10ヶ月もお待たせいたしました!
テルside
「やめて!」
部屋全体に、フランドールの叫びが響き渡った。フランドールは、息を切らしながらも言葉を続けた。
「テルをいじめようとしないで!」
「虐める?そんな人聞きの悪いことを言わないでもらえるかしら。私はただ勝手に館に侵入してきた不審者を殲滅しようとしただけよ?それに、……何故貴女はここにいるの?フラン。部屋にいなさいと言ったわよね」
殲滅、と言う言葉からも俺を生きて帰らせる気は毛頭無かった様だな。……まぁ自分であそこまで挑発したから自業自得なのかもしれないが。
「お姉様!もう私は散々なの!お姉様の言う事をいつもいつも聞いて、部屋で一人でいるのも、目の前でテルが壊されちゃうのも!」
「生憎と、今は貴女の戯言を聞いている暇は無いの。部屋に戻りなさい」
そう言うとレミリアは『威圧』を発する。量は多くは無いが、なんと言っても質が凄い。闇の王に迫るかもしれない程だ。
だが、フランドールはそれに屈さずにレミリアに牙を剥く。
「私は本気よ!お姉様!私はもう、いい子でいるのをやめる!」
フランドールは言葉を発した後に、手から炎を生み出して剣を作り出した。炎の温度が異常な程高いのは見ているだけでもわかる。
恐らく、アデルの持っていた黒の王国の宝物庫の中でも強力だと言われていた宝剣なら容易く真っ二つにできる程に。
レミリアに対して敵意を剥き出しにしているフランドールを見て、レミリアは俺達を一瞥した後に狂った様な笑みを浮かべた。
「フラン。……今貴女は自分が何をしているか分かっているの?……そこの侵入者に何か吹き込まれただけなら捨て置こうと思っていたけれど……スカーレット家の吸血鬼がたかが魔なんかに唆されるなんて、恥を知りなさい」
その言葉を受けて、フランドールは悔しそうに歯噛みをした。あくまでも臨戦態勢を維持し続けながら。
その姿を見て、レミリアも本格的にフランドールと戦う姿勢をとった。
レミリアとフランドールの双方が、武器を構え、互いを睨んでいる。
二人の間に緊張が高まってゆく。緊張に耐えかねたのか、空中に火花が散った。
その時、フランドールはレミリアに向かって途轍も無い速さで宙を駆けてゆき、攻撃を仕掛ける……が、レミリアは非実態の槍でフランドールの攻撃を軽く捌き、逆にフランドールを吹き飛ばした。
壁に激突するかに思えたフランドールは、すんでの所で体勢を立て直し、再びレミリアに向かってゆく
ぶつかり合う膨大なエネルギーの余波が館にヒビを入れてゆく。
「これは不味いかもな……」
呟いた途端、ビビが入っていた館の屋根が崩落し始めた。
瓦礫に巻き込まれない様に飛びながら、戦闘中の二人に目をやる。剣や槍を使った近接戦闘から、弾幕を使った中距離戦闘になるがそれでもフランドールが少し押されている。
そして、二人の戦いに気を取られていた俺は気づかなかった。
お祓い棒を俺に振り落とそうとしていた紅白の服を着た女が背後にいた事を。
「ぐっ!?」
もろに攻撃を受けなかったのは幸運だっただけだろう。辛うじて妙な棒による攻撃を腕で受けた俺は、魔力の気配を感じて即座に後ろに飛び退った。
案の定、数瞬前まで自分がいた場所に魔法光線が通り過ぎていった。
「いきなり何するんだ!?」
俺は大声でそう訴えるが、直接攻撃を仕掛けてきた女と、魔法を打ってきた女は答えずに臨戦態勢を取る。
「何で毎回出会った先から戦闘になるんだか……」
そう呟きながらも、俺は背中の鞘から大剣を抜く。
「悪いが、戦う前に名前だけ教えてもらってもいいか。じゃないと勝った後に自慢できないからな」
こう軽く煽る事で、彼女達の名前を知れるようにする。もしフランドールが負けてしまった場合に、共闘出来る可能性を残しておく為だ。……まぁ、煽っている時点で彼女達にとっての俺の印象は急下降しているだろうが。
彼女達は露骨にこちらに怒りを向けてから、大声でこう答えた。
「これから私に退治されるんだから別に名前を知っても意味無いと思うけど……まぁ良いわ。私は博麗霊夢。妖怪退治が仕事の巫女よ」
「んで、私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだ」
紅い霧と、紅い館を背景として、もう一つの戦いが始まろうとしていた。
to be continue……
改めてまして、タルトです
私の私生活が急に慌ただしくなり、その上執筆に使用していたiPadがぶっ壊れ、修理に出していたりがあった為、こんなに遅くなってしまいました。本当に申し訳ございませんでした!
連続投稿するので許してください!