闇の王子の幻想入り   作:タルタルト

4 / 9
やっとできました。第三話です
駄作だなぁ……


第3話 伝えられる今を

テルside

 

「……はあッ!」

 

飛んできた無数の弾幕を大剣で的確に弾く。戦いが始まってから数分が経った。その数分だけでパチュリーの攻撃方法が分かった(奥の手は残してあるだろうが)そして、パチュリーが相当な手練れだという事も。

フランドールの戦闘力とは桁が違った。弾幕の数、一つ一つの弾幕の攻撃力、状況判断力が先の戦闘よりも大きく上昇していた。

そのため、俺はパチュリーが撃って来る弾幕を避けるか、弾くしかできない。

 

「マズイな……」

 

俺は胸中でそう呟いた。このまま弾幕を避け、防ぎ続けても、ジリ貧でこちらが負ける。それまでに逆転しなければならない。

そこまで考えた所でふと思う。何か違和感がある。何処かに誘導されている様な……

 

「っ!まさか!」

 

今となってやっと気付いた。これはパチュリーの罠だ。感じた違和感はそれだったのだ。

周りには巨大な魔法陣が出現している。避ける隙も無い。ならば最後の手段だ。これは賭けだ。成功する確率も低い。だがそれに賭けるしか無い。そう考えた俺は魔法陣から発射された光線によって巻き上げられた砂埃の中を駆け始めた。

 

フランside

 

「いつもそうだ。いつもフランだけ仲間はずれ」

 

流水で作られた膜に隔離されたフランは、そう零した。フランの目の前ではパチュリーとテルの激闘が繰り広げられている。

フランの脳裏にある昔の光景が浮かび上がる。沢山のぬいぐるみで包まれているフランの部屋。そこに一人佇んでいるフラン。

フランの部屋には姉であるレミリアやメイドである咲夜。パチュリー達がやって来る。だが、誰一人として

フランと関わらない。関わらずに去っていく。フランの心を孤独が侵食していく。孤独に身を委ねるがままにぬいぐるみを抱き潰す。

そんな光景が何度繰り返された事か。

何度フランが孤独と言う絶望を味わった事か。今だって、フランと遊んでくれたテルをパチュリーは仕留めようとする。

誰もフランの気持ちなんて解ってはくれない。誰もフランの心に触れようともしない。

そんな事を考えていたフランは視界を覆い尽くしていた黒煙が晴れた事に気が付かなかった。

そして、その黒煙が晴れた先に、黒衣の剣士が佇んでいたことにも。フランがそれに気付いたのは、自分にかけられた流水の元素魔法が解かれた後だった。

 

テルside

晴れる黒煙。俺は戦いの緊張を息と共に吐き出した。目の前に紫髮の魔法使いパチュリーは居ない。彼女は、俺との戦いに敗れて本の中に埋もれている。ギリギリの戦いだった俺が勝てたのは間違いなく運だ。次やったら恐らく俺は負ける。それほど彼女の実力は凄まじい物だった。俺が勝った事に気付いたフランドールは驚きをあらわにしている。

 

「テル、パチェに勝ったの⁉︎」

 

フランドールは聞いてくる。俺は手を上げて

 

「ああ!」

 

と答えた。そして問う。

 

「フランドール。お前はこれからどうするんだ?」

 

「どうする……って?」

 

「フランドールがさっき言っていた事だ。お前のお姉さまとやらに文句を言うか言わないかって事だよ」

 

「私は……」

 

フランドールは姉に文句程度だろうと反抗することに躊躇っている様だ。

まあ、それはそうか。多分フランドールは誰にも心の内をさらけ出せて無いのだろう。

俺はフランドールに声を掛けた。

 

「決まってないなら今決めなくてもいい。俺はこのまま館の探検を続けるしな」

 

でも、と俺は続きの言葉を紡ぐ。

 

「伝えたい事があるなら、伝えられる今のうちに伝えた方がいい。いつ、伝えられなくなるか分からないからな」

 

その言葉はフランドールだけではなく、過去の自分にもあてた言葉だった。

あの始祖のルーンの間でアイリスの手を離してしまった時から、何時も心の中で後悔している。早く話せばよかった、と。

自分があの少女に抱いてていた想いを。

 

「じゃあな」

 

そう言い残し、俺は部屋を出ていく。部屋には、虹色の羽を持った少女の俯きと静寂だけが残った。

 

 

to be continue……

 

 




こんな駄作。
見ていただけるだけで本当にありがたい事です。
本当にありがとうございます!
やっぱ駄作だなぁ…

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。