜ!」

「私もお兄様と一緒に色んな事をして楽しかった!」

「妹様とほとんど同じで楽しかったです。」

「帰ったら幽々子様に色々話してあげようと思います。」

「私も久し振りの外の世界の話を御二方にしようと思います。」

「これは帰ったら新聞製作が捗りますよ!」

「ええ、皆楽しかったみたいで良かったわ。またいつか行きましょう?定晴。」

「ああ、そうだな。こんな風に皆で旅行が出来るなんて思いもしなかったから楽しかったよ。」

 

これで、本当に旅行の全日程が終了した。またいつか行く機会があれば良いな。そのときは今回参加してない奴等も入れて一緒に行きたいと思った。

 

 

 

 

 

 

 




いやはや意外に長引いてしまいました。申し訳ございません。
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