恋姫バサラ 革命 呉編 紅き虎と天の御遣い   作:双龍

4 / 10
お久しぶりです双龍でございます、うだるほどの蒸し暑さで中々執筆が思うように進みません、今回はバトル回なので少し長くなります、それでは四話をお楽しみ下さい。


4話

信玄たちは孫策たちに案内され孫堅の待つ建業を訪れていた、そして信玄たちは城に向かうため城下町を歩いていた。

 

(城下も中々の賑わいよ、流石は江東の虎孫堅、益々会うのが楽しみになってきたわ)

 

そんなことを考えながら信玄は程なくして孫堅の城に入った、すると早々に玉座の間へと通されることになった、そして信玄たちが玉座の間に入るとそこには孫策や黄蓋の他に新たに四人の女将が待っていた、一番奥の玉座では一人の女将が鎮座しており信玄に声をかけた。

 

「俺は江東の狂虎と呼ばれている孫堅だ、お前等が天の遣いと紅き虎か?」

「天の遣いは知らんがワシが甲斐の虎、武田信玄よ」

「某は臣下の真田幸村にござる」

「同じく猿飛佐助」

「俺は信玄さんたちとは別の世界から来ました、北郷一刀って言います」

「(四人とも良い目をしてやがる)なら今度はこっちの紹介だ」

「ワシは文官の張子布と申す」

「同じく周公謹です」

「同じく陸伯言と申します~」

「私は武官の程徳謀でございます」

(張昭 周瑜 陸遜 程普、皆呉を代表する者ばかりよ、しかしやはり皆女か)

 

孫堅は急に椅子から立ち上がると信玄の方へ覇気を剥き出しにして近づいて来た。

 

「殿!?、まだ何者かも知れぬものに近づくなど」

「うるせぇな大丈夫だよ」

(凄い覇気よ、江東の狂虎の異名は伊達ではないと言うことか)

 

張昭の心配をそっちのけに孫堅は信玄の間近に立ち、信玄の目を見つめた、信玄も不適な笑みを浮かべながら孫堅から目をそらさなかった。

 

「ふっ、俺の覇気を真っ向から受けて動じねぇとは中々やるな、それにお前の臣下もそこの小僧もな」

「ふっ、幸村も佐助もワシが鍛えておるこの程度で怯みはせんわ、それにこの小僧はワシが認めた男、この程度でへたるようでは話にならん」

「なるほどな、それにしてもおめぇもすげぇ覇気だな、どうだ?、俺と一勝負してみねぇか?、雪蓮はやられちまったみてぇだが、俺はそうはいかねぇぜ」

「望むところよ、ワシもお主の実力を測っておきたいと思っておった」

「偉そうに、まあその威勢が口だけでないことを祈るぜ」

 

孫堅と信玄は戦うため玉座の間を出ようとした、すると張昭が行く道をふさいだ。

 

「何だ子布?」

「頭をお冷やしになさいませ、誰とも知れぬものと私闘など、君主のやることではありませぬ!!」

「子布悪いがこれだけは譲れねぇ、どけ!!」

「!?」

 

孫堅が張昭に向けた鋭い目と覇気はまさしく、戦場で江東の狂虎と恐れられた孫文台の物であった、流石の張昭もこの孫堅の勢いに圧されて道を開けてしまった。

 

「大丈夫?、子布」

「伯符様・・・ええ大丈夫です」

(久しぶりに母様の本気の目を見たわ、それにアタシも見てみたい、アタシが手も足も出なかった信玄相手に母様がどう戦うのか)

 

信玄と孫堅はそのまま城を出ていった、後に続くように玉座の間にいた者たちも信玄たちの後を追った、信玄と孫堅は城下町も通りすぎ町から少し離れたところで対峙した、少し離れたところでは幸村たちと孫策たちが戦いを見守っていた。

 

「久しぶりだぜこんな高陽感は」

「ワシもよ」

「行くぜ!!」

 

最初に動いたのは孫堅だった、孫堅は自身の武器の南海覇王を使い信玄に間髪いれない攻撃を繰り出したが、信玄はそれを全て防御していた。

 

(先程の孫策と大史慈がやったことを一人でやるか)

「おら、防いでばっかじゃ面白くねぇぞ!!」

「それもそうよな!!」

 

信玄は孫策たちにやったように斧を一振りして孫堅を吹き飛ばした。

 

「疾きこと風の如く!!」

「!?、面白ぇ技だな」

 

信玄孫策たちにやったように回転しながら孫堅に迫った、すると孫堅は飛び上がり信玄の頭上から剣を突き刺そうとした、すると信玄は突如回転を止め斧で孫堅の攻撃を受け止めた。

 

「甘いわ孫堅!!」

「ちっ!!」

 

信玄は斧で孫堅を弾き飛ばした、すると孫堅はヒラリとバク中しながら着地し剣を構えた、信玄も斧を構え二人は黙ってお互いを見ていた。

 

(流石に娘よりは強いな)

(ここまで強いとはな、こりゃ雪蓮じゃ勝てねぇ筈だ)

「おい信玄」

「なんじゃ?」

「さっきお前疾きこと風の如くと言ったな?」

「ああ」

「それはもしかして俺の先祖の孫子の奴か?」

「ワシは孫子の軍略を元に風林火山という軍略を編み出した、だからお主の娘にワシと孫呉とは縁があると言ったのよ」

「なるほどな、ますます面白ぇ!!」

 

孫堅はそう言うと突如信玄に向かって突撃し、信玄も孫堅のを受け止め二人はつばぜりあった。

 

「おい信玄」

「?」

「見せろよ風林火山全部、俺が全部破ってやるぜ」

「ならやってみよ!!」

 

信玄はまた孫堅を弾き飛ばした、すると今度は斧を地面に刺し闘気を貯めた、孫堅はその隙を逃さんと着地と同時に信玄に斬りかかろうとした、しかし信玄はその攻撃をギリギリのところで防御した。

 

「静かなること林の如し」

「!?」

「続けて行く、侵略すること火の如く!!」

 

信玄は孫堅が攻撃した直後の硬直を狙い全身全霊の拳をお見舞いした、流石の孫堅もその攻撃に吹き飛ばされ地面を激しく転がった、そして土煙の中に孫堅の姿は隠れてしまった、その光景を見た孫堅の家臣たちは驚きを隠せなかった。

 

「大殿がここまでやられるとは・・・」

「ワシでも雷火でも見たこと無いのう」

「驚いちゃうわね、?、孫策様どうかしましたか?」

 

程普は一言もしゃべらず母の戦いを見ている孫策を心配した。

 

「何でもないわ徳謀、でも始めて見たわ母様のあんな楽しそうな顔」

「私もです、まあそれだけ大殿を満足させてくれる相手が私たちの中にいなかったということもありますが」

「そうね・・・」

 

信玄と孫堅の戦いに一刀も開いた口が塞がらなかった。

 

「す、凄い・・・」

「床に伏せっていたとは思えぬ動き流石はお館様、しかし孫堅殿もお館様にあそこまで風林火山を出させるとは」

「一方的な試合になるかと思ったけど、こりゃお館様も油断したらヤバそうだね」

 

観ていた者たちはは目線を土煙の上がる方に戻した、殴り飛ばした信玄も土煙から目を離すことはなく斧を構えていた。

 

「この程度ではあるまい孫堅よ、虎の本性を見せてみよ!!」

 

すると土煙の中から孫堅が立ち上がった、そして次の瞬間孫堅は剣を横に一閃し土煙を払うと、再度信玄に向かって突撃した。

 

「侵略すること火の如く!!」

 

向かって来る孫堅に対し信玄は全身全霊の力を込めた拳で孫堅を迎え撃った、それに対し孫堅は回避せず突撃の速度をさらに上げた、そして次の瞬間孫堅は信玄の拳を受けた、しかし孫堅は拳を受ける瞬間信玄の頭に向かって剣を振り下ろした、流石の信玄も攻撃の最中だったので首を少し動かすことしか出来なかった、孫堅は吹き飛ばされ信玄は兜の片方の角が斬れてしまった、しかし信玄はそれに構わず追撃をした。

 

「動かざること山の如し!!」

 

隆起した大地に孫堅は打ち上げられ受け身もとれず落下した。

 

「お館様!?」

「来るな幸村!!、ワシは大丈夫よ(ワシの攻撃を受けてもなお剣を振るとは、敵ながら見事よ)」

 

心配し信玄に近づこうとした幸村を信玄は制止した、そして信玄は幸村を止める最中も孫堅から目を離すことはしなかった、すると孫堅はボロボロになりながらもまた立ち上がった。

 

「ちっ、あれでもその兜の角を落とすのが精一杯かよ」

「あの攻撃少し驚いたぞ」

「へっ少しかよ、次元が違いやがるなやっぱり」

「どうするこれでやめにするか?」

 

信玄の言葉に孫堅は剣を信玄の方に向けて話した。

 

「俺はまだお前に一太刀も入れてねぇからな、これで終いはねぇだろ」

「ふっ、それでこそ国長の言葉よ」

「ふははははははは!!」

「ぬははははははは!!」

 

突如笑いだした孫堅と信玄に見ていた全員が驚いた、そして次の瞬間二人は互いに相手の名前を叫びながら突撃した。

 

「孫堅!!」

「信玄!!」

 

二人は互いに連続攻撃を繰り出した、しかし二人とも互いの攻撃をすんでのところで躱し、反撃の隙をうかがっていた。

 

(中々隙を見せやがらねぇ)

(ここに来て孫堅の動きが良くなってきているな、ならばこちらから動いてみるとするか)

 

信玄は突如連続攻撃をやめ孫堅から少し距離をとった、そして斧を地面に刺し両手を斧の柄に乗せた。

 

(何をするつもりだ?)

「五行に常勝、四時に常位なし!!」

「!?」

 

信玄が言い終わると上空から突如隕石が孫堅に向かって降り注いだ。

 

「何もねぇのに空から岩が降ってくるだと!?どういう理屈だこりゃ」

 

孫堅は降ってくる岩を躱しながら信玄に向かって走った、それには幸村や佐助たちも孫堅の動きに目を見張った。

 

「お館様のあの技を躱すとは・・・」

「お館様も大概だが、あの孫堅って人も化け物だね」

 

幸村たちの隣で孫策たちも二人の行動に驚きを隠せずにいた。

 

「大殿ー!!、もうやめてくだされ!!」

「無駄じゃ雷火、大殿の耳には届いておらん」

「でしょうね、見えてるのは敵の姿だけ」

「・・・・母様」

 

孫堅は降り注ぐ隕石を躱し続け、ついに信玄の元までたどり着いた。

 

(あの攻撃を躱しきるか!?)

 

孫堅は無言で信玄に突きを放った、しかしその突きは信玄の頬をかすめるだけに終わった。

 

「ちっ!、今の俺にはこれが限界か・・・」

 

孫堅はそう言い残すとバタリとその場に倒れてしまった、すると試合を見届けていた孫策たちが孫堅に駆け寄ってきた。

 

「母様しっかりして!!」

「安心せい、骨は何本か折れとるかもしれんが命には別状ないはずよ、今は限界まで体力を使い寝とるだけじゃ」

 

信玄の言う通り孫堅からは寝息が聞こえていた、孫策たちはすぐに孫堅を医者に見せることにした、そして信玄の事は孫堅が起きてから決めることで両者納得した、その日は建業の城で一夜を明かすこととなった、夜信玄は皆が寝静まったのを確認すると一人で中庭に出て天を仰いだ。

 

(久しぶりにたぎった勝負であった、それにしても最後の孫堅の攻撃には驚いた、もう少しずれていればワシはここにはおるまい、あの小娘に飛ばされたこの世界中々楽しめそうよ、それに書物の上でしか見ることの出来なかった人物たちと話せる、幸村にとってもワシにとっても良い機会となるだろう、心配事があるとすればワシたちがいない間の甲斐だけじゃな、帰る方法も同時に探っていくとするか)

 

信玄はそう心に決めると自分の寝所に戻っていった、しかし彼はまだ知らないこれからこの世界で一刀や自分たちそして大陸の全員を巻き込む大乱が起こることを。

 

 

 

 




とりあえずこんな感じで孫堅と信玄の戦いを書いてみました、個人的な感想では恋姫の孫堅は他のキャラとは強さの次元が違うと思ったので信玄の隕石も躱してもらいました、それではまた五話でお会いしましょう、感想、評価お待ちしています。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。